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自分勝手な弱虫

こんばんは!21グラムです!


「あれ……?18時に更新した時は、『こんにちは』って言ってなかった……?」と思った方……

すみません、「ややり直し殺人鬼さんは社会的に殺したい。」を別サイトに更新する時、「こんばんは」と挨拶することもあるのですが、だいたいは「こんにちは」と言うことが多くて、つい癖で…………(遠い目)


あと、予約投稿はじめてで、すっごいメタい話かもですが、この前書きを打ってる今の時間が、15時30分くらいなので、私は時間の感覚が、現在進行形でかなりバグってきてます。


まぁ、そんなメタい話はさておき、本編どうぞ!!

「え……今……なんて……?」


「僕と一緒に、あいつらに復讐しよう。君は、今の現状に満足してるの?違うでしょ?僕もね、斉膳たちには、個人的なものだけど怨みがあるから、協力したいんだ。」


「でも……失敗したら……」



雨宮くんも死刑になっちゃうかもしれないよ。

そう言いたかったけど、復讐に協力してくれるかもしれないことが、一人の人として大好きな雨宮くんが、ただの優しい読書仲間から、戦友になってくれるかもしれないことが嬉しくて、二の句が紡げない。


私は本当に、自分勝手な弱虫だなあ。


「大丈夫。仮に失敗しても、僕達はお咎めなしだよ。」


「……?」


「復讐の仕方は、大きく分けて2つある。肉体的に殺すものと、精神的に殺すもの。僕はね、斉膳信明とその愉快なお仲間たちを精神的に殺してやりたいんだよ。」



「愉快なお仲間たち」の部分を嫌に強調して、嫌味たっぷりに皮肉の言葉を吐き出した雨宮くんには、大賛成だ。

確かに、精神的に殺す方が、肉体的に殺すよりも、遥かにリスクが低い。


でも、改めて、斉膳信明とその愉快なお仲間たちのことを思い出すと、彼らは、とても満たされている。

現に、斉膳信明は、母親は学園の理事長だから家は大金持ちで、頭が良くて成績は学年トップだ。



その満たされようは、不幸に愛されていると幼いながらにして言われた私とは、真逆だ。

あいつらは、幸運に溺愛されている。




「……良いと思う……けど……どうやって精神的に殺すの……?」


「人は誰しも、弱みがあるよね?バレたら困ることの1つや2つは、誰にでもある。それを、色んな方法で拡散してやればいいんだよ。そうすれば、精神的に殺すのは簡単だし、上手くいけば社会的にも殺せる。どう?良いと思わない?」


「……うん……良いと思う……すごく良い……」


「決まりだね。それじゃあ、即興で考えた作戦があるんだけど、作戦に変なところがあったら、遠慮なく言ってね。」



雨宮くんの作戦。それは、一体どんなものなんだろう。

大嫌いな斉膳魔術学院の敷地にいるのに、今の私の気分は、秘密基地で秘密の作戦を考えている幼子のそれだ。




留果子(るかこ)ちゃん、まず、君が大変身しよう。」


「……?」


雨宮くんは、稀に私を”留果子ちゃん”と下の名前で呼ぶことがある。それは、だいたい、話していることを印象に残してほしい時だ。


「あのね、留果子ちゃんの容姿を貶している訳じゃないことはわかって欲しいんだけど。」


「う……うん……?」


「少しでもあいつらの心に隙に漬け込みんで弱みを見つけたいなら、できる範囲で、容姿を斉膳とその仲間たちに近づけるところから、はじめよう。」


「えっ……」


仮に、私が斉膳たちみたいに、制服を可笑しくない範囲で気崩したり、教師に怒られない範囲で髪を染めたりしたとする。


でも、認めたくないけど、それは、”斉膳とその仲間”というブランド名のようなものがあるからであって、ブランド名どころか汚名でしかない”門馬(とば) 留果子(るかこ)”という名の、私という一人の人間が真似をしても、笑われて、余計に馬鹿にされるのは目に見えてる。


「人はね、自分に何かしらの共通点がある人や、親近感が湧いた人に心を開く傾向があるんだ。大丈夫、何も、留果子ちゃんに斉膳たちの容姿を模倣(もほう)させようとしてる訳じゃないから。」


「そ……そっか……」


良かった。

雨宮くんも、斉膳とその仲間たちの上辺だけに騙されてる私の両親みたいな言葉を言っているのかと思った。


そう安心したのもつかの間、雨宮くんは、私の手首を掴んでいた右手をするりと離して、私の右手を少し力強く握り、中腰姿勢で立ち上がる。


「僕は他クラスだから、そっちの時間割はよく知らないんだけど、今日、僕の聞き間違えじゃなかったら、廊下にいた君のクラスメイトが『今日は三限で授業が終わる』って話してたのを聞いたんだ。それは本当?」


「うん……今日は……その……本当は四限で終わりだったんだけど……四限の先生が……家の都合で帰ったから……」


「そっかあ。じゃあ、これから、僕と一緒にデートしない?」


「でっ……!?だ……誰かに誤解されちゃうよ……?!雨宮くん……特進クラスなんだから……誤解とかされたら……その……」



1人でわたわたと慌てている私を見て、雨宮くんは少し困ったように眉毛を小さく八の字に下げて、幼子のように口を尖らせた。そして、未だに芝生の上に座っている私と視線を合わせるためか、地面に片膝をついて、私の顔を覗き込む。

ただし、いまだに右手を握ったまま。



「僕は、復讐に協力するって言ったよね?」


「う、うん……」


「それはね、ただ遠くから『頑張れ頑張れ』って応援するだけじゃなくて、できる限り留果子ちゃんの近くにいて、手助けをするっていう意味なんだよ。だからね、僕としては、誤解されるくらいの方が丁度いいし、むしろ、僕は誤解されたいくらいなんだよ。」


「こ……後半が……よく……分からないの……ですが……」


「うーーん、なんて言えばいいんだろう。僕も上手くは言えないけど、誤解されるのが嫌じゃないってことは分かって貰えたら嬉しいな。」


この人は、本当に物好きだなあ。

私みたいな奴と一緒にいるだけでも、相当な勇気がいるだろうに、誤解されることさえも平気だなんて。


「ありがとう……」


「どういたしまして。それじゃあ、さっそく行こうか。あぁ、でも、その前に。ちょっと失礼するよ?」



雨宮くんは、私の右手を握っていない方の手、自分の右手を私のお腹の辺りにかざした。

ぬるま湯くらいの丁度いい温度の魔力が、全身に流れる。


「はい、終わったよ。心配だったら、あとで、保健室の先生にも診てもらってね。」


「ありがとう……本当に……何から何まで……」


「どういたしまして。それじゃあ、今度こそ行くよ?」


そう言って、穏やかに微笑んだあと、彼は、自分が立ち上がった後、私の右手を優しく引っ張って、立たせてくれた。


「あの……行くって……どこに……?」


「学院都市だよ。あそこなら、何でも揃ってるからね。」


学院都市に行くなら、今日はもっとお金をもってくればよかったなあ。




「自分勝手な弱虫」を読んでくれてありがとうございました!


そういえば今日の朝、ニュースでちょっと聞いた話なんですが、記憶が曖昧で、すっごいざっくりした言い方になってしまいますが、「気温が下がってきて、秋みたいな感じになりそうです」とか何とか……

その予報のとおりになれば、だんだん過ごしやすくなりそうですね……!!あと少しの辛抱かもです!


それでは、また次回、お会いしましょう!

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