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精霊と共に  作者: キリくん
シャングリラ学院 ━大会編━
27/37

再開と反撃

続きをどうぞー!

突然現れた父さんに俺は驚いていた。だが、俺は魔物のことを思い出してすぐに叫んだ。


「父さん!魔物が・・・!」

「魔物?こいつのことか?」

「え?」


父さんの後ろを見ると獅子の魔物は真っ二つに切られ、地に伏していた。


「すごい・・・」

「大丈夫かアーサー?本当はもっと早く駆けつけたかったんだがな」

「ううん。大丈夫。助けてくれてありがとう。・・・父さんがいるってことはさっきの氷は━━「「アーサー!!」わぷっ!」


突然抱きついてきたのは思った通り、赤いマントをまとった母さんだった。


「アーサー大丈夫!?こんなにボロボロになって!無茶したらダメでしょ!あなた達2人も!こっちに来なさい!」

「「は、はい!」」


母さんは強引に2人を呼びつけると魔法の詠唱を始めた。


「光の精霊よ、この者たちを癒しの光で包み込め『ライトヒールオール!』」


詠唱が終わると、母さんの手から暖かい光が溢れ出し、俺たちを包み込んだ。

光は暖かく、心地の良いものだった。

気がつくと俺たちの傷はすっかり消えていた。


「これは・・・!」

「光の魔法の中でも取得が困難な最上級回復魔法・・・」

「よし!これでみんな大丈夫・・・うっ・・・」

「リース!無理するな。かなりの魔力を使っただろう」

「・・・大丈夫よ。こんなことで休むわけにはいかないわ」


そう言ってはいるが、かなり辛いはずだ。それにしても母さんが光の適性もあるのは知らなかった。


「ところで2人ともどうやってここに?」

「ああ、それは・・・」

「あたしの前でお喋りとは随分余裕じゃないかい!『ダークスフィア!』」


正直少し忘れていたが、ヴィネアがこちらに向かって魔法を放ってきた。だが━━


「━━久しぶりの家族の再会だ。邪魔はしないでくれるかい?『ウインドブラスト』」

「ちいっ!」


どこからともなく飛んできた風魔法にかき消された。俺はその声に聞き覚えがあった。


「ノアさん!?」

「すまない3人とも。駆けつけるのが遅くなったね」


声の主は思った通り、ノアさんだった。


「お父様!会議に向かわれたはずでは?」

「キールからの連絡が届いてね。急いで飛んできたんだ」

「それじゃあ父さん達は・・・?」

「んー・・・」


ノアさんは何故かそこで言葉を濁した。


「実はね━━━━」

「魔物ども!こいつらを皆殺しにしろ!」


ノアさんの言葉が遮られ、ヴィネアが再び魔物を呼び出す。


「はぁ・・・全く。人が話してる時に・・・」

「ノア、こいつらは俺たち2人で十分だから説明だけ終わらせておいてくれ」

「わかった。任せたよ」


そう言って父さんと母さんは魔物に向かって行く。


「父さん!母さん!2人だけじゃ・・・」

「まあまあ、あの2人なら大丈夫だから」

「けどあの数は・・・」


さっきまで俺たちが相手にしていた数とは比にならなかった。


「アーサー!私たちのこと信用してないのかしら?そこで大人しく見てなさい!」



━━リース━━


さて、アーサーに言ったからにはカッコイイとこ見せないとね。


「あなた!準備はいい?」

「ああ、問題ない!」

「それじゃ、少し時間稼ぎよろしくねー」


彼に時間稼ぎを任せて私は詠唱を始めた。


「光の精霊よ、我は求める、魔を打ち払う聖なる光を。我は乞う、邪悪なるものを打ち払う破邪の光を。━━━━」


少し気になり、彼の方を見る。

彼は力強いその剣で私に近づく魔物を薙ぎ倒している。剣は速く、一振する度に軌跡が描かれていた。

いつ見てもやっぱりカッコイイわね・・・。

そろそろ私も終わらせないと。


「━━━我は願う、その聖なる光を彼の者に宿らせ、闇を切り裂く剣となれ!『ホーリーライトソード!』」


詠唱が終わると聖なる光が彼の剣に宿り、剣はソルの如き光を放っていた。


「あなた!」

「ありがとうリース!お前の力を借り受ける!」


彼は魔物から距離を取り、剣を左腰の後ろに構える。そして一息付き、光の剣を振るった。


「終わりだ!聖なる光よ、切り裂け!!!『ライトニングスラッシュ!』」


剣が振り抜かれると剣から光の斬撃が水平線のように放たれた。斬撃は目にも止まらぬ速さで魔物の大群を全て切り裂いた。

剣を鞘に収め、振り向いた彼はいつもと同じように笑顔を見せた。



━━アーサー━━


「・・・・・・・・・!」


開いた口が塞がらないとはまさにこの事だろう。あれだけいた魔物をたった2人で全滅させたのだから。セリアはそこまで驚いていなかったが、少し苦笑いしていた。ロットに至ってはポカーンとしている。


