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それぞれのマリーゴールド  作者: ゆうま
ルート⑭
33/43

ルート⑭4日目

4日目昼会いに行く人物:ナンバー

一先ず生存者を変えることに成功はした

以前このルートをやったときのホース、ブルー、ウサギ、鴬に加えてナンバーが生き残っている

これが狙いだった


ここからどう転がるのか、ブルーの言葉で自分の考えに確信を持った

このままではナンバーは生き残らない


ナンバーの指名先は当然ウサギだ

そのウサギは恐らくブルーだろう

そしてブルーはナンバー


この3人は全員が全員の名前を把握していることを分かっている

恐らくブルーは同時指名のために思い出させに来ただけであるということにも気付いたはずだ

だから裏切れた


ブルーがウサギを指名しない理由は簡単だ

ナンバーが指名をするから意味がない

利用されかけたことなど大したことではない

そして、もしウサギがブルーを指名しなかったときの保険


なによりも、ウサギの望みを叶えることになるから


これが一番大きいだろう

それほどウサギにとって、ブルーに殺されることは重要なことなんだろう

だが、明確な理由はまだ明らかになっていない

唯一それっぽい会話と言えば、ウサギが生き残ったときの最終日にした会話だろうか

だが、それも…


先を急ぐ必要はないとブルーが教えてくれたが、意味のない日々を過ごすのは苦痛だ

もしかしたら、上手い手があったら、ここからナンバーが生き残る手段があるかもしれない

だが、それも不可能だ

今日会いに行けるのはナンバー

ナンバーになにを言ったところでナンバーが指名されることは変わらない


手紙についてなにか言われたわけではないから良いのだろう

だが、今手紙になにかを託したところで事態が大きく変化するとは思えない

また追加ルールでもするか?

でも、一体どんなルールなら、ナンバーは生き残れる?


先を急ぐ必要はないが、ナンバーエンディングへの糸口が全く見つけられないのは問題だ

ナンバーを一番知る人物である苺は死亡、その次に知っているであろうブルーは今晩死ぬだろう

ウサギとはどれくらいの接点があったのか分からないが、ウサギも死ぬ

鴬は全く知らず、ホースも恐らく大して知らないだろう


ブルーがナンバーを指名する理由が自分を指名する可能性があるから、だけならなんとかなるか?

いや、ならない

人の心は証明出来ないし、変わるものだ

脅威が完璧に排除されたと証明するのは不可能だ


ナンバーのエンディングを今回回収出来なくても、もう少しナンバーに生きていてもらう必要がある

ナンバーを指名する可能性があるのはブルーとウサギ

ウサギの今夜の指名先はブルーで間違いないだろう

では、ブルーからの指名を防ぐ様な追加ルールにすれば、ナンバーを指名出来る者はいなくなることになる


―――そうだ


急いで手紙を5通書き、4通はそれぞれのドアに挟む

残りの1通は手渡しだ

反応が見たい


「こんにちは」

「………こんにちは」


昼食を終えて皿を片付けようとしていたナンバーが少し警戒しながらも返事をくれる


「追加ルールのお知らせに参りました」

「…………そんなの、聞いてない」

「だから今お伝えさせていただこうとしているわけです」


ため息を吐くと椅子に座り直す


「同じものを参加者様全員にお渡しさせていただいております」


手紙を一読すると俺を睨む


「…………僕、庇ってる?」

「いいえ。お客様には常に平等です」

「…………なら、どうして―――」

「どうして、同性を指名することを禁止するのか、でございましょうか」


頷いて俺の方を見る


「上からの指示ですので詳しくは分かりかねます。申し訳ございません」

「…………そんなことだろうと思った。……そうでなくても、そう言われれば、諦めるしか、ない」


再度ため息を吐くと席を立つ


「…………これ、よろしく」

「かしこまりました」


レストランを出て行こうとするナンバーの背中に投げかけた


「本当にウサギ様の本名がお分かりなのですか」

「……確証、ない。……確認、行く」


背を向けたまま言われた言葉はなんの色も感じさせなかった

だが、それがなんだと言うのだろう

復讐に燃える様な色だったら、満足なのか?

悲しみに満ちた色だったら、満足なのか?


