~朝粥は、、、~
旅先での朝粥、最高ですね〜笑
~しばらく馬車が走ると、王都の大きな城壁と門が見えてきた。お父さんは馬車の駐馬場の予約券をニックに渡す。何でも駐馬場は予約しないと停めれないそうだ。予約にはお金が要るが、預けている間の馬の世話はしてくれるので高くはないらしい。冒険者ギルドで買えるそうだ。転移では知れない世の中の仕組みだった~
あんじー達は、駐馬場の管理人に予約券と馬車を預けた。
「さてと、市場に行こうか?まだ朝一してるはずだから朝粥もあるよ。ニック達も行かないかい?」
「朝粥ですか?」
「そうだよ。王都の朝一の朝粥は種類も多くて他とは違うよ笑」
「良いですね。ケイト良いかい?」
「ええ。食べてみたいわ笑」
前回は地図を見ての移動だったが、今回はお父さんが詳しいみたいで地図を見ないでお父さんが歩き出す。
「お父さん、仕事で王都に良く来るの?詳しいね?」
「ん?あぁ、話してなかったかな?お父さんはね、お母さんと結婚するまでは王都に住んでたんだよ?」
「えぇ〜!そうなの?」
「そうだよ、王都の方が依頼も多かったしね」
「知らなかった〜」
「ほら、人混みはまだ多くはないけど市場の中は人も多いから、手をつなごうか」
そう言って、オトンヌはあんじーの手を掴んだ。
「えぇ〜そんなに小さくないから、ちょっと恥ずかしなぁ」
あんじーはそう言いながらも、手を振りほどく事はしなかった。あまりこんな風にお父さんと手を繋いだ事がなかったので、恥ずかしくもあり、それ以上に嬉しかったのだ。
一方、オトンヌは
『良かったぁぁ、振りほどかれなかったー、振りほどかれたら暫くは立ち直れないよ汗』
by脳内オトンヌ。S級冒険者も普通のお父さんである。
そんな2人の様子を後ろからイヴェールとエテばあちゃんが微笑ましげに見ていた。
「あっ、そろそろ賑やかな声がしてこないかい?そこの角を曲がったら朝市だよ」
オトンヌの指指す方を見ると、朝なのにかなりの人が居るのが解る。
近づくと、業者の人や冒険者風の人、沢山の人が威勢よく掛け声をかけながらやり取りしてた。
「お父さん、冒険者風の人も多いね?」
「あぁ。依頼とは別に旬の物だと、こちらへ直接持ち込んだ方が中間マージンが取られないから高く買い取ってくれたりするんだ。そのくらいは冒険者ギルドも多めに見ているね」
「そうなんだぁ〜」
「あっ、ここだよ。市場の食堂。朝粥しているよ。」
お父さんが案内してくれた食堂は、シンプルな作りでテーブルも6人がけの様な大きめのテーブルが幾つもあり、かなり広い。
メニューは、、、
「えぇ〜、お粥ばっかり???」
「そうだね。ここは朝はお粥しかないかな?でもそのお粥が色んな種類があるんだよ」
「お父さん、旬のお粥、肉A、肉B、肉C、魚A、魚B、魚C、魔物肉A、、、いつものお粥、、、素材の名前が書かれてないよぉ?、、、値段は変わるけど、、、これじゃ、何が使われてるのか解らないよ〜」
あんじーは困ったように、眉をヘニョンとさせた。
「あっはっは、そうだね。ここは今入荷した肉や魚、魔肉、魔魚をみて、店長が値段を決めて出すんだ。毎日変わるから名前は書いていないのさ」
「お父さんの経験上、Aは間違いなく美味しいよ。肉、魚、魔肉、魔魚のAをそれぞれ取らないかい?みんなで少しづつ食べよう?」
「そうじゃの」
「良いですね。」
「賛成!これだとあたし全然決めきれない」
「ニック、あたし達は魔肉と魔魚のAにしませんか?魔物はほとんど食べた事ありませんし…」
「良いね、ケイトがそれで良いならそうしよう!」
しばらくすると海の物とも山の物とも言えない良い香りがしてきて、
「はい、おまたせしましたー!!!」
キップの良い、女性の店員さんが、テーブルいっぱいにいろいろ並べていく。
「取り分け椀も置いておきますね〜」
お姉さんはそう言って、何個か容器も置いていってくれたが、メインのお粥以外にも海苔とか、胡瓜の和え物、もやしのナムルの様なの、他にも小鉢がいっぱい。10皿はあるだろうか???
