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“アレ”

作者: 七四

初投稿!拙い作品ですがよろしくお願いします!



「なぁ、“アレ”、何だ?」


「ん?何かあったのか?」


「いや、だから“アレ”だよ」


「んーどれのこ──!? 何だ“アレ”!」


「お前も分かんないか?」


「いや、何でそんなに落ち着いてるんだ!」


「いや、でも“アレ”さっきから動いてないし、大丈夫だろ」


「いやいや!動いてるかどうかの問題じゃないだろ!」


「でも、“アレ”に何ができるんだ?」


「え?」


「いや、だから“アレ”が何なのかは分からねぇけど、“アレ”って危ないのか?」


「いや、んなこと分からねぇよ」


「じゃあ、別に良くないか?」


「ん、そうかも──ってなるか!怪しいものあったら取り敢えず疑えよ!」


「えぇ…めんどくせぇよ…」


「めんどくせぇ、じゃない!俺らが“アレ”放置したせいで大変なことになったらどうするんだよ!」


「そりゃあ……どうにかする?」


「そりゃあどうにかはするけどそうじゃねぇよ!」


「ほら、落ち着けよ、血圧上がるぞ」


「余計なお世話だよ!」


「善意で言ってやったのに……」


「誰のせいでこんなキレてると思ってんだ!」


「“アレ”のせい?」


「“アレ”よりお前だぁ!」


「いや、“アレ”無視していいのか?」


「大体お前はなぁ!」


「“アレ”動いてね?」


「いっつもいっつもダラダラしやがって!誰が尻拭いしてると思ってんだよあ゛あ゛ん?」


「あれ?近づいてる…?」


「この前の夜番のときも、交代で仮眠とるって言ってたから安心して寝てたのに…」


「お、おい、ちょっとヤバくないか!?」


「何でお前まで寝てるんだよ!お前が見張る時間だろうが!お陰で俺まで説教食らったじゃねぇか!」


「絶対近づいて来てるから!」


「あの日はなぁ、久しぶりにできた彼女とデートするはずだったんだよ!」


「いや、すまんかったから!」


「デートすっぽかしたせいでフラれたがなぁ!」


「マジか!?ごめんなさい!」


「それなのに…なんでお前は結婚してんだよ!しかも美人と!」


「知らねーよ!お、おい、マジでヤバイって!」


「何でお前は結婚出来て、俺は彼女にフラれるんだよ!」


「そんなことどうでもいいから早く行くぞ!」


「どうでもよくないわ!」


「何でそこだけ聞いてんだよ!」


「友人や同僚が次々結婚していき、親からも孫の顔が見たいとかいうオブラートからはみ出した催促…!」


「オブラートとか要らねぇから逃げようぜ!なぁ!?」


「オブラート舐めんなよ!俺のハートはオブラート無しの言葉じゃ一瞬で砕け散るからな!?」


「豆腐メンタルどころじゃねぇ…!」


「何で結婚出来ねぇんだよぉ…チクショォ…」


「おい!?沈むな!来てる!めっちゃ来てるから!」


「うるせぇ!」


「いや、お前の方がうるさかったわ!」


「何でそんな騒いでんだよ」


「いきなりテンション下がったな。情緒不安定かよ」


「不安定なのは俺の将来だよ!」


「ドヤ顔で言うな!」


「お前は嫁さん居るもんな……俺の不安なんて分からねぇよな……」


「落ち込むなよ!」


「俺なんて……俺なんて……」


「いや、お前にもいいとこある─「どこだよ」─!?」


「食い付き凄いな!?最後まで言わ─「どこだよ」─……」


「えっと……優しいところ?」


「……はぁ」


「ため息!?」


「何でコイツ結婚出来たんだよ…」


「お?馬鹿にしてんのか?」


「…そういってお前の方こそ俺を馬鹿とか間抜けとか年齢=彼女居ない歴とか思ってんだろ…」


「まだネガティブ抜けてなかった!?コイツめんどくせぇ!」


「あーもう知らね。俺見張りしとくからさっさと立ち直れよ」


「…………」


「ったく、こんな面倒なやつだったか?」


「…………」


「つーか、何か忘れてる気が……」


「…………」


「まあいいか」


「…………」


「…………」


「…………」


「いやいつまで蹲ってるつもりだ──ヨォッ!?」


「あ゛?何だ、俺の姿がそんなに滑稽か?」


「う、後ろ…後ろ…!」


「あ゛?んな子供騙しに引っ掛かると思ってんのか?」


「ち、ちが……──わ、笑ってる!?」


「んだとゴラァ!!──誰も居ねぇじゃねぇか」


「い、いや、今絶対居たんだよ、“アレ”が…」


「あ?何が?」


「だから“アレ”だよ!」


「“アレ”?“アレ”って何だ?」


「はっ?さっき見ただろ?」


「何言ってんだ?何もいねぇぞ」


「えっ!?──い、いない…?」


「頭大丈夫か?」


「お前にだけは言われたくねぇ!」


「んだお前喧嘩売ってんのか?あ゛?」


「うっせぇ!お前そんなだから結婚できねぇんだよ!」


「言いやがったな?結婚出来ないとか言ったな?殺っちゃうぞ?お前殺っちゃうぞ?」


「殺れるもんなら殺ってみろや!」


「おし!じゃあちょっとこっち来い!」


「おう!上等──だっ!?」


「──いだっ!?」


「…おい、お前ら見張りはどうした?」


「「すいまっせんした!!」」



読んでくださりありがとうございました!

楽しんでもらえたら幸いです!


結局“アレ”って何だったんだ…?

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