ロットの過去と馬鹿な貴族
すみません!遅くなりました!
「・・・うぅーん。ん?朝か・・・」
いつもの部屋じゃなくて違和感があるな
とりあえず起きて隣のベッドを見ると、ロットの姿はなかった
「あいつも結構早起きだな」
どこに行ったのかと思いつつ、着替えて朝のランニングに出かけた
父さんに毎日の走り込みをするようにと言われていたので、毎朝外を走っている。いつものルートは遠いので、寮の周りを走ることにした
走っていると寮のそばの庭から誰かの声が聞こえてきた。そこには木剣で素振りしているロットがいた
「あそこにいたのか。それにしてもあの太刀筋・・・。やっぱり強いな」
竜人族は亜人の中ではかなり強いらしいが、ロットはほかの竜人族とは何か違う気がする
走りながら見ていると急にこちらをにらみつけてきた
「うぉっ!?ビックリしたー。あいつどんだけ目がいいんだよ。俺も人の事言えないけどさ」
あんまり見ていると殺されそうなので目を逸らして通り過ぎた
「ふぅ〜疲れた。いい汗かいたなぁ」
走り込みから帰ってきたが、ロットはまだ帰ってなかった
「まだやってるのか?熱心だなぁ。とりあえず汗流そうかな」
「じゃあ私が流してあげようか?」
「いや、いいよ・・・ってなんでそんな急に」
「だって男の子は女の子に背中を流して貰うのが嬉しいって聞いたことがあったから、アーサーもそうかなーって」
「いやいや、どこでそんなことを・・・というかサラそんなキャラだったか?」
「一応私だって女の子だよ?こういう時もあるよ」
「と、とにかく。1人ではいるから何かあったら言ってくれ」
「ハイハイ。わかりましたー」
サラって意外と年下みたいだよな。最初は結構静かなイメージが強かったけどな。一緒に暮らして砕けてきたのだろうか?
汗を流して部屋に戻るとロットが戻っていた
「よ、お疲れさん」
「・・・・・・」
「ロットってさ、誰から剣術を習ったんだ?」
「なんでそんなことを聞く」
「お前の太刀筋が見事なものだったからな。気になったんだ」
そう言うとロットは少し驚いたような顔をしたが、すぐに顔をしかめた
「・・・昔冒険者だった父さんに教えてもらった」
「へぇー!ロットのお父さんって冒険者だったのか」
「ああ、たくさんの国を旅したって小さい頃から聞いてた。母さんと3人でその話を聞くのが楽しかったんだ。俺の自慢の父さんだった」
「・・・だった?」
今まで見たことがない幸せな顔で話していたロットが急に怒りを顕にした
「俺達は幸せだった。それを・・・あの日・・・あの時・・・。あいつは・・・あのクソ野郎は!!」
「ロット?」
「・・・ちっ。話は終わりだ。とにかく俺は貴族が大嫌いだ!もう俺に関わるんじゃねぇ!」
そう言うとロットは部屋を出ていってしまった
「・・・あいつ、心の底から幸せそうだったな」
「そうだね。でもあの子は何か辛いことを抱えているみたい」
「わかるのか?」
「何となくね」
ロットのことに関してはまだわからないことが多いがいつか打ち解けてくれるといいな
「さて、そろそろ朝食に行くか」
「私、アーサーの作ったやつが食べたい」
「いや、ここではさすがに無理だよ。それに精霊は別に食べなくても平気なんだろ?」
「そうだけど・・・」
精霊は空気中にある魔素を吸収して生きているため食事をとる必要は無いのだが・・・
少し前に俺の作ったご飯を食べさせると気に入ったのかかなりの頻度で作ってくれと頼んでくるようになった
「今度作ってやるから今日は我慢してくれ。ほら、食堂にいくぞ」
「ホント?ヤッター!」
「まったく・・・」
食堂に着くともう既に他の生徒達で賑わっていた。食堂は基本バイキング形式で、好きなものを取って食べられる感じだ。
適当なものを取ってどこに座ろうか迷っていると、セリアがこちらに手を振っていた
「アーサーこっちが空いてるわよー」
その時、周りの生徒達が一斉にこちらを向いた。なんとも言えない空気の中セリアのもとに向かった
「おはようアーサー」
「あ、あぁ。おはよう」
「どうかした?」
「いや、別に・・・」
周りの視線が相変わらず痛い・・・。そろそろ慣れないとな
「そういえば近々闘技場で大会があるらしいわよ」
「大会?」
「うん。まだ公にはされてないんだけど、一対一のトーナメント式で、剣あり魔法ありの決闘みたい。優勝者には豪華な賞品を贈呈するらしいわ」
まるでゲームのPVP(プレイヤー同士の対戦コンテンツ)みたいだな
「ふーん、剣と魔法ありね・・・。というか公にされてないのになんで知ってるんだ?」
「少し前にお父様が教えてくれたの。アーサーにも教えていいって」
「流石だな・・・」
「それで?どうするの?」
「え?何が?」
「何がって、出ないの?大会」
「・・・いやいやいや。俺まだ入学したばかりだぞ?そもそも参加できるのか?」
