やっときゃよかった!!
ずうっと「やっときゃよかった!」とクヨクヨしていました。バイクです。10代の頃からバイク乗りになりたくて、バイクに乗らないまま40代になってしまった。一念発起してバイクを買ったら、めっちゃ楽しかったです! バイクに乗って走っていたら風になれるの☆ 風になってどこへでも行けるの☆ しばらく乗ったら気が済んだ & 長距離は乗らないのでバッテリーがあがるので、バイクは手放しました。でも挑戦してよかったと思います☆
もう一つ「やっときゃよかった!」ということがありました。「立ち飲み屋さんでお酒を飲む」です。
わたしが暮らしていた福岡県の北九州市あたりは立ち飲み屋さんが多いです。昔は炭鉱、その後は工場で働く人たちが気軽に一杯ひっかける場所としてお店がたくさんあった。独立した立ち飲み屋さんも数多くありましたし、地元のお酒屋さんが店先でお酒とツマミを出しているところもあった。
急に思い出しました。話は脱線しますけれど、福岡県久留米市の酒蔵まつりの話をしてもよいですか?
今はたぶん色々と規制が厳しいと思いますけれど、当時はゆるかった。どうゆるいかと申しますとあちこちの酒蔵で作っている日本酒や焼酎が「マジでタダで飲み放題」だった! しかもおちょこがデカかった! 今もタダなのかなぁ? でも最後に行ったときはプラスティック製の透明コップは小指の先くらいで小さかったし、飲み放題という感じとは少しちがった気がするなぁ~。
市内の酒蔵を巡回するバスがありまして、客はそのバスであちこちの酒蔵へ行きます。蔵は見学のため無料開放されていて、到着すると駆けつけ三杯で美味しいお酒がふるまわれます。しぼりたての風味豊かなお酒を飲みながら蔵の中を歩いていると、すでに酔っぱらった杜氏さんが赤い顔でポツリポツリと色々なお話を聞かせてくださる。見上げるように大きな酒タンクにハシゴで登って、満々とたたえられた仕込み中の日本酒や焼酎を見せてもらう。発酵途中とはいえ、蔵の中は芳しい酒の香りでいっぱいです。見学が終わるとまた酒を振るまわれ、上機嫌で次の酒蔵へ……。何か所もある酒蔵で自慢のお酒を御馳走になりますからフラフラになります。ww そして中心となる会場へ行くと、久留米のありとあらゆるお酒が並んでいて購入することができます。購入するには試飲したいので、それも飲み放題。wwってか店員さんと目が合うだけで「飲みなさい!」そう言って振るまわれる。ww 大き目のおちょこを出すところもありますけれど、メンドクサイのかコップ(!)で試飲させてくれるところもある。ww まさにタダで飲み放題。ww
そしてお酒といっしょに色々なおつまみも売っている。久留米はラーメンが有名ですし、焼き鳥店が異常に多い。豊かな自然に育まれた地場野菜やお米もおいしい! おいしいおつまみをアレコレ食べていると、お酒もすすみます♪
すると、どうなるか? 会う人すべてが酔っ払いになるのです。ww 今はちがうと思いますけれど、その頃は警備員さんもお店の人も全員酔っぱらっていた。ww おいしそうな落花生があったので買おうと思って店先に立ちました。
ソウ:この落花生はおいくらですか?
するとロレツの回らないおじさんが真っ赤な顔で答えてくれた。
おじ:知らんよ~♪
ソウ:え? だってお店の方ですよね?
おじ:そうよぉ~♪ でもおいちゃんはね、隣の店のおいちゃん♪
ソウ:え? このお店の方は?
おじ:酔っぱらってどっか行った♪
ソウ:すぐお戻りになります?
おじ:わからんねぇ~♪ まあ、おいちゃんの作ったお酒でも飲んで待っときなさい♪
ソウ:あ、いただきます♪
おじ:かんぱぁ~い!
ソウ:かんぱぁ~い!
