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この世界に埋もれた物語

続・この世界に埋もれた物語[世界の真理]

作者: 神の使い人

猿は、仲間の蛇を信じ高みで終戦を待った。


突如、晴天の空から七色の柱が音もなく大地に降り、その中から十天界の神、始真理が現れた。


神との対面…


その神は、白く輝き大きな体をしていた…


そして神から、猿に十天祭の優勝が伝えられた。


こうして、十天祭の幕は閉じたのだ。


神を前に猿は固くなり、小さくうなづくことしかできなかった。


神の器を授かるということは、神と交わる事であり、そうすることで神の形に成るのだと伝えられた。

それは、つまり…神の体に成るということ。


そして、猿は神の器に飲まれた…


それは、まるで全身が神の腹の中に入っているかのような、そんな時が流れ…


生まれ変わった…


猿は、気がつくと神と同じとは言えないものの、猿ではない存在になっていた。

〈神知〉と〈神の器〉の両方を得た猿は、まさに神に等しい力を得ていた。


そして、始真理の神から神の代理としての期限が告げられた。


その間だけが神であることから神になった猿は、自らを『神間』であると決めた。


こうして、この世界に神の代理として新たな神類が誕生した。



約束通り、猿の血族にも神の器が祝福された。

すると、猿の血族は、神と猿を足して割ったような存在に成った。


意外にも肉体的には弱くなったように感じたのである。それは争う必要のない神が、肉体的強さを持ち合わせていなかったためだとされる。


なんであれ、それが大きな種権になったことは、紛れもない事実である。



始真理の神は、猿からなる神に、約束の時が来るまでもう現れないことを告げ、虹の柱と共に何処かへ消え去ったのだ…


最後に始真理の神は『猿よ、この世界の神として新たな道を示すのだ。』と言った。


こうして、申が示す神の世界は始まったのだ。




神のいぬ間に…


新たな神は自慢気に十天祭の話を語っていた。


あらゆる武勇伝に、神の力の話、称号や十天祭の意図等、最後に強敵の犬を倒した話だとか…


すると思い出したかのように、仲間の蛇の話もしていた。


神は蛇との約束通り、蛇の殺生を禁じた。

特に、白い動物には、幸運の力があると言った。


その自慢は三日三晩続いた…


飲み食いが続いた神の腹は想像以上に膨れた。


その日の深夜…神は激しい腹痛に襲われ、狂ったかのように『この蛇め!』と呻き声を上げ、自らの腹を殴り、引っ掻き、そして転げ回った…


死に物狂いの神に、世界の天候は荒れに荒れた。


神の怒号に誰もが怯え、皆がその身をできるだけ小さく縮めたのだという…


翌朝には、異常なまでに世界は静まり返っていた。


ある光景を目にした誰もが、まるで世界が止まったかのように固まってしまった…

すると、息をするのを忘れた多くの者がその場に倒れたのだ…


そこには、血塗れで腹の破れた神が死んでいたのだ。



それを殺神だと思う者はいない、始真理の神が、不安そうな神に対して『神を殺せるのは神くらいだ』と自信を持たせていたからだ。


だから、神の器との拒絶反応により錯乱したのだと思われた、そもそも、動物と神では合わなかったのだと…考えられた時、理解を越えたことが起きていた。


神の死は、なんと、出産に伴う母体の死だった。


その神は雄猿だったが、既に神に成っていたため実際に起きている、その出産を疑う者はいなかった。


そして何より、驚かせたのは、産まれた子供が性別の異なる双子だったと言うことである。


それは万能の神だからこそなせる転生の妙技なのだと皆を驚かせた…しかし、そんな神であっても神痛には耐えられなかったのかと…気を落とした…


こうして産まれた双子を神の生まれ変わりとして、猿の血族は育てることになった。


しかし、神から生まれた双子は十数年経っても、神のような知恵を持っているようには見えなかった為、猿の血族は、自分達がこの世界の神であると言い出すようになるのであった…