「どうアーサー?驚いた?」

「う、うん」

「父さん達にかかればこんなものだ」


2人は自慢げな顔をしている。あれはいつもの調子に乗っている顔だ。


「さてと、ノア。3人に事情は説明してくれたのか?」

「君たちが速すぎて何も話せてないよ。もっとゆっくり倒して欲しいね」

「それは少し難しい頼みだな」

「もう仕方ないから短くまとめましょ」


この人たちはいつもこんな感じなのだろうか。敵が目の前にいるというのにこの調子だ。


「簡単に言うと、2人は既に帰って来ていて、会議の時に僕と一緒に戻ってアーサーを驚かせようとしたんだ。まさかこんなことになるとは思わなかったけどね」


なるほど。だから一緒に帰ってきたのか。


「さて、事情は説明したし。あとは・・・」


全員でヴィネアの方を見る。


「・・・ふっ、アッハハハハハハ!!これは予想外だよ!『エルフの賢者』『銀の牙』『聖女』が揃うとはねぇ!」


ん?銀の牙?聖女?


「父さんと母さんそんなふうに呼ばれてたの?」

「「・・・・・・」」

「顔逸らして黙らないでくれ!」


ノアさんのことは聞いたことあるが2人のことは初めて聞いた。2人からすれば相当恥ずかしいようだ。


「だが、どうする?いくらお前たちが強かろうとこの体は私のものではなく、この娘のものだ。攻撃すれば傷つくのはこの娘さ」


そうだ、このままではヴィネアを倒せない。一体どうすればいいんだ・・・。


「皆さん!無事ですか!?ってノア!?アストにリースも!?」


そこに学院長が駆けつけてきた。


「キール!久しぶりだな!元気だったか?」

「ええ、お久しぶり・・・ってそれどころじゃないでしょう!いや、ちょうどいいですね。ノア!あれを持ってきましたよ!」

「・・・ああ!あれか!セリア!」

「は、はい?」

「━━━━━」

「え?わ、わかりました」


ノアが何かセリアに耳打ちをする。

何が何だかわからないが、何かあるのだろうか?


「はあっ!」


セリアが弓を構えて矢を1本ヴィネアに放った。


「そんな矢が当たると思ってるのかい?」

「みんな!目を閉じて!」


全員セリアの言う通りに咄嗟に目を閉じた。

ヴィネアは特に何もせずに矢を避けた。

だが、矢はヴィネアの前で弾けると眩い光を放った。どうやら矢に閃光魔法の『フラッシュ』をかけていたようだ。


「ぎゃぁぁぁ!!眩しい!!」

「今です!!」


うっすらと目を開いて学院長の方を見ると、メガホンのようなものをヴィネアに向けていた。


「学院長それは!?」

「あああああああ!!!!なんだこれは!この体に止まれない!?やめろ!やめろォォォ!!!」


ヴィネアが苦しみだすと、体から何かが飛び出し、セレナが空中から落下した。


「セレナ!!」


俺は咄嗟に飛び出し、ギリギリで受け止めた。


「セレナ!セレナ!」

「・・・・・・」


意識はなかったが問題は無いようだ。安心してそっと胸をなでおろす。


「良かった・・・。学院長!さっきのはなんなのですか?」

「これですか?よくぞ聞いてくれました!これは私が作った魔道具!名付けて!『憑依解除魔力波発生器』です!」

「「「「「「名前そのままじゃないか!!」」」」」」


その場の全員でツッコミを入れてしまった。


「そ、そうですか?これは特殊な魔力の波を発生させてゴーストなどに取り憑かれた人からゴーストを引き剥がす優れものなのですが・・・」

「やっぱりそのままじゃないですか!」


学院長のネーミングセンスが壊滅的なことにとてつもない衝撃を受けてしまった。学院長もそういう所があるんだな・・・。


「くそっ!クソっ!亜人風情が!あの方の計画を遮るとは不敬な!その行為は万死に値する!」


声の方を見ると空中に黒い影が浮かんでいた。その影は人と変わらない大きさをしていたが、背中にはコウモリのような翼、腰の辺りからは細いしっぽが、頭からは禍々しい黒い角が2本生えている。あれはまさに悪魔というにふさわしい姿だった。どうやらあれがヴィネアの本当の姿のようだ。


「上等だ!俺たちの子供に手を出したんだ。覚悟は出来てるか!!」

「子供たちが受けた痛み!倍にして返してあげるわ!」

「僕の国でよくも好き勝手してくたね。その罪は重いよ!」

「これ以上私の生徒に手出しはさせません!」


さっきのノリはどこにいったのかはわからないが、俺たちとヴィネアとの最後の戦いが幕を開けた。

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