違うだろ


「昨日ブルー様にアドバイスをさせていただきました。恐らくそれがなければナンバー様はブルー様に指名されていたことでしょう。お気を付け下さいませ」

「……ブルー、僕、指名、不可。……なにを」

「それは―――」


言っても良いのか悩んでいると、ナンバーが一歩踏み出す


「鴬様にっ」


歩みを止めて振り返る


「鴬様に依頼すれば、可能です」

「……それくらい、分かる。……メリット」

「それは…そうかもしれませんが、でも」

「……承知、してる。……ありがとう」


少しだけ微笑んだナンバーは今度こそレストランから出て行った


確かにナンバーを庇う様な追加ルールだったかもしれない

だが、それ以外に思い付かなかった

どちらにしろ今回ナンバーのエンディングを回収することは不可能だ

だったらナンバーやナンバーと関わりのある人物に少しでも長く生き残ってもらって、ヒントを得なくてはいけない




                    ***




5名が会議室Bの指定された席に座る


「追加ルールは読んだか」


全員が頷く


「ちなみに、全員「同性の指名を禁止する」っていう内容で間違いないかな」


ホースの問いにも頷くことで返事をする

この追加ルールに文句を言うのはブルーだろう


「随分ナンバーに都合の良い追加ルールだと思わないか」


そうなりますよね

でもしょうがないじゃん


「それは思ったよ。でも主催者が誰かに肩入れをする様なことはしないだろうって思うんだけど、どうかな」

「偶然だって言うのか」

「うん。残り何人になったら、とか、残り何日になったら、とか、そういう感じなんじゃないかなって思うんだ」


きっぱりと偶然だと言い切るのか

ホースはナンバーのことも指名出来るし、指名される可能性がある

庇っておいて損はないだろう


だが、ホースがナンバーと苺に気付いたと分かるのはAを最初に選んだときだけで、他はいつ気付いたのか分からない

2日目の朝の会話だったから他のルートでも気付いているとするのが普通だが、ナンバーは恐らく名前を聞くか、なにか決定的なことがなければ思い出さないだろう

それを分かっていてやっているのなら、未来のことを考え過ぎだ


「ナンバーはどう思う」

「…………手段、ある」


いつもは急かすブルーだが、今回はナンバーの続く言葉を大人しく待っている


「…………鴬、教える。……それで、指名」

「確かにそれなら出来るわね。でもアタシがそうするメリットが全くないわ」


人差し指と親指で丸を作る


「アタシがお金のために人を殺すって言いたいわけ?!」

「…………普通の、考え。……鴬、違う。……でも、考えた人、分かる?」


ナンバーの言葉に全員が黙ってしまう


「…………手紙、貰ったとき、同じ会話、した。……鴬、メリットない。……あの人、そうかもしれないけど、言った。……あの人、考え、違う」

「そんなことは分かってるわ」


―――え、分かっている?


「あの人が特定の人に肩入れしないことなんて分かってるわ。それに、どんな相手であろうと殺すことを望んでいないことを、あの人は知ってくれているのよ」


なんだ、その信頼に似たなにかは


「鴬、それはどういう意味だ。それに、ナンバーは手渡しだったのか」

「2日目の昼間にあの人と話したのよ。話した内容まで言う気はないわ。でも、アタシはそれからあの人のことを疑ったことはないわ」


疑う要素は今くらいしかないと思うけど…

裏工作をしている、とかそういうことがないと思っているってことかな


「どんな相手だろうとって、どういう意味なのかな」


それをお前が聞くのか

分かっているだろ


「―――恨んでる人…ううん、恨んでも許される人がこの中にいるのよ。言葉にしてしまえば、それだけよ」


それでも鴬は落ち着いた様子で答え、ふわりと微笑む


「…………どうやって貰った」

「自分の部屋のドアに挟んであった。他もそうか?」


ブルーの問いにナンバー以外が頷いて答える

やはり反応が見たいからと言ってナンバーだけ手渡しにしたのは不味かったか?


「…………ウサギ、ブルー、僕、相討ち確定。……気に入らなかった。……それだけ、かもしれない」

「それでどうしてお前だけ手渡しなんだ」

「…………僕、有利に、なる。……反応、見たかった」

「うん、それが一番濃厚な説だね」


ブルーが不機嫌そうにウサギを見る


「さっきから一言も発しないが、お前はどうなんだ」

「私が猫を好きな理由はね、死ぬ姿を誰にも見られないように、ひっそりと1匹で死ぬから。だから、今晩死ぬ私はなにも言いたくない。ひとりで死にたい」


それが今まで死ぬ間際なにも言わなかった理由なのか


「そうか」


静かに言うと、おもむろに席を立つ

ウサギの真横に行くと、抱きしめた


「ひとりで死なせることなんてしない。お前の望みをひとつ叶えてやる。だから俺の望みをひとつ叶えてくれ」

「―――分かった」


ウサギがブルーに手を回す


「綾辻信元」

「金井茉莉」


2人が苦しみだす

だが、その表情に笑みが混ざる


「ありがとう」


同時に、互いに、そう言うと力なく地面に転がった


「どういう…こと…」

「2人の望みがなんだったのかは置いておいて、同時に指名する必要がなかったことが分かったね」


ゆっくりと鴬を指す

鴬が一瞬焦りの表情を見せるが、異性は自分しかいないと思い直したのか、ホースをじっと見る


「厚地加奈」


鴬が苦しみだす


「俺を殺さないなんて、出来るはずがない。そんな綺麗ごとを言っている間に始末するに決まっているじゃないか」

「そんな、こと…っ」

「それに、俺が指名することなんて全く考えていなかったよね。それは考えが甘いんじゃないかな」

「それは、正しい…かも、しれないわ…」

「好きな人の好きな人は好き?本当に、今でもそうなのかな」

「ええ、種明かしを、するときの…あなたの、黒い笑顔…好きよ」


力尽きた鴬を見て鼻で笑う


「変わり者だね。きみも、彼女も」


茫然とするナンバーに視線を向ける


「同性は指名出来ないから、ナンバーは指名の出来る人がいないね」

「……うん」

「俺は夕食を食べずに部屋に戻るよ」


ナンバー 家族構成:父、母、兄、姉、妹、弟


壁に映された情報を横目で見るとスタスタと歩き出す


「……え、あ、僕も」


流石に死体が3体もある部屋にひとりでいたくはないのだろう

ホースを慌てて追いかけて部屋を出て行く

監視カメラの映像を映していた画面が暗くなる


またしてもそれは、俺の様子を心を映していた

5日目昼誰に会いに行くか

ホース ナンバー


*ウサギが生き残ったときの最終日にした会話は「ナスタチウムの決意」の「ルート⑧9日目.10日目」参照

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