猿の血族は、自分達と双子を区別するために、双子の正体を神ではなく人なのだと教えた。

神を『神間』というんだが、人は『人間』というのだと、そして人は神の真似をして作られた存在であるということが説明された。


猿の血族も、神知は持っていなかったが、育てていた双子よりは長く生きている分だけ多くの知恵を持っていた為、自分達の知恵を神知とし、それに及ばぬ双子の知恵は人知なのだと教えた。



こうして、神のいぬ間に自分達は神なのだと断言したのだった…



これは、十天祭を優勝した猿が、神なったとき、猿からなる神と猿の血族を区別する為に、猿の血族を人類とし、神に劣る知恵を人知と決めたのを、そのまま双子に使ったていたのだった。



『人の起源は神の期限に等しい』神から生まれた双子は、やがて人類の先祖として語られることになるのだった…



これが、人類の先祖が誕生するまでの物語である。


しかし、これは猿が世界を統べる話である。


あの蛇は、よく滑る木の上で観戦していたのだという…

そして、世界を統べるべくその蛇に持ち上げられた猿は、まんまとそこから滑り落とされるのだった…


ここからは、知られザル物語。


つまり、猿の知らなかった話である。


『最期の推理』


「もし、ミーが嘘をついていたら、猿殿にも嘘をつかれてしまうと言うのがミーの法則ですじゃ!」と言っていたか…あの蛇は…


そうだったのか………



これは、神から双子が生まれたと同時期に流れた噂である。


あの神の呻き声は、猿の取り柄である{問食い}により推理がノベラれていたのだという噂があった。



あの夜から、神の呻き声を聞いた者達が密かに集め始めた遺言の数々…それが、神の最期の推理なのである。


猿からなる神が、最期の日まで気付かなかった理由は、蛇を全く疑ってなかったからである。


つまり信用してしまっていた…


それほど、蛇に毒されていたと言うのに、猿からなる神は最高の推理をしたのだと言う…


考えてみると神になった事で、蛇の取り柄や称号までもがわかっていたのだ。


その事実を基に、猿は全てを推理した。


あの蛇が、自らの取り柄を{考察}と言ったのは事実に基づく嘘だった、確かに、蛇は絞殺をするのが得意な生物だった。


しかし、蛇の取り柄は{考察}ではなく{感染}だった。


そして、その称号も『忍び寄る感染者』つまり、ワシに近付いた時から感染することを決めていた…


あの蛇は、観戦者でありながら感染者だった。


どちらも事実…仮死戦術で観戦していたことも、そこから何かを考察をしていたことも全てが嘘だったということはないだろう…


数多くの事実の中に、事実のすり替えによる嘘が上手く混ぜられていたのだ。



さらに、その信用が…それを疑うことをさせなかった。


それが、今でも信じられないのは、感染のせいであることがわかっている。



十天祭の取り柄の中でも{感染}という能力には、超例外的な能力があった。


それは、必ず敵を殺すという能力なのだという。

しかし、その能力には、敵が死ぬ前に、必ず自分が死ななければならないという致命的な欠点がある。


その蛇、決して食らうことなかれ…


オオカミは感染源に直接噛みついたことによる経口感染により死んだ。


それを見ていた神が、おそらくその後に『裏巳(ウラミ)』という言葉を当てはめたのだろう。


そもそも、カラスと戦った時も、鶏の為にカラスに食われて道連れにしようと考えていたとしか思えない…。


蛇は、目的の為に、勝つためには矛盾しているとしか思えないその力まで、迷うことなく使ってしまう生き物なのだ。


ただでさえ{感染}というのは恐ろしい能力なのに、それを使いこなす蛇は更に恐ろしい者だと言える。


この感染は、蛇の毒舌が諸悪の根元なのだと言われる。


蛇の感染能力には、中毒性があり、その会話を聞かずにはいられなくなるのだという。


主な感染経路は、目、口、耳から得られるあらゆる情報から感染し、その毒は認識に作用するものがあるのだとされる。


その毒は、会話感染し、会話を重ねるほど重症になることから、それを「重言」といい、それが「呪言」という言葉になるのである。それは、初期症状として思考が鈍くなることを、呪いなのだと言うようになったからである。



