~『バッカスの胃袋』へ~
オトンヌは変わらずにハーパーと話をし、他3人は思い思いに店内を見ていた。
イヴェールとあんじーは主に可愛い小物、エテは魔道具を見ている様だ。
「3人とも、良いのあったかい?」
オトンヌが声をかける。
「ここの魔道具はほとんど俺がダンジョンから貰ってきたお宝だから、オススメですよ。多少は便宜しますよ〜笑」
「ほお〜、それは頼むぞ笑」
「おばあちゃん、結構持ってるね〜。そのまーるいのはなーに?」
「これはのコンパクトミラーで、この留め金の部分を押すと開くじゃろ、こっち鏡になっておるが、これはただの鏡にではないの?」
「さすが、エテさん、お目が高い。それは反射の鏡、守護の鏡とも言われてますね〜」
「ほぉ〜、やはり何か魔力は感じたがの。どのくらい反射させるのじゃ?」
「それが、出てきたダンジョンもばらばらで、全部A級ダンジョンではあるので、そこそこのは跳ね返すとは思うよですが、実験はしてないんですよ。1つ、キャシーに御守り代わりに持たせてるだけで。」
「そうか、それならわしが今ある分は全部貰おうかの?」
「ぜんぶ???(オトナ買い!)」
「全部???多少便宜しても結構になりますよ?」
「大丈夫じゃ、そのくらい持っておる。アンジーにもユーリシア達にも持たせたいでの。」
「おばあちゃん、ありがとう〜!」
「気休め程度かもしれんが、気休めも必要じゃ笑」
「お義母さん、ありがとうございます。それは僕が出しますよ」
「必要ない、わしは老い先短い年寄りじゃからの!お金は使って、回してなんぼじゃ!」
「おばあちゃんは、ぜんぜん短くなさそうよ!あと50年は大丈夫そ〜だもの!」
「これ、あんじー、、、それは言葉のあやというものですよ笑」
「えっ?あら、、、へへ、ちょっとまじボケしちゃった」
「ふふふ」
「ふぉっふぉっふぉ」
「イヴェールも何かあったかい?」
「はい、ここの小物がとても可愛いかったので、ついつい」
「あっ、ありがとうございます。そこの小物はキャシーの手作りなんですよ」
イヴェールもかなりの小物を選んでいた。というのも、傍で一緒に見ていたアンジーが、どんどんイヴェールの持ってるカゴに選んだのを入れていったのもある。
「おまたせしましたー」
奥からキャシーさんが走ってきた。
あっ、お化粧しっかりして、お洋服も替えてる。
「そんなに走らなくても大丈夫だよ、こっちもまだだから。」
「わぁ、私の作品こんなに沢山ありがとうございます!」
「いいえ、凄く可愛いですね〜」
エテ達もお会計を済ませ、荷物はオトンヌのマジックバックに入れた。
「それなら、行こうか!『バッカスの胃袋』へ」
~少しよそ行きにお化粧をしたキャシーとハーパーを加えて、5人は『バッカスの胃袋』へ向かった。
「朝粥もおなかいっぱい食べたのに、もうお腹空いてきた〜」
「ほんとね、買い物ってけっこう体力使うわね笑」
「うむ。エールも白ワインも美味しく飲めそうじゃ」
「おばあちゃん、まだどんなお店か解んないよ、ワインあるかな?」
「『バッカスの胃袋』は店主が美味しいと思った、各地の食べ物や飲み物がおいてあるから、ワインもあるよ笑」
「そうなんだぁ〜、おばあちゃん、良かったね〜笑 何があるんだろ〜お母さん楽しみだね〜」
「ほんとね」
しばらく大通りを歩いてると、
「もうすぐだよ、ほら、あそこだよ」
「おぉ〜」
出っぷりとまん丸く太った男の人がコックさんの格好をした、縦型の看板がお店の前に置かれてた。
「看板が出てるから、ちょうど開いたところだね」
「カラン、コローン」
扉を開けると、確かにオープンしたばかりでまだお客さんは居ないみたいだって。
「「「いらっしゃいませ〜」」」
お店の中に居た、店員さん達の声がした。
「何名様ですか?」
店員さんが駆け寄ってくる。
「5名です」
「あら、ハーパーさんじゃない、それにキャシーも、久しぶりね〜。昼間って珍しいわね」
「あぁ、昼間もお酒呑めるよな?」
「えぇ、大丈夫よ」
奥から男の人が顔を出した(看板の人よりも痩せてる!!!)
