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第190話 スレ民、竜人の戦士を偲ぶ 【掲示板回】

 竜人ラムルザを讃えるスレ


1.名無しの観測者

マジで泣いたわ


2.名無しの観測者

アレだけの戦いできるヤツがなぁ。勿体ない


3.名無しの観測者

外に出られたら探索者として生きる道もあっただろうに


4.ブギハメくん

悲しいんだ。さっきからずっと泣いてるんだ


5.名無しの観測者

泣いてもええんやで


6.名無しの観測者

顔文字使ってないしガチで悲しそう


7.名無しの観測者

ブギハメくんも成長してるんや。見守ってやるのが大人や


8.ブギハメくん

ありがとうなんだ。スレ民のみんな優しいんだ


9.名無しの観測者

ラムルザも461さんにスキル継承してたし、何かを残せて良かったよな


10.赤いアイツ

アイツの人生が無駄じゃないってことだしな


11.名無しの観測者

勝者マンやんけ!


12.ブギハメくん

461さん達は大丈夫なんだ!?


13.名無しの観測者

他の竜人達はどうなった?


14.赤いアイツ

残っていた竜人は逃げた


15.名無しの観測者

ちょっと安心したわ


16.名無しの観測者

最期に生きろみたいなこと言ってたしな、ラムルザ


17.赤いアイツ

461さんも説得してたし、アイツらはもう敵に付く事は無いと思う


18.ブギハメくん

461さんが悲しんでないか心配なんだ!元気無さそうに見えたんだ!


19.赤いアイツ

大丈夫。天王洲アイルが慰めてたから


20.名無しの観測者

ファッ!?


21.ブギハメくん

(´・ω・`)


22.名無しの観測者

ダメージ受けてるヤツいて草w


23.名無しの観測者

てぇてぇッ!!!


24.ブギハメくん

尊いんだ!(*^○^*)


25.名無しの観測者

そっちかい!


26.名無しの観測者

あー余韻が台無しだよまったく


27.名無しの観測者

俺は元気でたわ。サンキューブッギ


28.ブギハメくん

(*^○^*)ヨカッタンダ!


30.赤いアイツ

みんなも461さん心配してた。俺もなんとか場の空気を変えようと死んだリザードマンに攻撃しようとしたし


31.名無しの観測者

そんなんで空気変わるか!!


32.名無しの観測者

発想がサイコパスのそれなんよ


33.名無しの観測者

みんなどんな反応してたんや?


34.赤いアイツ

ナーゴに裏拳された。ナーゴ恐い


35.名無しの観測者

ナーゴちゃんも激おこ案件なんですね分かります


36.名無しの観測者

今はみんなどうしてるん?


37.赤いアイツ

南棟降りてる


38.名無しの観測者

帰り道気を付けろよ


39.赤いアイツ

ありがとう


40.名無しの観測者

そういや、あのスキル継承っていうの初めて見たんやが、他にもある事なんか?


41.赤いアイツ

いや、俺も初めて。ジークリードやミナセも継承は初めて聞いたらしい


42.ブギハメくん

奇跡なんだ!


43.名無しの観測者

ほーん。新宿は異世界の土地が転移した場所ってウォタクさんが言ってたし、なんか関係あるんか?


44.名無しの観測者

ウォタクさんに聞いたら分かるかな?


45.名無しの観測者

スキルツリーのシステム面とかはさすがに分からんやろ


46.名無しの観測者

ウォタクさんもスレにいないみたいだし


47.名無しの観測者

教えて貰いたかったなぁ



─────────────────────

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wotaku

Eメール(省略可)

