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短編

英雄譚

作者: 生豚

皆仲良くなれたのに

 この世界は平和だ。 


この世界には魔王がいた。

魔王とは強大な個人の力と億にも及ぶ兵をもつものだ。

 魔王によって人類の文明が崩壊するというとき、ある少年が女神によってこの世界に召喚された。

その少年は凄まじい力と、画期的な発想力を持っていた。

 

 

 王国は彼のものならば魔王とその軍隊を相手できると考え戦地へ送った。

 そして少年は魔王を倒し、世界は平和を取り戻した。

今私たちは魔王復活までの数百年にわたる安寧を享受している。



 世界は安定した。

国家間の戦争や世界を巻き込む戦争というものもあったが、引き際というものを分かっていたので魔王との闘いのような被害は出なかった。

 そして世界は数百年のうちに急速な発展を遂げた。

いまや政府の決定一つで国家を簡単に滅ぼすことすら可能である。


 

 遂に魔王復活の日がやってきた。

人々は万全の対策をした。

そして魔王は復活と同時に人間によって倒された。



 その後再び数百年の平和が訪れた。

街は賑わい、経済は回った。

 しかし問題が起きた。

今回の魔王復活を恐れた宗教家たちが女神に祈りを捧げて勇者を召喚したのだ。

 国家群は召喚された勇者を保護するとともに、事件の首謀者たちを誘拐の容疑で逮捕した。

それで終われば良かったのだが、、⋯⋯



 召喚された勇者は数百年前と変わらず、強大な力を持っていた。

昔は画期的だった勇者の知識も今となっては常識となっていた。

 勇者には人と敵を倒す使命が与えられていた。



 勇者は暴虐の限りを尽くした。

魔族の住む街を破壊し、飼育されている魔物をすべて殺した。

魔王城に侵入して従業員を惨殺した

他にも多くの非道を行った。

 それが問題となった。

 個人の意思というあやふやで曖昧なものに多くの国が怯えなけれいけなくなったのだ。

民衆は怯え、国は過激な宗教を禁じ、勇者に対処する方法を探した。

 しかしできるのは魔族や魔物を飼育している者たちへの金銭支援だけであった。



 勇者の虐殺が終わりを迎えた

 そして世界から敵はいなくなった。




 魔族は滅んだ。魔物も存在しない。




 勇者は


「俺は称えられるべきだ」


と無人の魔王城で叫び、余生を過ごした


 民衆は、


「勇者ごみ」

「なんも言えねぇw」

「とりあえずワイン飲もうぜ」


と過去を振り返る。


 国は、


「勇者を許すことは到底できないが、国の復興を最優先する」


と宣言する。


 世界は平和だ








presented by ×××国 女神 教会



夜中投稿(^~^)

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