パスタにまつわるエトセトラ
「う~ん、商売繁盛って素晴らしいな。ねえ、レム。」
「はい、ご主人様。」
紙の広告か、店員の容姿か、目新しい食べ物か、純粋に味か、それとも全部かとりあえず繁盛してよかった。はじめはポツポツだった人も、だんだんと列ができるほど繁盛した。もちろん、回りの迷惑にならないように列の整理などしなくてはいけなかったけどね。日本ならかってに、列を作ってくれるがそんなもの日本だけである。
こんな例がある、ネトゲで順番待ちすれば確実に自分の番が来ると考える日本人はネトゲのなかで誰にいわれるまでもなく列を作った事があるのである。まぁ、だれかが提案して作られた列かもしれないが、それに同調できるのが日本人の強さではないだろうか。1回ならまだしも、この現象はいくつものネトゲで実際におきている。外国人いわく、クレイジーやら、さすが日本人といった具合である。
まぁ、この世界には御貴族様もいるから大変だったけどね。下手に逆らうと大変なのでとりあえず言うことを聞いておいて、近々貴族街に近いところに店を出すと伝えて、商品を渡してお引取りねがった。高級品を使用した同じ種類を作り、多少ボッタくってやろうと思います。まぁ、品質はちゃんとしたものを出すけどね。
うんうん、冒険者の人達にも売れているな。あれを、学園都市で受けたクエストの間に食べるんだろうな。そう、ここは魔法と学問の都市である。それらには多くの実験をしたりすることもあり、冒険者とよばれる人たちが実験の材料をクエストという形で依頼を受けるのである。
ちなみに新しい人間の店員が増えた。もちろん人手はスケ、ゴー、ウッドがあるけれどせっかくなので雇う事にした。後にマヨラーとなる女性である。けっこうな美人さんなので、接客にはもってこいである。そこそこの給料とマヨネーズの現品を支給している。
やっぱ学園都市だけあって、飲食系は強いよな。勉強に夢中になると食事を作るのは面倒になるし、魔法と学問を支えるためには、色々な人が必要となるので人口も多いしね。
「ぱっと思いつくのは、やっぱパスタかな。」
正直、飲食系のネタはやまほど浮かぶけど、主体は100均なんだよね。日本の食材ををこちらでも調達できるようにはできるが、それには多くの時間が必要になる。となると、やはりすぐに入手できるグリモアの出番ということになる。まぁ、お金をもらって魔石に変える手間はかかるんだけどね。そこは、魔石でも購入できるようにすれば大丈夫かな。
しかし、困った。米は日本人の土俵だがパスタは難しい。まぁ、生パスタを手作りしたこともあるし、店で生パスタを購入したりしたこともあるが、やっぱり食べた事が多いのが乾麺である。よって私のパスタのベースは乾麺になっている。
生パスタは後に、専門店とか開くときの高級品とかにするしかないかな。しかし、なにもパスタはストレートの棒状とはかぎらない、マカロニサラダやらペンネやら種類は多い。麺の世界は奥が深い。例えばラーメンも大雑把に細目、普通、太目などあるし。それに形状が加わるし、もっといけば加水率など奥が深くなる。日本の麺の代表も太さで言い方が変わる。うどん、ひやむぎ、そうめんだ。しかし、それは太さだけで作り方も違うから難しい。それに形状がまた変った品もある。
小麦粉は主に薄力粉、中力粉、強力粉だが、これは日本人の偏見にすぎない。世界では軟質と硬質で分けていたり、小麦粉売り場に10種類以上の小麦粉が置かれていたりして拘りのある人も多い。日本人も米にうるさいので何十種類もの品種がある。贈答品で、各種米料理にあった米のギフトなんかもあるしね。もちろん、おにぎりに合う品種もある。それと同じようにパスタにあう小麦はデュラム小麦の粗挽きセモリナ粉である。
まぁ、小麦に関しては生パスタにつくるときにして、温かいときにおいしいのはあたりまえとして、今回は冷えてもおいしいパスタにしたい。そうすればダンジョンなどで食べれるからである。それを決めれば、自然と合うパスタがみつかるはずだ。