「大丈夫よー参加は生徒なら自由だし。それにアーサーならいい線行くと思うけど?」
どういう根拠で言っているのか・・・。でも面白そうだな。腕試しにはいいかも
「・・・考えとくよ」
「絶対参加してよね!ちなみに私も出るから」
そうかそうか。セリアも出るのか・・・
「・・・・・・はい?」
「だーかーら!私も出るの!」
「うそぉ・・・」
「本気よ!もし当たったら覚悟してよね!」
「・・・わかりました」
そもそもまだ出ると決めた訳では無いんだがな・・・
そう考えているとセリアが真剣な顔でこちらを向いた
「それはそうとアーサー。昨日学院長から話は聞いたでしょ?」
「他の貴族が俺に噛みついてくるかもしれないってやつか?」
「うん。城で今色々調べてるんだけどね。その過程でそういう情報が入ってね。まったく、貴族として恥ずかしくないのかしら・・・」
セリアも結構大変なんだな。無理しすぎて体壊さないといいけど
「とにかく、何かあったら報告してね。直ぐに対処するから」
「それもそれでどうかと思うけどな・・・。でもありがとう」
「いいのいいの。私はあなたに助けられた恩返しをしてるだけなんだから。じゃあまた後で」
こちらにウインクしながらセリアは食堂を出ていった
「大会かー」
「出るの?」
俺の食事をつまみ食いしながらサラがたずねてきた
「出てみようかな。実力を試してみたいし」
「そっか。で、私の出番は?」
「場合によるかな。出来れば自分だけでやりたいんだけど」
するとサラはすねたような顔をしてしまった
「ふーん。またお役御免かー」
「ど、どうした?」
「別にー。拗ねてるとかじゃありませーん」
いやそれ絶対拗ねてるじゃん・・・
「頼むよサラ。それにお前の力を使ったときのこと忘れてないだろ?」
「・・・わかってるよ。でも、本当にもしものことがあったら頼ってね」
「もちろん。頼りにしてるよ。さ、行こう」
朝食を終えてそんな話をしながら教室に向かった
教室に入ると既に何人かの生徒がいたが、セリアはまだいなかった
「あれ?まだセリア来てないのか」
そのうち来るだろうと思い席に着くと、生徒の一人がこちらに近づいてきた
「おい、お前がアーサーか?」
話しかけてきたのは牛角族の男だった。牛角族は猛々しい角を持ち、普通の人より体格が大きい種族だ。実際こいつも見上げるほどでかい
「そうだが何か用か?」
「お前の家、国王様に贔屓されているんだってなぁ?」
その瞬間周りの生徒達がざわつき始めた
「そんな覚えはない」
「嘘を言うな!!フェンリル家が他の貴族達より国からの支援金が多いのは全員知っているんだぞ!」
・・・こいつは何を言っているんだ?確かにうちの家は他の貴族より国からの支援金が多いとは聞いたことがある。だがそれは他の貴族達のミスを直す・・・つまり尻拭いだ。父さん達はサボり癖はあるが、仕事はしっかりしている。しかも、他の貴族の適当な書類の修正などもしている。もちろん、父さん達以外にも同じことを請け負っている所もある。だが一部に怠惰な貴族がいるためかのようなことになっているらしい。
ここまでのことをまとめてこいつの今していることを簡単に言うと・・・ただの馬鹿という事だ
「だから俺はそんな覚えはないし支援金のことも━━」
「まだしらを切るつもりか!それにお前!国王様に頼み込んで姫様と婚約したんだろう!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」
「は?じゃねぇ!父上から聞いたんだ!お前の親が国王様に無理やり婚約をさせたってなぁ!」
「ちょっと待てそれ一体どこから━━━」
「いい加減にしなさい」
声の方を見てみると教室の入口にセリアがいた
「さっきから聞いていれば、なんて愚かなことを言っているの!」
「ひ、姫様・・・」
「あなた・・・ファロー家のものね?」
「は、はい。ベルフォメット・ファローです」
先ほどまでとは打って変わってベルフォメットの声は震えている
「まず、あなたの言っていることは間違っています」
「・・・・・・」
「お父様はフェンリル家に特別な待遇をしていません。支援金に関してはフェンリル家が多いことは事実です。しかしあなた達のような貴族のミスを尻拭いをしてくれているから。それにフェンリル家だけが同じことをしているのではありません。ありもしない話で私たちを困らせないでください。それと、婚約の話なんてものもありません。わかったら自分の席へ戻りなさい」
「くっ・・・わかりました・・・」
ベルフォメットは言われるがままに席へと戻って行った
「ふぅ。助かったよセリア」
「いいのよ。まったく・・・。まさかこんなに早く来るとはね。一体どこからあんな話が・・・」
確かに・・・。さっきあいつが言ってたことはかなり無茶苦茶だった。どこからそんな話が出てきたのだろうか・・・?
