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女神たちには敵わない -The goddess's march-  作者: まるずし
序章 異世界への招待
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第5話 各国の詳細

 異世界に来て三日目の朝。

 カーテンから差し込む朝日に起こされた僕は、改めて昨日までのことを反芻する。

 色々と前途多難ではあるが、しかし異世界生活はまだまだ始まったばかりだ。めげずに自分の成長を信じて、今日も一日頑張ろう。


 昨日、一通り戦闘の流れを学んで、今日は早速実戦が始まる。ただ、今日はまだ僕らは戦わなくていいらしく、騎士団長のオルドルさん曰く『パワーレベリング』というのをやるそうだ。

 今日の戦闘訓練は午後からなので、まず午前中はこの世界イストリアに関しての様々な常識や知識を学ぶことになった。



 大まかな感じで言えば、常識的な部分は地球でのルールと変わりは無かった。

 例えば、人権尊重の基本は同じで、理由無しに人を殺してはいけないし、女性を襲ったりももちろん犯罪だ。放火や窃盗なども含めて、やってはならないことは大体分かる。地球での生活通りに過ごせば、まず問題は起こらないだろう。


 違いと言えば、やはりモンスターがあちこちに居るということで、その脅威は地球での猛獣レベルとは比べものにならない。その対抗手段として、冒険者が居るということだ。

 基本的に、モンスターの討伐等は冒険者が行う。そのためのギルドというモノも存在する。

 僕らはいずれこの宮殿を出て、冒険者となって世界を救うのだという。ここでする訓練は、その冒険者としてやっていくための実力作りだ。いきなりで大怪我しないよう、充分な力を付けてから送り出したいとのことだった。

 ほか、獣人やエルフ等の亜人種が居るのも、地球との違いだろう。


 講義はイストリアに存在する各国の詳細へと移る。

 僕らは世界中を旅することになるのだから、他国の詳細もちゃんと知っておかなければならない。

 その各国の主な内容は次の通り。



 ◇◇◇



【エーアスト王国】

 僕らが召喚された国で、『神人と9人の聖女伝説』にて語られる聖女の血脈が、唯一残っている国である。この世界イストリアでは、中心より南東寄りの位置にあるとのこと。

 因みに、この世界は丸くないらしい。地球との一番の違いと言えばこれかも知れない。

 この世界の大陸は平面の上に乗っていて、海の果ては確認しに行った者が居ないとのことで、言い伝えでは魔力障壁みたいなモノでそれ以上行けなくなっているという話だ。


 エーアスト国は比較的豊かな国で、商業も栄えている。

 王国を守護するのは、『国王守護騎士(キングズガード)』と呼ばれる4人の騎士。SSランク冒険者に匹敵する実力の持ち主で、その上のSSSランク冒険者が世界に4人しか居ないらしいことを考えると、頼もしい存在だ。もちろん、騎士団長のオルドルさんも居る。

 この国に召喚されて良かったと思ってる。



【アマトーレ公国】

 エーアスト王国から一番近い国で、エーアストから見て南西に位置する。

 国防面に不安のある国だったらしいが、最近他所からのお抱え剣士が居るとのこと。後に説明するグランディス帝国の騎兵団長筆頭グランド・センチュリオンを務めていたとかで、実力は確かなようだ。

 ここの大公姫がとてもじゃじゃ馬らしいということも付け加えておく。



【カイダ王国】

 エーアストの南東に位置していて、二番目に近い国。

 かつては、すぐ近くにダンジョンがあったこともあり、迷宮都市として栄えていたらしいが、20年ほど前にダンジョンマスターが封印され、そのせいなのか、当時の隆盛は見る影も無いようだ。

 残念ながら特筆する人材も無し。



【フリーデン王国】

 エーアストの北東に位置する、三番目に近い国。北は海に面していて、塩の産地らしい。

 最近目立つようになってきた才能ある剣士が居るとか。



【ファーブラ神奉王国】

 エーアストの北北西に位置する、四番目に近い国。

 女王国家で、千年前に神人が作ったとされる国らしい。王家には、神人の血が受け継がれているという。

 女王には双子の子供が居たというが、現在は二人とも行方不明とのこと。


 女王を守護するのは、『女王親衛隊ソード・オブ・クイーン』という6人の騎士で、彼らもSSランク冒険者に匹敵する猛者らしい。

 この国ではチーム対抗のバトル大会もあり、毎年賑わっているようだ。



【グランディス帝国】

 大陸の中心より少し北西に位置する、イストリア最大の国家で、近くに巨大迷宮があることもあり、商業も軍事力も間違いなく世界一の国とのこと。その迷宮目当てに、日夜たくさんの冒険者が集まってくるらしい。