その毒には、高い知死性があり、感染が進行すると知能を死滅させ、思考を麻痺、停止させるのである。



要するに、頭を悪くするという能力なのである。


それは、賢者をも愚者にする力。


知能を使う十天祭において、最強クラスの能力だと言える。


まさかとは思うが、見ても感染させられるその能力に、始真理の神も知らぬ間に犯されてしまったのかも知れない…


そして、わかった…


いつの間にか、ワシは感染していたんだ。


あの時、既にワシは観戦者になっていた。


最初から蛇はワシが観戦者になるようにすすめていたじゃないか…


そして、全て…言いなりになっていた…


まさか…ワシの知能を低下させていたとは…


出会った時は確かに警戒していた筈だが


口下手と言えないワシでも舌を巻くほど、饒舌なあの蛇は、自ら欠点や取り柄を惜しみもなく話してきた


いつの間にか警戒は解けていたのか…


蛇は、疑われない為にほどんど事実を喋っていた筈だ…


あの法則も嘘だとは思えない…


「もし、ミーが嘘をついていたら、猿殿にも嘘をつかれてしまうと言うのがミーの法則ですじゃ!」と言っていたか…あの蛇は…


そうだったのか……嘘はバレた時に嘘になる。


全ては、信用させるための口実だったのか…


この腹痛は、やはり蛇なのか……


信用した…あの…卵…蛇の卵だったのか!


神を殺せるのは、神くらいだろう…


そうか、蛇め!!


蛇めーーー!


後半は神が何を言っていたのか、誰も聞き取れなかったが、それ以外の神の情報を元に、猿の血族は知恵を出し合い推理を完成させるのだった。


神は蛇を恨んでいた。または、神は蛇に恨まれていたんじゃないか?と言う話が中心となったが、神と蛇は仲が良かったんだから、そういう問題じゃなてく聖戦による後遺症なんじゃないかという意見を言う者もいた。


対立により揉めることもあった…


それほど真剣に議論がされた。


時に笑い、共に泣き、やけ食い、投げやり…

やがて仮眠をとる猿までもが現れ。


議論が長くなるほどに論点は定まらなくなり、集中力の限界はもう越えていた…

緩みに緩みきった議論がついに終わり、猿達が最終的に、導き出した神の死因は『食あたり』という病気であることに決められた。


これは、寝ていた猿も起こして、猿の血族が全会一致で賛成した結論なのである。


やはり、食べ過ぎて居たことと…夜も寝られなかったことを論理的考え、皆がその『サルも寝られん菌』という正式名称に納得したということが、今回の神の死因に直結した病原体を発見する大きなきっかけとなったのではないかと言われている。


そして、神が死んでしまったから、新たな神が生まれたのだと…


その新説により、あれを妊娠だと考える者はいなくなったと言うか、それは忘れてしまったのだという。


そして、彼らは真実にたどり着いた者として、猿の血族の代表となり神の子供を育てることになったのだった…




猿からなる神はそもそも感染者であった為、あの三日三晩続いた宴で、神の話をきいた猿の血族も、頭が悪くなる感染症に感染していたのだった。



この知られザル物語には、猿の知られなかった最期の推理がある。


猿からなる神は、誰もが何を言っていたのか聞き取れなかったものの、蛇の真の目的まで全てを推理していた。


何故蛇がこのような事をしたのか…


腹の中にいるのに消化されていない事を考えると、それは神の器の影響によるもので、蛇は神の器を得ることで、神のような存在になることを想定し、容易に死なないと考えた作戦がこれなのだろうと推理された。


それにより、後の神類には、誰もが予期せぬ蛇の情報までもが含まれることになるのだという。

それを、神に与えられた脳を持ち、その中に哺乳類の脳を持ち、更にその中に爬虫類の脳を持つようなものになるのだと推測した。


そして、蛇の真の目的は、神を殺すことだった…


おそらく、動機は、蛇が言っていたような恨みなのだろう……



多少の誤算はあったものの結果的に蛇は間接的に神を殺すことになるのだった。


『神を殺せるのは、神くらいだろう』と始真理の神は言ったが、それを蛇は知らなかった。


それが蛇の誤算、蛇は敗北と同時に神知を失っていた為、神に等しい力までは手に入れることができなかった。


果たして神殺したのは、そんな腹の中の子供だろうか?


