笑って過ごした今日――その日を、まだ誰も知らなかった
今回もお読みいただき、ありがとうございます。
(*´∀`)
一悶着あったものの、
ようやく落ち着いたところで、
本題である調査についての話し合いが始まった。
縁
「まずは、
各々方、今日からよろしくお願いいたします。
調査にあたっては、
危険な場面もあるかと思いますが、
どうか、御身を大切に進めていきましょう」
「それから、
紡や蒼くんは、
初めてお目にかかる眷属もいるだろうけど、
皆、仲間だからね。
気負いしなくても大丈夫だよ」
縁は、
古参の眷属に囲まれて緊張気味の
紡と蒼を気遣いながら、
優しく声をかけた。
真白
「それに、
古参の眷属の縁様や
火の童子様は頼りになります。
僕や他の眷属に言いにくい事がありましたら、
迷わずお二人には話してください」
紡と蒼は、
少し緊張が解けたように、
真白へ視線を向けて頷いた。
それから縁は、
集まった面々をぐるりと見回しながら、
話を進める。
縁
「この豊穣神社での集まりの感じでいうと、
澪斗くんと蒼くん、
それに紡くんの三人。
火の童子、
大和君、
真白くんの三人。
僕と、
優羽さんと、
静音さんの三人」
「この三班で、
持ち回りで交代しながら
調査していくのが
一番いいと思うんだけど、
どうかな?」
澪斗
「あの、
この班分けの根拠は何ですか?
僕は、
できれば真白様と一緒だと
嬉しいんですけど……」
縁
「うん。
でもね、
殲滅要員と治療要員は
セットで班に入ってもらいたいんだ。
そうなると、
澪斗くんと優羽は相性が悪いでしょ?」
「それに、
澪斗くんと火の童子を
一緒にしても、
相性が悪そうなのは
さっきの一件で分かったし……」
「そう考えると、
この班分けが
一番平和な編成になった、
というだけだよ」
澪斗
「……おっしゃる通りですね」
澪斗は、
先ほど火の童子を怒らせてしまった
一件を思い出し、
納得するしかなかった。
縁
「納得してくれて、
ありがとうね。
澪斗くん」
「まずは――
真白くん、火の童子、大和君の班で
商業施設の中を調査してもらいます」
「真白くんと紡くんには、
僕らが探知出来ない
微量な穢れも探知出来るから、
そこから大元にたどり着けるかを
調べようと思うんだけど、
火の童子はどう思う?」
火の童子
「あたいはその案に賛成やね。
この間の悪鬼は
人間の穢に上手いこと紛れとったようやし、
まずは大元を突き止めんことには
なんもでけへんからな。
大和はどう思う?」
火の童子は大和へ視線を送り、
大和の意見を仰いだ。
大和
「僕もそれがいいと思います。
対処するにも、
やはり原因の出どころは
突き止めておいたほうが
いいと思います」
大和の一言に、
優羽、蒼、澪斗も頷く。
その様子を見ながら、
縁は、ぱんっと手を叩きながら、
縁
「では、
これで進めていきましょう!!
なんだかこの面々で
何かをするのは滅多にないし、
不謹慎だけど、
なんか嬉しくなっちゃうね」
火の童子
「確かに!
あたいと縁の若い頃なんて
ほぼ静音と三人で
たまーにやっとったくらいやしな!
若い眷属とこの人数は
初めてやな!」
真白
「そうなのですか?
お二人は昔からご一緒なのは
知っていましたが、
静音様もご一緒だったのは
初めてお伺いしました」
縁
「そうだね……
静音さんは、
僕や火の童子の次に
古参の眷属だけど、
龍神神社の体勢なんかの都合で
外任務には出てこれなくなって
しまったからね……」
火の童子
「そうやな……
あたいはよう無理して怪我して
静音に怒られとったわ……
怒った静音は
炎神様より怖いねん……」
縁
「あぁ、
確かに火の童子は
よく静音さんに怒られてたよねー。
ふふっ、
懐かしいね」
火の童子
「ほんまやなぁ……
でも、
縁は今回また静音と三人で
外任務出来るからええやんか!
あたいも静音に会いたいで!」
縁
「まぁ、
持ち回りで調査だから
静音さんに会える機会もあるし、
そしたらまた三人で
お茶でも飲もうよ」
火の童子
「なんか上手いこと
丸め込まれた気ぃもするけど、
しゃーないな!」
澪斗は、
縁と火の童子のやり取りを聞きながら、
自分の姉を思い出していた。
澪斗
(……姉さん、
確かにこの二人と
外任務やってたっけ……
いつも冷静なのに、
この二人と一緒の時は
楽しそうだったな……
だけど今は……)
その様子に気づいた紡が、
声をかけた。
紡
「澪斗様、
大丈夫ですか?
少し顔色が
悪いようですが……」
澪斗
「えっ……
あぁ、
姉さん怒ると怖いんだよなって、
火の童子様の話で
思い出しちゃって」
紡
「えっ!
静音様は
澪斗様のお姉様なのですか??」
澪斗
「そうだよ。
僕ら眷属にも
親や兄弟はいるからね。
て言うか、
なんで僕に様づけなの?
僕は優羽と
同い年くらいだから、
僕もさん呼びでいいから」
紡
「そうなんですね……
眷属にも兄弟が……って!」
「えっ!
優羽さんと
同じくらいなんですか?!
凄く落ち着いて
いらっしゃったので」
火の童子
「龍神の眷属は
皆大人しくて賢いのが
特徴やからな。
それに品行方正やしな!」
蒼
「火の童子とは
真逆だね……
蒼は、
豪胆な火の童子、
好きだけど……」
真白
「僕や紡は
生まれが特殊ですからね。
でも、
生まれ方は一緒なので、
僕と紡は
兄弟みたいなものですね」
真白は、
穏やかながらも
少し嬉しそうに、
紡へ伝えた。
紡
「それじゃ、
真白様は
僕のお兄様になるって
ことですか?
僕、
凄く嬉しいです!」
縁
「確かにそうなるね……
凄い真逆な弟だけど……」
澪斗
(真白様の弟になるってことは……
紡の中の僕の株を上げれば、
おのずと真白様の
僕への株も上がるって
ことじゃないか……)
澪斗
「紡くん、
これから同じ班だし、
なにか困ったら
なんでも僕に言ってね!」
紡
「はい!
僕は現世に
降りてきたばかりなので、
至らない所も多いと
思いますが、
よろしくお願いいたします!」
火の童子
「蒼も
澪斗によう頼んどき!
大人しすぎて
話せんのやから!」
蒼
「……澪斗……
蒼のことも、
よろしく……」
澪斗
「えぇ,
もちろんですよ。
中堅として
ちゃんと面倒みますから、
安心してください!」
優羽
(澪斗のやつ……
紡が真白様の弟みたいな
存在ってなったから
株上げようとして……
相変わらず
計算高いやつ……)
縁
(大丈夫かな、
あの三人……
まぁ、
なんかあったら
僕らがフォローに回れば……
大丈夫かな……?)
縁はそう思いながら
それ以上は口にせず
ただ、そっと微笑んだのだった。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
次回もお付き合いいただければ嬉しいです(。>﹏<。)