継承というのは恐らく魔族や竜人の暮らす異世界の|



sageる             クリア

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*書き込み反映には時間が掛かる場合があります*

─────────────────────





「リレイラさんよ!! 何を見てるんだ!?」


「ひああああああああああああああああ!?」





 洋食屋「冒険家B」のマスターに後ろから声をかけられて咄嗟に外付けキーボードを付けていたタブレットを閉じた。


「ま、マママママママスター!! 大きな声を出さないでくれ! 心臓が止まるかと思ったぞ!!」


「おっとすまん……どれだけ呼んでも反応が無かったからよ」


 マスターはツルツルの頭を困ったように撫でると、私の傍らにコーヒーを置いた。


「はい、コーヒーお待たせ。休憩中なのに仕事熱心だねぇ」


「ヨロイ君達が気になるからな、当然だ」


「そうかい。愛する男(・・・・)の為かい」


「そ、そんなんじゃ」


 マスターは「青春だねぇ」と一言呟くと厨房に戻ってしまった。青春とは失礼だな……私は224歳だぞ? 大人の恋愛だ! 多分。


 ふと閉じたままのタブレットが視界に映る。6ちゃんに書き込もうとしてたの……見られて無いよね?


 座っていたカウンター席から店内を見渡す。幸い、ランチタイムは終わって客は私しかいない。さっきの奇声を他の人に聞かれなくて良かった。


 外回りの休憩に冒険家Bに入った私は、ヨロイ君達の配信を見た。終わった後いてもたってもいられず6ちゃんねるを覗いてしまったのだが……せっかく部長から身元が割れない端末を貰ったのに、こんなことで身バレしたら笑えない。次からもっと気を付けないと。


 マスターが厨房で片付けをしているのを確認してタブレットをもう一度開く。先程のスレッドではその後もヨロイ君達の話題が続いていた。ヨロイ君の顔を見たかったのにアングルのせいで見れなかったとか、多分イケメンだとか、色々と。スレの雰囲気はすっかりいつもの通りだ。



 ……彼が無事で良かった。ヨロイ君、君が攻撃を受ける度に私は心臓が止まりそうだったよ。でも君ならきっと勝てると信じていた。アレほどまでの死闘を繰り広げた君とラムルザを、私は尊敬する。その決着までもが美しく感じた。己の力を相手に託す……あの戦いは2人にとって、特別な物だったのだろう。



「……スキルの継承、か」



 まさか、スキルツリーに備えられた継承システムが作動するなんて。


 あれは私達の世界に存在するスキル継承の原理を元に、探索者が死の間際に力を託すことを目的として作られた物だ。何十年、何百年にも渡る長期的なダンジョンでの攻略データ収集には、私達の世界の(ことわり)を想定する必要があるから。


 スキルツリーもそうだ。私達の魔法や(スキル)習得の仕組みを元にこの世界に適応するよう改良を加えた物……それがスキルツリー。


 それを加護という形で探索者に与え、その精神に馴染ませる。馴染んだスキルツリーは、探索者の精神の形からスキルや魔法を形造り、スキルツリーへと映し出す。


 ミナセ君とユイ君の件で外部の影響でスキルツリーに新たなスキルを生み出すという方法を知ったが……そうか。「継承」も外部からの干渉だな。今思えばスキル継承が組み込まれているなら十分あり得る現象だったか。


 だが、スキル継承の作動は今回が初めてではないだろうか?


 「力を託したい」という強い願い、そして、受け手との精神の感応が無ければスキルは継承できない。ラムルザの想いがよほど強かったのだろう。後で部長に報告しておかないと。


 それにしても、ヨロイ君が手にした剣技「ストルムブレイド」。この世界の枠から外れた異世界の(スキル)。恐らく、威力は高いが通常のスキルでは考えられないほどの魔力を要求されるだろう。獲得したとはいえ、ヨロイ君に使えるのだろうか?



 ……いや。



 ヨロイ君は1人じゃない。アイル君やみんながいる。だからきっと大丈夫。



 ヨロイ君、私は君を信じているよ。君と仲間達なら、どんな敵と戦おうとも必ず勝利できると。



 だから、絶対に帰って来て。私はずっと待ってるから。






次回は北棟のお話です。461さん達が戦っている頃、北棟では……?


次回は10/27(日)12:10投稿です。よろしくお願いします。

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