あの宴で、猿からなる神が言っていた…誰かを傷付けようとすることは、自分を傷付けようとすることと同じなのだと…


それなのに神は、自らの力で自らの体を傷め、その痛みでまた自らを傷め、痛い傷めを繰り返し、その猿の異体は遺体となって悼まれることになるのだった。


神を殺したのは、その神だった…


神は感染で死んだ。


頭でわかっていても、感染により、その行動を止めることができないようになっていた…



せめて、あの宴で感染させてしまった病原体を広めないように、最期に言い放った言葉が、見ざる、言わざる、聞かざるだった。



実は、その言葉を聞いていた者はいたが、それを聞かなかったことにした者や。それを言わざる者ばかりで。結局、あの後の議論により猿達の感染が更に酷くなってしまうのだった。




こうして、人類の先祖は誕生し、知られ申物語は知られてしまうことになったのだ。


今でも、人類は極めて高い殺傷能力の毒をもっている。


それは、誰もが持っている毒である。


それを、毒だと思ってない人が多い。


あの十天祭を優勝した猿でさえ、信用してしまったことが死因なのである。


信用してしまうと、正しいと思うことを正しいと思ってしまう。


それが正しくなくても。


間違った信用ほど、恐ろしいものはない。


戦争の大量殺人者は英雄と呼ばれるらしい。


それが申の示す神の言葉だとしても「信じる者は救われる」とは思わないでもらいたい。


信じるのは自由である。しかし、それで救われるのは信じ続けて知らないまま死ぬ場合だけである。


信じのは自由、救われるには努力が必要。


生きるために。





                 Fin。


追伸


(人の起源は神の期限に等しい)


人の祖は神の生まれ変わりだという説がある、よって古来より人には神の思想があり、そして、神がいないのは、人と神が入れ替わりになったカラダと考えられたからである。


(人の期間に神の帰還はない)


入れ替わりになった神が帰還するのは、人の期間が終った時である。つまり、人間とは、人の間だけ人であることが許されている。それは、神の代理と同じ仕組みである。


よって、人と神が出会うことはない。


それを「神入らない世界に人入り、人入らない世界に神入る。」という。この言葉は、十天祭が始まるきっかけとなった、神と世界が死ぬ物語に関係している。



しかし、その話は神の世界でも、人類が触れてはならない話とされていて、それ以上は人類に理解できないように制限されている。



十天祭で、聖戦士達がその取り柄をどう使うか試されていたように、人類もその人柄をどう使うのか未だ試されているのかも知れない。


たとえ真の神が居なくても、それは考えなければならないことなのである。


人類は自然の法則、つまり以前の神の法則には従わないできた。


だから今がある。


この今を大切にしてほしい。


それが、誰かの作った間違った道だとしても。


他人の世界が変わっていなくても、自分の世界は変わっている事がある。


人には、神に似た、世界を変える力がある。


考え方1つで世界は変わる。


世界が変わることを、夜明けと言う。



人類の法則は、世界が1人に1つあるという法則からなるのである。




皆さんは、エデンの物語を知っているだろうか?


作者は、一部しかしらない。


エデンの世界には夜がない。


そこには様々な動物とアダムとエバ(イブ)が暮らしていて、エバが蛇にそそのかされて、食べてはいけないと言われていた林檎(仮)を食べた。そして、その林檎をアダムも食べたという話。


だから、神は怒って、出ていけーとなりました。


追い出したのには、理由(言い訳)があるらしく、もう1つの生命の果実を食べたら、神のような存在になってしまうからなんだ。


しかし、その物語にはいくつか蛇足がある。


その一つが、知恵の果実(林檎)を食べると、イチヂクの葉(仮)で見られたくない部分を隠したのだという。


その禁断の林檎を食べたことが理由で、神に追放されたのだとすると、それは蛇足なのではないかと思う。


禁断の果実を食べてからアダムは女に名前を付けたのだと言うのも、後から名前を付けたんじゃなくて、その口実に後付けの臭いがする。


これは、作者の解釈である。


この物語は好きだが、伝言ゲームのように受け継がれるうちに解釈で内容が変わったんじゃないかと思う。


その物語は、全くの嘘という話ではない。

エデンは、神と人の共存がもう許されないという教えを伝える為に、事実を元に解釈された持論を使い、それを少しややこしく例えた物語なのである。



これは神の行いを正当化しつつ人を追い出す物語…



そもそも、蛇が話しかけてきたこと!!


