~『アリの店Part2』
皆様、台風の被害は大丈夫でしょうか?
「あの時は嬉しすぎて涙腺が壊れてしまって、、、」
アリさんは、照れたように言った。
「母ちゃんは、涙腺が壊れすぎなの!あたしが小さい時にも私が転んで怪我して痛いのはあたしなのに、『マリちゃん、痛いの???かわいそう、』って、母ちゃんの方が大泣きするから、あたしはびっくりして涙も止まったし!」
「ごめんね、マリちゃん、、、マリちゃんが痛そうで、、母ちゃんが代わってあげれないから、、、」
「もぉ〜」
「ふふふ、仲がいいのぉ〜」
「あっ、すみません、、、」
マリちゃんが、照れたように頭を下げた
「それにしても、アリちゃんや、お店は意外じゃったのぉ〜」
「意外、ですか?」
「うむ!わしに送って来てくれる様なデザインは少ないの?」
「うん!もっとびっくりなお店かと思ったけど、」
あんじーは店内をぐるっと見渡す。
「ふふふ、まずはお客様がお店に入り易い様に、看板とか店内の小物のチェック柄はあたしの夫の作品です。あっ夫は今、材料の仕入れに出でるんです」
「ほぉ〜アリちゃんの旦那さんもデザイナーかの?」
「はい、この様なチェック柄で小物を作るのが得意です。そして、中に入って頂いて中程からあたしの服を飾ってます」
「あっ、なるほど〜」
確かに、真ん中の棚のとかマネキンさんが着てるのは幾何学模様のワンピースとか、スカートなんだけど、それでもおばあちゃんが着ている様な派手な感じではなくて、例えば赤と黒の幾何学模様のワンピースも袖と首周りの裾は明るいブルーで纏めていて、派手すぎず、それでもなんていうか、他にないデザインだ。
「あれじゃの?わしに送ってくるデザインは少ないの、少し大人しめなのが多いかの?でも、これなら他の人も気に入り易いの?」
「はい、昔、エテ様が仰てくれた事、覚えてますか?」
「わしが?」
「えぇ。やっぱり暫くはエテ様しかお客様が居なくて、、、わたしが悩んでいたら、エテ様が『わしはマリちゃんのデザイン好きじゃが、もう少し押さえた方が他の人が気に入り易いかもしれないのぉ〜』って、、、最初は押さえるって意味がよく解らなくて、、、」
「でもある日、エテ様があたしの作ったワンピースの上から無地のショールを羽織ってらしたんです。ソレを見た時に、あっ、これか!これだったのか、って、確かにあたしのワンピースにわたしのショールではデザイン同士が喧嘩してしまいます。これなら喧嘩せずに仲良く居られる。押さえるって、こんな感じなんだ、って思って」
「見て下さい、このマネキンのスカートはあたしのデザインのスカートですが、ブラウスは襟とボタンと袖口だけであとは無地です、、、こんな風に考えれる様になってから、お客様が少しづつ増えて来たんです」
アリさんは嬉しそうににっこり笑った。
「それでもたまに、抑えきれない感情がわぁー!って溢れ出して創る新作はいつもエテ様に贈らせて頂いているんです。お代を頂くつもりはなく、ほんの感謝の気持ちでしたのにエテ様には毎回きちんと振込んで頂いて、」
「当たり前じゃ、新作もいつも気に入っておる!商品にはお代を払うものじゃ!」
「ありがとうございます。それで少しづつお客様がつき出した頃に、あたしの服を見に来てくれた夫に出会ったんです。それから2人で共同で小さいけど此処にお店を出す事が出来ました。あたしがお店を持つ事が出来たのもエテ様との出会いのおかげなんです、本当にありがとうございます」
アリさんは、また目に涙を浮かべながらおばあちゃんに頭を下げた。
「何を言っておるのかなの!お店を持てたのは、アリちゃんの努力の結果じゃ!」
「さっ、店内をじっくり見せて貰うかの!」
おばあちゃんは照れた様にそう言って、店内を見始めた。
結果、おばあちゃんは新作などいろいろ、お母さんとあたしもブラウスやスカート、ワンピース、靴も選んだ。靴も踵と爪先は無地の皮だが、それ以外には幾何学模様でデザインされていてすっごい可愛いかった。
お父さんもベストやズボンいろいろ選んでいた。
あたしはチェック柄の小物も友達へのお土産でいろいろ選んだ。
「ここはわしが払うでの」
「えっ、お義母さん、ここは僕が、、、」
「アリちゃんのお店の代金はわしが払うって決まっておるのじゃ」
(いつからそんな決まりが、、、)
「ふふっ、お母さんありがとうございます」
「おばあちゃん、ありがとう〜」
「ありがとうございます。」
「エテ様、皆様、こんなに沢山ありがとうございます」
「あっ、あの、、、あんじー様!母ちゃんの洋服買ってくれてありがとうございます。
えっと、その、、、あたしも今年から学園に通っているんです、クラスは違いますけど、、、」
さっきまでハキハキと喋ってたマリちゃんが、しどろもどろにアンジーに話しかけた
「!同じ歳なんだね、これから学園でも会ったらよろしくね。」
あんじーがにっこりと笑うと、マリちゃんは感激した様に
「はっ、はい!よろしくお願いします。ありがとうございます」
「マリちゃん、学園から帰ってきたら、同い年なのにアンジー様はすごい、っていつも言ってて、あたしも勉強もお手伝いも頑張るって言ってくれるんですよ。いつもお店の手伝いも家の手伝いもしてくれてとても助かってるんです。」
「母ちゃん!」
マリちゃんは、顔を真っ赤にさせた。
「ではの、また来るでな」
「はい、本当にありがとうございました」
「ありがとうございました」
エテは大荷物をマジックバックに入れて、店をでた。
「素敵なお店でしたね」
「うん!」
あんじー達はほくほく顔で店を後にした。
「この近くだったら、『万事屋』が近いんだけど、『万事屋』で良いかな?それとも少し休憩するかい?」
「休憩はまだ大丈夫ですよ」
「あたしも〜」
「わしも大丈夫じゃが、『万事屋』の後にはちーとばかり休憩したいの〜」
「えぇ、お昼は『バッカスの胃袋』を考えてます。僕が王都に居た頃は良く通ってたお店です。お義母さん美味しいお酒も置いてあるはずですよ笑」
「ほう!それは良いの!よし、『万事屋』に行くかの!」
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