無題
制作中の本編のネタバレは伏字にしています。
製作途中の設定を利用しているため、本編は異なる設定になる可能性があります。
その少年は一撃で男を床に伏せた。
「流石だね」
龍は声をかける。表情が見えない目が彼を向く。
「もう一度聞く。何者だ」
変声はしていない。しかし幼さはない。代わりに威圧感がある。
「×××××××××だよ。××××××××××聞いたことがあるんじゃないかな?」
少年は気を失っている男の顔に視線を落とす
。そして右手の獲物を左手に持ち替え、右手で柄を握りなおした。左手を下げ、刀身を抜く。刀は龍の首筋に添えられた。
「……それはそのままでいいよ。だけど事情を説明する猶予は欲しいな」
一応、両手のひらを肩の高さまであげ、手のひらを少年に向ける。
「僕は×××××××××。×××××××××××××××××××××××××××××。僕がここに来た目的だけれど、それは一旦後回しにさせてほしい。一つ聞くけれど、これから僕が何を話して、生死がどうなろうと、×××××××××××××××君はここから出る。そうだろう?」
少年は何も反応しない。
「僕がここへ来たのは、僕が君の拘束を解くことで、そういう状況になった君と一つ取り引きをするためだよ。……僕が×××××××××××。その代わり、××××××××××××××ほしい」
龍は口を閉ざす。
少年も、暫く何も話さない。
「お前の言う××××××××××××××××××××××××××証明する?」
「それを今ここで証明することはできない」
「ならば、どうやって己を説得する?」
「それは僕を信用したいってこと?」
「誰が……」
「状況ははっきりしてると思うな。君が来てくれることで僕は×××××××××××××。君は×××××××××××××。もう一つ付け加えるなら、君はいつでも僕を殺せる。そうだろう?」
龍は首元の刃を指さした。
少年は再び口を閉ざす。
「僕は君の信用を得ようだなんて思ってないよ。僕が君に殺されないことを信用しないように。大事なのは互いの都合と互いの利用価値さ。そこに信用なんて必要じゃない」
間が空いたのち、少年は刀を降ろした。鞘は左手に持ったまま。
「もう一つ答えろ。お前が己を利用することで、どうやって××××××××?」
龍は静かに口角をあげた。