その蛇を、諸悪の根元と思われているが、そうして会話ができたのは、エバが蛇の生まれ変わりだったからである。


会話ができるのは同じ動物だからだよね!


それは、やむを得ん。アダムとエバは、神の腹を破って出てきた蛇からなる人なのだからね。


人の肋骨からエバが作られたと言う話もあるが、それは猿からなる人の概念で、同時に2人の子供が生まれるという事を猿は知らないが為に考えられた強引な解釈なのである。


しかし、蛇と話せるからって罪人に仕立て上げちゃうのは良くないよね~



この物語は、かなり巧妙に仕組まれている。


神と人との直接対立なら、賛否両論あるところ、あえて蛇が一番悪いんですよという、論点の偽装までされている。

つまり、あくまで蛇が悪いんだよ?

だけど、君たちには、出ていってもらうしなかない。

これは、神も不本意なんだけどね。

という、責任転嫁の話。

まるで、政治家のやり方である。


十天祭で蛇は死んだ為に、アダムとエバは神知を持っていなかった。

神の器とは交わっていた為に、猿からなる人類と見てくれは似ていた。


アダム達から見る、神とは猿からなる人のことである。


アダムとイブには産みの親はいないのは事実で、神という育ての親がいただけだ。


猿からなる人は何もわからない赤子を育てた。


そして基本的なことも教えた。


ダメと言われたことはしてはいけないだとか。


悪いことをしたら謝るだとか。


しかし、知恵の優る猿からなる人は、成長していく蛇の生まれ変わりの人に少し違和感を感じたため、新たな神を見殺しにしようと考えた。


そして、自らを神格化しようと考えた。


そこで、食べるなと言われても食べざるを得ない、禁断の果実を食べさせるように前振りをした…


絶対、このバナナを食べてはダメだぞ!!


なんでですか?


これを食ったら死んでしまうんだ!!!


わかりましたー。ほーぃ。



すると、あら不思議!


アダムとエバが全くバナナを食べないんだよね~


いい子ちゃん達だ、たぶん、普通に出ていけって言ったら出ていくんだろうな。


でも!それは、なんか自分達が悪いみたいやん。


やっぱり、世間体は守ってもらわんと。



それはそれは、あれだけ、食べてくれ~と喋りかけてくるバナナを食べない事なんて猿からなる人にしてみれば全く理解ができない事で、さすが神の生まれ変わりなんだよなぁと憂鬱になった。



しかし、違う木だけど珍しく林檎を食べたんだよね!



それを!猿からなる人は見逃さす!!


言ったよね?それ!!食べちゃダメだって!!!


えっ?いや、それはあのバナナだったのでは?


違うよ~、あっ、あれだ!たぶん、蛇だ!

蛇が、食べたらダメなのはバナナだったよね?って、お前達を騙したんだよ~どうせ~。

あっちゃ~。


え?ごめんなさい。


いや、謝ってすむ問題じゃないから!!!

今!謝ったのみんな聞いたよね?これは、自ら非を認めたという自白として、持ち帰って検討させてもらうことにしたわ~。


おとなしくしとくんだぞ!やけを起こすなよ!!


猿からなる人達は、カンカンに怒って枝から枝に飛び移り森へと消えた。



ちょっとアダム!食べちゃダメなの、バナナだったわよね?


えっ、俺、あんまり聞いてなかったんだよね…ごめん

それより、なんで神はバナナを食べてるのに俺たちはダメなんだ??


それには、何かあるからよ!!もう、あんな奴ら待ってないで!バナナ食べてやりましょ!


えー?いいのか?


だって!さっき神様が言ってたでしょ?食べてはいけないのは、林檎で!バナナは蛇が言った嘘だって!

でも、私は、バナナって聞いたもん!


