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明日を見に行かないか?

作者: 田中浩一

「明日を見に行かないか?」


もう、こんな世の中には

愛想が尽きたわ

12歳のあたしは

秋晴れの空に叫ぶ


「どうしたの?そこ、危ないよ」

聴き心地の良い声に振り向くと

「イケメンっ!」

心の声が露出する


「靴を揃えて脱いで

橋の欄干に乗ってれば

何しようとしてるか分かるでしょ?

まさかあたしがここで

学芸会の牛若丸の

練習をしてるとでも?」

まくし立てるあたしに

見上げる真正面のイケメンの顔が

微笑む


右手を伸ばす彼

繋がれた手と手

引かれて落ちる

受け止められて

息が止まるほど

抱きしめられた


「苦しいんですけど」

「死ぬほどじゃない」


知らない相手と

手を繋いで歩く

どうみても親子だろうな

「ねぇ、どこへ行くの?」

あたしが見上げた彼が微笑みながら

「明日を見に行くのさ」

そう言って駆け出した

しっかりとあたしの手を

握ったままで

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