表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

230/303

閑話 シィーリアの帰り道



 〜シィーリア〜


 皆が帰った後、会議室を施錠し、他の部屋の戸締りも確認する。



 ……全く。査問委員会はなんと無茶な要求を言って来るのじゃ。全員S級? ふざけた事を。ジーク達を客寄せパンダにする魂胆が見え見えじゃぞ。戦闘力の低い者まで強引にSにしようとしおって。


 まぁ、あの時鯱女王(オルカ)が質問してくれて良かったの。妾がデメリットを説明するタイミングにもなったし。


 じゃが、461達のランクはおおよそ妾の予想通りになった。あのランク上昇ならば、彼らの今後の活動にも支障は無いじゃろう。鯱女王の時と事情が違うのじゃ。鯱女王は奔放すぎる故、Sで縛っておかぬとこの日本からも飛び出しかねなかったからの。


「まぁ、妥協点としてエキスパートの称号は授けた。ヤツら査問委員会が表向き(・・・)は探索者を称える為と言った以上、この処置に文句は言えぬじゃろう」


……。



 戸締りを終え、階段を降りるとジークとミナセが廊下で待っていた。


「なんじゃ? 2人とも帰っていなかったのか?」


「一緒に帰ろうかな〜って思って。ほら、ここって休みだと人が少ないでしょ? シィーリア1人だと心配じゃん?」


「なんじゃそれは? 子供扱いしおって」


「いいじゃ〜ん! ほら、帰ろ?」


 ミナセが妾の右手を取って歩き出す。離せと言おうとしたが、笑顔の彼女を見ていたら言う気が無くなってしまった。


 ふと、左手に感触がして見上げると、ジークも妾の手を握っていた。


「なんじゃジーク?」


「いや、まぁ……たまにはいいかなと」


 顔を赤くしながら顔を背けるジーク。両手を引かれて歩く妾。なんじゃこれは……これではどう見ても妾が子供じゃぞ。


「今日もシィーリアの家に泊まってくね?」


「な、なんじゃと……!? ちょっとは妾にゆっくりさせんか!」


「俺達がそうしたいんだ」



 ため息が出る。ホントにこの子らは……。



 そこまで考えてやめた。2人が嬉しそうな顔をしていたから。ジークも昨日の様子から立ち直っているようじゃしの……。


「好きにするが良い」


「やった!」


「ミナセ、ユイに連絡しておいてくれ」


「オッケー!」


 2人の顔を見る。その顔を見ていると、気苦労も吹き飛んだような気がした。




―――――――――――

 あとがき。


 次回はランクアップを受けての掲示板回です。そしてその次からは海ほたる海底ダンジョン編をお送り致します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