みたいなことが、あちこちで……。ww 全員酔っぱらってるから大混乱。ww でもみんなご機嫌さん♪ww
あれは楽しかったなぁ~! ぜんぜん知らないご婦人からオニギリもらったりしたなぁ~♪
そういう楽しい久留米と北九州は近いので、当然おいしいお酒がいろいろとあるのです。久留米は日本酒が主流でおいしい日本酒も数多くありますけれど、個人的に好きなのは「流石」という米焼酎です。飲み口がスッキリして香りが良くて、さわやかな青空を飲んでいるような気分になります☆ さわやかな青空なんてカッコつけて言いましたけれど、焼酎なのでアルコール度数は高いです。ww すぐ酔っぱらいます。ww
久留米と北九州は近いうえ、ほかの酒どころもたくさんあるのでに立ち飲み屋さんには美味しいお酒がたくさん並び、立ち飲みなので安価に楽しめる場所でした。庶民的な場所なのでおつまみもスルメイカとか柿の種とか、気軽なものばかり。いつも地元のおじさんたちが数人集まって、ポケットの小銭をジャラジャラ言わせながら(立ち飲み屋さんはキャッシュオンデリバリー。お酒と代金が引き替えです)ああでもないこうでもないと話しながらスタンディングでコップ酒を楽しんでいました。
楽しそうにワイワイ言うのを横目で見ながら「仲間に入れてほしい……。でも入る勇気がない……」そう思いながら通り過ぎるのがお決まりでした。一応、花も恥じらう乙女だったからです。立ち飲み屋に女性が入ることは禁止ではなかったけれど、暗黙の了解で入れない感じだった。そうこうしているうちに結婚して人妻になってしまった。夫は真面目なサラリーマンでしたし、住んでいたのは福岡市です。都会とはいえ小さな街なので、知っている人がたくさんいる。夫の会社は大きな会社でしたから人も多い。もし妻のわたしが立ち飲み屋で酒を飲んでいるのを会社の方に見られたら夫の出世に関わる……そう思うと立ち飲み屋さんへ行く勇気はありませんでした。
時は流れて離婚とか結婚とか離婚をし(←バツ2)、滋賀県に流れ着きました。滋賀県って、立ち飲み屋さんがないんですよね。日本中どこにでもあると思ってた。よく考えたら立ったままお酒を飲むのは少しお行儀がわるいかもしれない……。あれは特殊な文化だったんだなぁ……。
また話がズレてもいいですか? 何度もすみません。ww
特殊で思い出しました。特殊浴場の話です。特殊浴場が何かわからない清く正しいちびっこは、保護者の方に……聞かないでください。聞いたら高確率で叱られます! 聞くとブチのめされるので聞いてはいけません! そのお風呂が何かは大人になったらわかります。今は知らなくていいです。できれば知らずに一生を終えてください。世の中には知らなくてイイコトもあるのですよ。ちなみに世界で一番古いお仕事の場所です。二番目に古いお仕事は「王様」です。かつてのイギリス国王が言っていたので、間違いない。
北九州に特殊浴場の並ぶ通りがありました。ある日わたしはコンタクトレンズを作るため眼科へ行こうとしていました。夕日が沈みそうなので急がなきゃ! その特殊な通りを抜けていくと眼科があるので近道したい。女子のわたしが通るのはちょっと違うかな? もしかしたら危ないかな? そう思いながらも焦っていたので近道をした。すると客引きのお兄さんたちがにこやかに「おはようございます!」って言ってくださるのですよ。最初は知らない人なのにご挨拶してくれるんだと感心しながら小さな声で挨拶をしていたのですけれど、しばらくたって気づいた。関係者だと思われてる。ww 出勤途中の特殊な従業員だと思われてる。ww その後はにこやかに大きな声で「おはようございます♪」そう言いながら通り抜けました。
時は過ぎて今は特殊な従業員と誤解されなくなりました。わたしも大人になったなぁ……(遠い目)。とうとう一度も立ち飲み屋さんに行かないままだった……。どこかで勇気を出して突撃すればよかったなぁ! やりたいことは、やっときゃよかった!!
でも……、
でも、まだ間に合うはず。そして一周まわってチャンスが来たはず。昔とちがって女性の社会進出が(少しは)進み、色々な場所で女性を見ます。そしてわたしは大人になった! 花も恥じらう乙女とちがって面の皮が厚くなったし、心臓に毛だってはえた! 今なら平気で知らないおじさんたちに混じってお酒を飲めるはず!! おじさんなんて言ってるけれど、よく考えたらわたしもおばさんになってるよ! 仲間! 仲間! 一緒に飲もう!
そういうワケでいつか北九州へ帰省したら、立ち飲み屋さんへ突撃したいと思います! やっときゃよかった!なんて後悔だけはしたくない! 身体が動くうちにやらかしてやります!
皆さまの「やっときゃよかった!」が実現しますように☆