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【実は狐の眷属です!真白と紡ぎの神社日誌】  作者: 稲荷寿司
「実は狐の眷属です!真白と紡の神社日誌」

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11/50

【縁の神社日誌】

はじめまして皆様稲荷寿司と申します。

今回のお話は真白と紡の所属する神社の神主の縁さんの書いてる日誌のお話になります(*´∀`*)

面白く読んでいただけたら幸いです。

朝7:15

社務所を覗くと、真白くんが書類整理中。

あの子は今日も完璧だ。いや、完璧すぎて少し羨ましい。

寝坊中の波乱要因(紡)がそろそろ目を覚ます時間だ…



---


朝8:00

掃除中、鳥居の前で優羽と鉢合わせ。


「おはようございますっっ!!!」


鼓膜が震えた。

落ち葉を掃く手が止まるどころか、ほうきが危うく飛びそうになった。

あれは声というより、“音の祝福”だ。


「お、おはよう…優羽くん。今日も元気だね」

「はいっ!今日も全力です!!」


満面の笑みで空気を明るくする優羽。

ただ、音量だけは控えめにお願いしたい。

近くのスズメたちも一斉に飛び立った…

ああ、今日も賑やかな一日になりそうだ。



---


朝8:15

社務所の引き戸が勢いよく開く音。


「ま、真白さーん!寝坊しましたぁ!」


今日も安定の波乱スタート。

どうやら今日は真白くんに起こしてもらえなかったらしい。


そして紡ぎ。今日も神社の備品を壊さないか心配だ。

先月だけで椅子2本、ほうき3本、神棚の小物数点が犠牲になった。


紡ぎは無邪気に笑っているが、


金額を見た瞬間、私の心拍数は一気に跳ね上がった、全部紡ぎの仕業だ。

いや…紡ぎのせいじゃない…あの無邪気さのせいだ。

あの無邪気さが、神社に災いを呼ぶこともある。



---


朝9:00

社務所で書類整理を続ける真白君を見守りつつ、紡ぎの様子をちらり。


「あ、今日はまだ備品が無事だ……よし、ひとまず安心」


小さく胸をなでおろす。いや、まだ油断はできない。


先週はほうきが空を舞い、先月は椅子の脚を2本犠牲にした紡ぎ。

今日もいつ、どこで何をやらかすかわからない。


心の中でため息をつきつつ、『神社の日常はドキドキの連続』であることを噛み締める。

今日も備品が無事でありますようにと祈る。



---


午前10:30

鳥居の前で小さな猫を見つけた優羽。


「紡ぎ、こっち来てみて!」


紡ぎの目がきらり。

案の定、猫に手を伸ばした瞬間、豪快な猫パンチをくらい、尻もち。

草履の鼻緒も切れて、備品がまた1つ犠牲に。


真白くんがすっと現れ、背中を支えて起こす。

紡ぎは頭をかきながら、「ありがとうございます、真白様…」


「猫と遊ぶのは掃除が終わってからにしましょう。それと、草履も替えた方が安心ですよ」


紡ぎはうなずき、草履を履き替えて戻ってきた――が、先に猫の元へ走り出す。


(いや、だから!掃除終わってからって言ったばかりでしょ!)

真白くんは穏やかに頷く。

今日も「無邪気な災害」は許容範囲らしい。



---


昼12:00

昼食休憩。

真白くんは今日も物静かにおにぎりを口に運ぶ。完璧か…


一方紡ぎは天真爛漫。

おにぎりを頬張りながらおしゃべりに夢中で、米粒が飛んでくる。


「紡ぎ…食べる時はちょっとお喋り控えようか」


真白くんがさりげなく注意するが、紡ぎは全然分かっていない。


――ありがとう、真白君。今日も無邪気な災害を最小限に抑えてくれて…

――でも、私は受け止めてみせる。米粒も飛んでこい、全て受け止めてみせる。


優羽は米粒の飛んできた私の様子を見て、楽しそうに笑っている。



---


午後14:00

社務所で真白君は、御守りの販売やお抹茶の案内をスマートにこなしている。

その間にも、参拝者さんの微かな邪気をさりげなく浄化。


――ああ、さすが真白君。無駄がなくて、でも穏やかで、今日も平和を作ってくれている。


紡ぎは相変わらず不器用で、お抹茶を運ぶ途中に少し手が滑ったり、片付けの際に茶碗を落としたりしている。


パリン……。

境内に響く、よく聞き慣れた音。


(ああ……また1つ、備品が旅立たれた……)


僕はそっと目を閉じ、供養の念を送った。


真白君は穏やかに微笑みながら、さっとフォロー。

紡ぎは頭をかきながら「ありがとうございます、真白様…」と小さくお礼を言う。


(この無邪気な災害、今日も絶好調だな……

主神様、本当に真白くんクラスの逸材って認定して大丈夫ですか?

いや、主神様を疑っちゃダメだ……けど、これ本当に大丈夫ですかね……)



---


午後16:00

結界と灯籠の点検。

境内は夕日を受けてほのかに金色に染まっている。


灯籠の灯芯を取り替える作業を頼んでいた紡ぎが、


「これ、どこまで入れればいいんですかー!」


と元気に声を上げた。

……その直後、手がすべって芯がぽとりと落ち、結界の光の中でふわりと燃え上がる。


「うわっ、綺麗!」と紡ぎ。

「いや、それ綺麗とかじゃないからね!」と僕。


慌てて駆け寄る真白くんが、落ち着いた手つきで炎を収める。

「火傷してませんか?」と、紡ぎの指先をそっと確かめる。

紡ぎは「だ、大丈夫です!」と慌てて笑うが、その顔を見て真白くんが安心したように微笑んだ。


……その穏やかな表情を見て、思わず僕は心の中で叫ぶ。


(いやいやいや!あんなにフォローばかりなのにどこまで優しいの?!真白くん!!

僕ならもう軽く説教タイム入ってるよ!?)


結界は揺らいだが、二人の空気は妙に穏やかだった。

……主神様、僕にもあの穏やかさを分けてください…

――まあ、無事で何よりだ。



---


夕方17:30

掃除終了。

社務所で書類整理を終えた真白君。仕事の納め方まで完璧。


日誌を書こうとしたその瞬間、紡ぎが得意げにお茶を差し出す。


「縁さま!どうぞー!」


一口飲むと、心のモヤモヤがあっという間に消えていく。

(なんだこれ…紡ぎのお茶、最強すぎる…)


紡ぎは満面の笑みで「これで今日も平和ですね!」

(いや!どの口がっ!!)


むせそうになりつつも、一口ずつ飲んで苦笑い。

――日誌にひとこと書き加える。


――「紡ぎの無邪気さ、最強の浄化力を持つ」


最後までお読みいただきありがとうございました。

縁さんは疑問を抱いてましたが、紡くんは間違いなく真白様以来の逸材です。その証拠に縁さんの日常のストレスがお茶で浄化されてました。なので紡のお茶は最強なんわけです。(*´∀`*)

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― 新着の感想 ―
真白さん、お疲れ様です笑。眷属で上下関係?はありますが、登場人物全員がまるで家族のようです笑。どんな手のかかる子でも、絶対長所はあると多くの保護者に読んでもらいたいです。
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