2話 ご近所さんは男の娘?
産まれてから5年が経った。この国では5歳になると神殿に行き神様からギフトを貰うことになっているようだ。ギフトを貰うことで自分だけのスキルや職業を手にすることができる。
母さんが使っていた水を出したりする魔法は生活魔法と言われており攻撃性は無いが魔力が少しでもあったら習えば誰でも使える魔法だ。
ギフトには様々な種類があり同じでも使い手次第で能力が変わったり派生スキルが出てくる。またギフトは1人1個が基準で2個あったら名の知れた冒険者など多く3個にあれば王宮に着くことができる。
現代日本を生きてきた若者とあればこの手の小説なんか読んだりするため色々と考えてしまう。どんなギフトでも使い切れる気しかしない。いかんいかんイ○リトさんみたいになってしまう。
そんなこんなで神殿に行くため近所にすむ幼馴染を迎えに行く。
「母さん行ってくるね」
「レイン気をつけてね!お父さんは先に馬車の護衛の方にいるわ」
「はーい」
ギデオンの家は隣の隣、村なので何もなく1本道になっている。いつも顔を合わせるし今日も一緒に行くのに待ち合わせをしていた。
コンコン
「ギデオン。迎えに来たよー」
「はーい!」
中から可愛らしい声が聞こえてくる。幼馴染と言っても想像する可愛い女の子ではない彼は男だ。ちゃんと物もついてるし唯一の同い年で一緒に遊ぶ男だ。だが、、、
「もう!ギデオンじゃなくてギーネって呼んでって言ってるでしょ!」
家から出てきたのはシンプルな白のワンピースを着て、少し赤みがかかったピンクの髪をキラキラとした誰がどう見ても可愛いと言う美幼女が出てきた。
可愛い、すごく可愛い。前世でギャルゲーをしてきた男としては攻略対象になるであろうキャラなのだが彼は男の娘なのだ。
「ごめんよ、ギーネ」
「わかったならよし!レイくん行こ!」
スッと白く綺麗な手を差し出されて自然に手を繋ぎ神殿に行くための馬車へと2人で向かっていく。
ギーネとは産まれた月も同じで誕生日を祝う際も家族絡みで付き合いがあり本当に兄弟の様だ。でも、ギーネ的には姉と弟らしい。兄と弟なんて言ったらギーネは怒るので言えない。
「本当2人はお似合いね!レイくんギーネの事お願いね!」
「何言ってるんだ!うちのギーネはレイくんでもやらん」
いや、ギデオンだろって内心ツッコミを入れたいところだがギーネ家族はもうギーネらしい。ギーネはまるまる奥さんの血を色濃く受け継ぐことができてよかったなと思う。旦那さんの方だったら堀深く濃いイケメンになってただろう。
「じゃ、行ってきます」
「パパ!ママ!行ってくるね!」
馬車へと着くと父さんが護衛の打ち合わせで御者の人と話をしている。父さんは昔冒険者をしておりその時の経験で村では自警団を取り仕切っている。
「お、レイン来たか。ギーネちゃんおはよう」
「おはようございます!」
「今日も2人はラブラブだなぁ」
「えへへ」
一つ一つの仕草が嫌に可愛い。可愛いが男なのだ。。
「レイン馬車に乗ってくれ、道中は俺がいるけどギーネちゃんの事護っとけよ」
「レイくんまもってくれるの!」
「まもるよー」
馬車が出発する。向かう先は隣村だ。そこの村は別々の村への分岐点になっているから神殿を作り近辺の村と集り5歳の儀を行う事にないっている。
着くともう10人ほど子どもが集まっており俺たちが降りたら説明が始まった。
あまりよく聞いてなかったがとりあえずお祈りしてそしたら頭にギフトが流れるらしいからそれで終わるようだ。
次々と子どもが並び神殿へと入っていく。特に早い者順でギフトが決まるわけではないので後ろの方に並んどく。
ギーネも終わりいよいよ俺の番になった。ギーネは終わったら先に神殿を出されたので俺は1人神像にお祈りをする。
テテン〜
リズミカルな音が頭の中を響かせる。
【鑑定】がギフトされました
お、異世界物でよく聞くやつだな
【魔力武装】がギフトされました
ん?身体を強化するやつか?
【創生】がギフトされました
3つ目も!?創生って事はなにかつくれるのか?
この後は何も起こらなかったので神殿を出て行く。外には父さんとギーネが待っていた。
「レイン上手くいったか?」
「レイくん!どうだった!!」
「ちゃんともらえたよ」
「ならギーネちゃんのとこと祝いで今日は一緒にご飯しよう」
「レイくんやったね!!」
2人とも無事に終わり故郷のパロド村へと帰っていく。帰りも特に魔物にも会わず何事もなく家へと着いた。食事会は最初から予定されてたようで家には既にご飯が用意されておりギーネ一家も家にいた。
「「ただいま〜」」
「レイン、ギーネちゃんおかえり」
「ギーネ!!馬車は無事だったか?怪我してないか?」
「あなたレイくんとレナードさんがいるから大丈夫に決まってるじゃない!」
父さんことレナードも帰ってきたので俺とギーネのギフトの発表となる。これは3つ言わない方が安全だろうかと内心ドキドキしながら会話が進んでいく。
誤字脱字があったらご報告お願いします。