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女神たちには敵わない -The goddess's march-  作者: まるずし
序章 異世界への招待
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プロローグ


 この世界は ひとたび滅び終えた


 神人(かみびと)は 世界を救えなかった


 竜の王も精霊の王も 為す術無く


 世界は終焉を迎えた


 千年の繰り返し 二度は無い


 神人の大いなる遺産がいま


 魔の王の復活を迎え討つ……




 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆




 もうすぐ夏休みというある暑い日の夕方。

 その日、僕たちのクラスは普段通りの一日を過ごし終わり、僕は放課後の過ごし方をぼーっと考えていた時だった。


 「こ……これは……!?」


 教室全体に巨大な魔方陣が浮かび上がった。

 目の前に七色の光が飛び交い、上昇しているのか下降しているのか分からない振動と共に、身体がどこかへと飛ばされていく。



 ふと気が付くと、そこは石で作られた、荘厳な宮殿のような場所だった。テレビや写真でしか見たこと無いような柱が立ち並び、床は艶やかな大理石らしきモノで出来ている。

 何が起こったのか分からないまま、周りを見渡して状況を確認すると、クラスメイト全員が、僕と同じようにこのわけの分からない状況にただただ驚いていた。


「なんだこれ!?」

「ドッキリ……とかじゃないよね、絶対に」

「無理だ、こんなこと常識では不可能だ」


 仲の良い者同士達が集まり、押さえきれない不安を互いに吐き出し合う。

 僕はというと、とにかく少しでも現状を理解するために、周りを注意深く観察していた。

 すると、大きな両開きの扉を開けて、1人の少女と5人の男達が入ってきた。


 少女はふわふわとした金髪で、長さは肩まで届くかといったボブカット。年の頃15、6歳といった、男子が息を飲むほどのかなりの美少女だ。金のティアラを被り、金糸と宝石で美しく装飾された白いドレスを着ている。ずばり、王女そのものと言った印象だ。



「皆さん、わたくしの言葉が分かりますか? わたくしはこの国エーアストの王女フィーリア・エスペラールと申します」


 クラスメイト達がざわつく。エーアストなどという国は聞いたことが無いからだ。

 何か嫌な予感が、黒い霧のように周りから吹き上がり、粘っこく僕たちの身体にまとわり付く。漠然とだが、次に続く言葉を誰もが予想していた。



「ここは『イストリア』という世界です。皆様はこことは違う世界から来られた『異世界人』なのです」


 知らない異世界に、僕たちは喚び込まれていた……。


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