もう少し話そうとセリアの方を見るとセリアが顔を赤らめていた
「あ、アーサー?さ、さっきの婚約の話なんだけど・・・」
「あ、あぁ・・・。それがどうかした?」
「そ、その・・・。本当にそんな話ないからね。安心してね。━━━━多分」
「う、うん。わかった」
最後に何か言っていた気がするけどきっと気の所為だろう。うん
皆さんこんにちはー!作者のキリくんです!
今回は特別コーナーとして、登場人物に色々質問していきます。では初ゲストのアーサーさんです。どうぞー!
「どうも。アーサー・フェンリルです」
「紹介されなかったサラでーす」
あ、ごめん・・・
「フフ、いいんですよー?怒っている訳では無いのでー。でも後で少しお話をしましょう?」
は、はい・・・。で、では、これからお二人に質問していきます。まずはアーサーさん。アーサーさんはほかの世界から転生してきた訳ですが、転生前の記憶は全部あるのですか?
「そうだな。名前や家族の名前とかもしっかり覚えている。・・・死んだ時のことも」
そ、それは失礼しました。辛い記憶を・・・
「あ、いや、大丈夫。もう割り切ってるから」
そうですか・・・。で、では、次の質問です。サラさんはどうしてアーサーさんについているのですか?
「そこですか。うーん、今は守るため。とだけ言っておきます」
そうですね。質問した私が言うのもなんですけど本編に関わりますからね。では次です。アーサーさんがサラさんの力を使わないのは何故でしょう?
「それは・・・サラをからかっているからかな」
「なっ!?そんな理由だったの!?」
「ちょっ・・・サラ・・・襟首を掴むな・・・苦しい・・・冗談だから・・・」
「なーんだ、それならそうと早く言ってよ〜」
「し、死ぬかと思った・・・」
あのー、イチャイチャするのはあとにして頂けませんか?
「別にそういう訳では無いんだけど・・・。こほん、気を取り直して。俺がサラの力を使わない理由は俺が力を扱いきれないからなんだ」
それはどういうことですか?
「実は少し前にサラと訓練しようと人気のない所で力を使ったんだが・・・」
「ちょっと魔力が暴走しちゃって・・・」
え!?それでどうなったんですか?
「ボンッって爆発してしまって・・・」
「そうそうあれはびっくりしたね」
ばっ、爆発?大丈夫だったんですか?
「ギリギリで上手く防げたから大丈夫だったんだけど、あれ以来訓練するのが結構怖いかな」
「今はまだマシなんだけどね」
なかなか驚きの話でした。では最後の質問です。
アーサーさんは好きな相手ははいますか?
「すっ、好きな人!?」
はい!ある意味これがメインですよ!
「そ、それは・・・その・・・いきなり言われても・・・」
「・・・いないの?」
「え?う、うーん・・・」
さあ!答えは?
「ごめん!ここでは言えない!!皆さん!また次の機会に!さようならー!」
「あ、逃げるの?アーサー!」
・・・行っちゃった。えー、では今回のコーナーは終了です。ありがとうございました!もし何か質問したいキャラがいたら質問をコメントに書いてくれても構いませんのでどうぞよろしくお願いします!ではまたお会いしましょう。さようなら!




