おかかとこんぶ
おかかとは鰹節のことである。なぜ、おかかというかは諸説ある。ツナマヨを作っていたときに、マグロは美味しいので、いっそおかかではなくマグロ節で作ってしまおうかと考えたが、おかかを汚すようで却下した。
鰹節も100均でGETできるが、なぜか手作り心が発動した。さすがに鰹節をつくるのは時間や労力がかかりすぎるが削ることぐらいはできるだろう。いつか鰹節を作れる事ができたらいずれ削るのだから、削りを学んでおいてそんはない。
私が異世界転生する前は、もう削ってあるものが売っているのが当たり前だったので家庭で削るなどやったことがなかった。それが当たり前でないときは、子どもが鰹節を削る当番だったとか聞いたことがある。
グリモアで少々高いが、鰹節と鰹節削り器を召還した。本当に上限が一万もあると召還できてしまうので便利である。
「しっかし、固いな鰹節。絶対に武器になるね。」
有名なあんぱんが擬人化したものでは、鰹節のサムライなんていたしな。鰹節は世界一固い食品といっても過言ではないと思う。鰹節で人を殺しても、鰹節を食べれば証拠品もなくなるしね。フランスからの旅行者も言ってたしね。いちいち削るのがめんどくさければ、ハイエナにあたえるしかない。ここは異世界だから顎の力が強いものはいくらでもいるが、異世界転生前ではハイエナぐらいしか鰹節に歯がたたないのではないだろうか。あとはカツオブシムシくらいだろうか。これは標本作りに便利である。なぜなら骨は食べないからであるが、もしも逃げ出せば剥製などは骨を残して食べつくされてしまうという笑い話にならない悲惨なことがおきる。
削り節機の上の部分をはずして、高級カンナを召還して削っていく。これがシンデレラフィットして、小躍りしたのは内緒である。カンナ掛けなんてしたことがなかったが、木を1mm以上さらに薄く削るのにはロマンを感じた。カンナの刃を砥ぎ、ハンマーで刃の出を調整して、最適な鰹節の薄さを研究した。もしも、これらの道具がなければガラス片でけずる方法もある。なぜなら、割れたガラス片は世界一切れる名刀のようによく切れるのである。普通のガラスでも普通に持つだけで切れるみたいなこともあるぐらいである。しかし、ある程度硬度があるとしても薄くなれば壊れやすくもなるので、食品を扱うのに少し不安があるし、万が一が怖い。
削りたては香りが違う。鍋に鰹節に砂糖、味醂、日本酒、醤油をいれて煮付けて完成である。
次はこんぶである。どうしてこう手間をかかることがしたくなるかわからないが、やれることはやってみたくなるのでふしぎである。まずは昆布を召還する。こんぶは乾燥しているがきられていないので幾重にも折り重ねてあり数メートルの長さもある。
さすがに上限一万だが安価で販売するには値段はおのずと限られる。昆布にもコブリエみたいなワインのソムリエみたいなのもある。しかも、ワインみたいに当たり年なるものがあって、その品は目が飛び出るほど高い。昆布は昔、将軍様に謙譲されていたりなどもしているのである。しかし、昆布は日本の出汁に大きく貢献しているので忘れる事はできない。
乾燥している昆布をどんどんと切っていく。さすがに機械がないので大変だが、人手?というか労働力はたくさんあるので、作業はどんどん進んでいく。失敗が怖いので、水で昆布をもどし、そのもどし汁を捨てずに砂糖、味醂、酒、醤油を加えて佃煮にしていく。今回はおかかにいれなかった白ゴマもいれておく。白ゴマはアクセントで、入れすぎて昆布の風味をそこなってはいけない。