4話 この温もりは?
いよいよ魔力操作について教わる。この世界に魔法があると知ってから何度か魔法が出せないか試してみたが魔力の魔の字も出すことができず魔法を使うことができなかった。魔法を出すための魔素はこの世界にある動植物、鉱物など全てに宿っており体内魔素、自然魔素を結びつける事で魔法を精製する事ができるようだ。
イアナは魔法の成り立ちについて俺、ギーネに説明すると次は2人の手を取り手のひらに魔素を集中させる。
「レイン、ギーネちゃん今魔素を手のひらに集めてるけど何か感じるかな?」
「手が暖かくなっていってるよ」
「うん!ぽかぽかする!!」
「じゃあ、次は体に回していくわね」
イアナはギーネから手を離し今度は両手を俺と繋ぐ。すると右手から伝わって来た魔素が身体を巡り左手から抜けていくのがわかる。全身を暖かな魔素が流れるのがわかりホッとするような安心感がある。
全身に行き渡ったのがわかったら次はギーネが教わっていた。ギーネもどこか気持ち良さそうにニコニコしながらイアナと手を繋いでいる。
「初めて魔力を使ったから今日はここまでね。あと何回か今日と同じことして魔力に慣れていきましょう」
「「はーい」」
それから数日魔素の循環をしていくことで自分で動かしていけるようになった。空いてる時間などを使い魔素を動かして行くことで魔力も少し上がったようだ。今では、重い荷物など運ぶ時にも魔力を補助代わりにする事で楽々と運ぶ事ができる。前世で5歳児がこれを運んでいたら仰○ニュースにでもなっていただろうな。
俺とギーネは授業以外でも生活の中で体内魔素を使っていく事で自分達の魔素は練ることができてきた。イアナは俺たちの魔力操作が上がって来たのを見分けると次は自然魔素と繋げる事について教わることになった。
自然魔素には火・水・風・土・闇・光の属性がありそれらを体内魔素と繋げることで生み出す事ができる。体内魔素によって生物それぞれの得意不得意があり得意な魔法も変わっていくそうだ。
イアナは小さな魔石を6個取り出し魔力を流し込んで見せる。すると6個それぞれの現象が起きた小さな火が付く魔石、少し水が湿る魔石、そよ風が吹く魔石、砂が出る魔石、モヤっと黒いのが出る魔石、光る魔石。それらには魔力も流す事で出る。流す魔力によって大きさは変わるが得意な属性であれば少しの魔力でも大きな現象が出る。
俺は魔石に魔力を流し得意な属性を見る。大きな現象が起きたのは火・風の2属性だった。ギーネは水・光の2属性が得意なようだ。
今出せる魔法は生活魔法で詠唱もいらなければ攻撃力も無い魔法だ。これに詠唱など理をつける事で攻撃などする事ができる。今は魔力を高める事をしギーネと2人でそれぞれの修業をしていく。