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転生したら倉庫キャラ♀でした。  作者: ともQ
クエスト攻略ランクアップ編
55/434

55 ネームド

 立つ鳥跡を濁さず、食事の後片付けも終わったところ、


「「「ひぃいいいっ!」」」


 僕たちの目の前を、冒険者たちが全速力で駆け抜けていく。

 皆全身ボロボロ、傷だらけ、命からがら逃げ切って来たという風貌であった。

 その内の一人が僕たちに気付き、


「おいっ、お前らも早く逃げろ! ネームドが出現したっ!!」


 その言葉を聞き、僕は記憶をたどる。

 確か、オーラ・ストーンには何種類かのネームドが湧く。第三層となると出現率的に可能性が高いのはあいつか。


「『ハイスパイダー』のことかな?」

「そ、そうだ、俺も生で見たのは初めてだよっ! 俺の仲間も他のギルドの連中も大半が殺られちまった! Eisenのやつらが抑えてくれていたがあの様子じゃ駄目だ! 早いところ冒険所に応援を呼びに行かねえとっ」


 間に合うわけがない。

 ここからどう足掻いてもウィンウィンまでは一日かかる。戻ってきたころには死体の山と化しているだろう。


「クーラ、ハイスパイダーとは?」

「このダンジョンに湧くネームド、レアモンスターの一種だよ。名前通り、蜘蛛のモンスターだね」

「勝てますか?」


 単刀直入な一言だった。


「クーラ、私は」


 ナコの言葉の続きはわかる。


「危険すぎる」

「はい」

「でも、助けられる命があるかもしれない」

「はいっ!」

「後悔はしない?」

「絶対にしません」


 強すぎる正義感は身を滅ぼす。

 だけど、誰かを助けたいという気持ちまで否定することはできない。仲間が行きたいというのであれば全力で付き合うのが道理だろう。


「サマロだっけ、もう一回くらい文句言いたいと思ってたんだ」

「私もです」

「おい、お前ら本気か? ネームドだぞ? お前らが行ったところでどうにかなるモンスターじゃねえんだぞっ?!」

「僕たちも無駄死にするつもりはないよ。第三層のどこにいるかわかる?」

「……ひ、広間のところだ。そこにハイスパイダーが巣を張り巡らせて待ち構えてやがったんだよ」


 男の言葉に頷き、僕とナコはダンジョンの奥へと駆け走った。

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