 勇者の育成学校があるというのも特徴で、とても人材豊富な国だ。

 年に一度、個人最強を決める武闘大会というのも開催されている。


 帝国には『軍神』と呼ばれる超ド級の将軍が居て、さらに『雷神』と呼ばれる、人類最強の大魔道士も居るとのこと。なるほど、世界一というのも頷ける。



【ディフェーザ王国】

 エーアストの遙か北に位置していて、帝国に次ぐ軍事力を持つ国。

 中心には列国最強と言われる『王国神命十二騎士ファナティック・ガーディアンナイツ』が居て、後に説明する魔人国の侵略の大きな壁となっている。


 この世界イストリアには『魔神』ならぬ『魔人』がいて、古来より度々紛争が起こってきた。

『魔人』はかなり好戦的な人種で、各国は現在もその脅威にさらされている。しかし、魔人国が他国に攻め入るには、必ずこのディフェーザ王国を通らねばならないため、いわば防波堤の役目になっている国とのこと。『王国神命十二騎士ファナティック・ガーディアンナイツ』という優秀な人材が集まるのも、そういう理由があるかららしい。


 ほかこの国には、鬼将軍と呼ばれる隻腕の世界最強剣士が居る。

 悪魔グラシャラボラスを単独で撃退したという話で、その時片腕を無くしてしまったらしい。技術スキルSSSランク保持者3人のうちの1人でもある。

 魔道士長に『地壊者(ランドクラッシャー)』という人も居て、これもデタラメに強いという噂だ。



【パスリエーダ法王国】

 エーアストの遙か西に位置する国で、法王が治めている宗教国家。自国の軍を持っていないので、優秀な傭兵を招集して国防に当たらせている。

 すぐ北にある邪教国家と頻繁に衝突していて、現在も度々抗争が起こっているらしい。


 法王を護るのは、『神聖騎士団(ホーリーナイツ)』と呼ばれる聖騎士(パラディン)たち。

 ほか、至宝四聖剣の一つ『不滅なる神剣(アーイディオン)』がこの国で管理されている。



【邪教国家エレジーア】

 パスリエーダ法王国の北に位置する小国。

 魔人国とは違って人間の国ではあるが、邪神を崇拝していて、周辺国に侵略を繰り返しているらしい。その最大の被害国がパスリエーダ法王国とのこと。

 6本の魔剣『アンビティオ』『ヴァニタス』『レマルゴス』『オーディウム』『アドウェルサー』『グラオザーム』をそれぞれ所持した、『終末の六騎士ナイツ・オブ・アポカリプス』という強力な暗黒騎士たちが居る。



【新国ゼルドナ】

 まだ出来て10年ほどの国で、パスリエーダ法王国の北東に隣接している。

 10年前、邪神国が法王国に攻めてきた時、法王国に雇われて大活躍した傭兵が、その褒美として広大な土地を貰い、そこに建国したとのこと。

 褒美と言えば聞こえがいいが、要するに邪教国に対する番犬的な位置付けらしい。抗争が始まれば、否が応でもその戦に参戦させられることになる。

 それを理解した上で、当の傭兵は喜んで褒美を賜ったらしい。まだ歴史が浅いので、多少治安が悪いのが難点とか。


 因みに、この元傭兵の王様は伝説と言われるほどの猛者で、帝国の軍神と同等以上の強さらしい。『終末の六騎士ナイツ・オブ・アポカリプス』の一人一人とタイマンし、全員と互角に戦ったとも伝えられている。



【魔人国】

 この世界の遙か北東、地の果てに存在する、魔人族の国。

 魔人は人間種よりも遙かに強靱な肉体を持っているが、人数は人間種と比べてかなり少数らしい。

 基本的には、人間種と魔人族は敵対しているが、現時点では明確な侵略行為はしていないとのこと。ただし、怪しげな動きはいくつか見受けられる。


 これらの国のほか、獣人の国やエルフの里など、亜人種が集まった国もあるという。



 午前の講義が終わり、僕らはいよいよ実戦へと出ることになった。


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