あっーわかったよ!俺もバナナだって言われたきもするし。神様が言ったから疑いはしないけど…2人が同じ勘違いする事もないだろう…


パクっ


なにこれ~甘~い!こんな美味い物を独占してたのね!


ん~そうか?林檎の方が俺は美味いと思うけどな~



でも、おかしくない?こんな美味し物を食べたらダメだなんて、私たち神様の言いなりになりすぎだよね?


確かに。そもそも寒くない?俺、体温上がりにくい体質みたいなんだよなぁ


私も最近思ってた~。


じゃーこのバナナの葉っぱでも巻く?


いいねー。前からなんか恥ずかしいと思ってたんだよね~


え?恥ずかしい?


神様が来たらアダムも手で隠してるじゃん!

いや、アダムに恥ずかしいとは思わないんだけど。

なんか神様達の見方が気持ち悪いんだよね~


あ~確かにそれはあるな、この草で隠せばいいよね。


そこに、怒った顔をした神達が現れた!!


何をやってるんだ!!!あれだけバナナは食べちゃダメだって!あ~あ、もう、既に症状が出ちゃってるよ~これ。これはも~やむを得ん!

追放じゃ~~!!!



いや!さっきは、バナナは食べてもいいって!!!


そうですよ!ダメなのは林檎だったのでは?


そっちが!蛇じゃ~!!!


理不尽やなーーーおーい!という感じの実話があったのじゃ。


神様も嘘ついてませんか?食べても死にませんよ?


そうだ、そうだー!


いや!!死ぬほど美味い!言葉の綾やろ!!!

神に!口答えー!!!

言っとくけどね、これは、あれだよ。

君たちは、今は死んでないだけでいつか死ぬよ?

食べなかったら、死ななかったのになぁー。

あと!さっきの暴言、あらゆる労働とか産みの苦しみの罰も与えるから!!


めちゃめちゃ言ってくるじゃん。


これは、神様としてどうかと、思うよね~


ほんと、ないわ~。


ちょっ!!!これやるわ!

動物の皮で衣作ったからさ~。

そんなに言うなよ。


アダムどうする?


これは賄賂か?


あっ濡れ衣着せられたけど、泣き寝入りしろって罠かもね。


もう、夕方やし、ここから出ていってくれんかな?


わかったよ!アホ!!


こうして住み慣れた場所から、道なきロードを歩かされるという、これも労働の刑なのか?


カサカサッ


きゃーーっ!


いたっ!道路整備しとけよ~。


も~。歩けな~い。


こうして安全地帯を求めて怯えながら夜も歩いた。


こんなに、夜が怖いとは知らなかった。


不安な夜と、安心の夜の違い。本当の夜を知った。


追放されたことにより世界は変わった。


ちなみに、この物語に登場する禁断の果実には、まるで架空の食べ物かのような力を秘めているという話だが、この物語のその不思議は、ただの成長過程で説明ができる。



禁断の果実を食べたことにより、心境に変化が起きたというのには疑問がある。


それは、食べてはいけないと言われた果実を手に取った時点で、既に心境の変化が起きていたということになるからである。


それを、ただの反抗期だと考えたら筋が通る。


そして裸に気づいたのは、成長して肉体的に変化が起きたことにより思春期になったからである。


しかし、神達はアダムとエバに、それを禁断の果実を食べたから、知恵を得て、裸に気づいてしまったのだと言ったのだ。


成長過程であることを知らないアダムとエバはそれを信じた。


これが、エデンの秘密である。


簡単に言えば神に濡れ衣を着せられた話である。


そしていつか人類は着飾る事が大きな罪になる。




その後、エデンを追放された双子は、文字や言葉を広め世界を歩き、やがてジパングなる場所にたどり着いた。


そこには、十天祭開催中に神知を記録していた聖戦士がいたのだ…


その頃には双子の名は、イザナギとイザナミという名前に変わっていた。


そして、その国は、巳が示すことになる。


つまりまつり、(マツリ)(マツリ)祭祀(マツリ)というか、神を、あえて崇め奉る。


神話があえて多く作られたのだ。



その神知の記録に、神の近くに居る鶏忘るべからず。という言葉があった。


それを見た、国の神は、神の庭に居る鳥として、神の庭に鳥居を置いたとさ。



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