「ハーパーかい?珍しいね、、、、えっ???もしかして、オトンヌかい!!!」
「はい、ご無沙汰してます笑」
お父さんが、ぺこりと頭を下げた。
「おいおいおいおい、ほんとーにご無沙汰だったなぁ〜。家族かい?」
男の人は店の奥から小走りに走ってきてあたし達を見た。
「えぇ、妻のイヴェールと娘のアンジー、お義母さんのエテさんです。」
「そぉかい、そぉかい、嬉しいねぇ。ゆっくりしていけるんだろ?」
「はい、泊まりではありませんが、ゆっくりさせて頂きます笑」
店主が店の奥にある少し広めのテーブル席に案内してくれた。
「おまかせでいいかい?」
「そうですね、とりあえずエスカルゴがあればソレを先に貰いたいですね。あと、飲み物、僕はエールと」
「あぁ、解ってるよ。相変わらず、最初にエスカルゴとエールってのは変わらないね〜笑」
「ここのエスカルゴは新鮮でガーリックがたっぷりで美味しいんですよ。」
「皆様もエールで良いかい?お嬢ちゃんはジュースで良いかな?」
「はい、お願いします」
「はい、、、」
あんじーは少ししょんぼりしてしまった。
(あたしもエール飲みたい、呑めると思う、、、むかーしは良く冷えたビールがガーリック味のおつまみと良く合ってた、、、)
by 脳内あんじーの葛藤
しばらくして、エールとオレンジジュースが運ばれてきた。
「では、久しぶりの再開にカンパーイ!」
「カンパーイ!!!」
皆、それぞれのグラスを手に持ち少し掲げる。
エテはぐーっと、ぐいぐい飲み、イヴェールは1口2口飲んだ。
「冷えてるね〜、美味い」
「お母さん、1口味見させて?」
「えっ?たぶん苦いわよ?」
「大丈夫、1口だけ」
「良いんじゃない、飲ませてみても?」
「えぇ、無理しないのよ?」
「うん!ありがとう〜」
(やった〜〜!めっちゃ久しぶりのビール!いただきまーす)
あんじーは、勢いよく、大きく1口飲んだ
「ぐっ、ぶっふ、、、ゴホッゴホッ」
吐き出しはしなかったが、大きくむせた…
「にっが!喉通っていかない!!!」(めっちゃ苦い、えっ?味覚が違う???)
「ほらね、まだ少し早かったのよ、エールは笑」
イヴェールは笑って、あんじーに水を飲ます。
「うーん、ありがとう〜お母さん、びっくりするほど苦かった、、、」
「クスクス、あんじーにはまだ早かった様だね。ほら料理がどんどん運ばれて来るから、食べよう」
オトンヌがそう言ったのが合図の様に料理がどんどん運ばれてきた。
エスカルゴ、ビーンズカレーの様な香辛料たっぷりの豆の煮詰めた物にナンの様なもの、パリパリ羽根の付いた餃子に、唐揚げの様な物、どんどん運ばれてきた。
「すごいなぁ、ずいぶんと変わった料理が多いね〜笑」
「あぁ、相変わらず、店主は定期的に旅行に行って、食の見聞を広めてる様だよ。さすが、元冒険者だよ笑」
「これは、すごいですね〜」
奥から店主が出てきて
「まだまだ食べて貰いたい料理が沢山あるよ、熱いうちに召し上がれ!(ボナペティ!)」
楽しいランチタイムの始まりだ。
「ねぇ、おばあちゃん、少しだけ白ワイン味見させて?」
懲りてない、あんじーであった、、、
いつも読んで頂いて本当にありがとうございます