あんじーはきょとんと目がまん丸になる。
「お父さん!これめっちゃいっぱい来た!Aだから?」
「くす、違うよ。これは全部のメニューに付いてるんだよ。A、B、Cの違いは、純粋にこのお粥の真ん中に乗ってる具の違いだよ。このお店の人気の理由だよ笑」
「違いますよ、プロットの旦那。この界隈のお粥はだいたいこんな感じさ。小鉢の数は変わるかもしれないけどねぇ」
お店の厨房の中から恰幅の良い男の人が出てきて、お父さんにそう言った。
「店主、お久しぶりですねぇ。覚えていてくれたんですか」
「それやぁ、忘れないさね。王都に居る時にはほとんど毎朝来てくれてたからね。時には取れたての新鮮な魔魚とか持ってきてくれて笑」
「今日はいつも見ないお客様だなぁと思ったら、プロットの旦那だから驚いたよ。綺麗な奥様にお嬢様だね〜。それと、お姉さんかい?」
「やだねぇ、イヴェール、お姉さんだってよ。」
おばあちゃんは、満更でもなさそうに嬉しそうに言った。
「ふふふ、お母さんは若く見えますからね〜」
「へっ??!お母さんかい!驚いたね〜。あっ、いけね。冷めちまうから、暖かい内に食べとくれ。」
「はーい。」
店主はそう言って、また厨房に戻っていった。
「食べようか?」「はーい」
「「「「いただきまーす」」」」
~あんじーは、魔肉、魔魚にも興味はあったが!まずは、磯の良い香りがする、魚のA粥を少し分けて食べた
「うわぁ〜、これ鮑かなぁ、少しコリコリして磯の香りもすっごく良い、美味しい〜」
「こっちはトンテキのようじゃ、よく煮込まれていて甘いコクのある良い味が出ておる。このもやしの漬け物も美味しいのぉ〜」
「あら?こっちは何かしら、白身魚の様ですけど、そんなに臭みもなくてホロホロします、美味しいわよ。」
「おぉ〜、こっちも牛肉の様な味だけど、甘みもあって美味しいな、何の魔肉だろ?」
みんなそれぞれ食レポを言いながら、どんどん違うお粥を試していく。
本当にこの様々な付け合せも味変になるし美味しい、みんなで色んな味を食べれるのも良い。
「コレでこの値段なら逆に安いくらいじゃ、ほんに美味しいのぉ〜。わしもたまには王都の依頼を受けてみるかのぉ〜笑」
「え〜良いなぁおばあちゃん!」
「ふふふ、あたしもたまには朝にこんなお粥を作るようにするわね笑」
「お母さん、本当???!!!」
「こんなに色んな種類は無理だけど、美味しいからなんだか作ってみたくなっちゃたわ笑」
「やった〜!」
「楽しみだ。くれぐれも無理はしないように」
オトンヌは、今だにイヴェールが大好きな為、心配気にでもとても愛おしげに言った。
「うーむ、訓練がてら魔肉を取ってくるのも良いのぉー」
「おばあちゃん、あんまり無理しないで下さいよ」
「はいよ。」
あんなにテーブルにあった小鉢もいつの間にか、ほとんど完食になっていた。
「食べきれないと思ったのに。きれいに完食だねぇ〜笑」
「ふふふ、そうね。小鉢もお野菜が多いからか、お粥と食べるとどんどんすすみますね。」
「じゃぁ、行こうか?」
お父さんがお会計をし、何かお店の店主と話していた。
ニック達とはここでお別れなので、待合せの打合せをお母さん達としている。
「おばあちゃん、おばあちゃんはどうやってそのお店を見つけたの?」
「むかーし、街に行商に付いて来ておったのじゃ。この様な色彩にデザインだから、奇抜すぎてあまり売れてなかったのじゃよ。じゃがわしは面白いと思って気に入ったのでな、その時持って来ていたのを全部買ったのよ」
「えぇ〜???全部?」
「そうじゃ、エラく感謝されてのぅ〜それからは王都に店を構えるまではずーっと街に寄ってくれてたのじゃよ。
今ではすっかり得意客も居るようじゃがの。
今でも新作を出すと必ずわしに送ってくるのでな、わしも届いたら料金を振込んでるのじゃよ」
「じゃから、わしも王都の店舗は初めてなんじゃ。前に絵葉書貰っての、それに住所載ってるのじゃ、わかるかの?おオトンヌさんや、」
「あっ、はいはい。見せて下さい。あっ?『アリの店』!」
「知っておるのかの?」
「エテさんのは、『アリの店』のなのかぁ〜、確かに共通点はあるのかなぁ、気づかなかったですよ笑。知ってますよ、案内しますね。」
「うむ!よろしく頼む!」
(そこまで、奇抜な感じではないのかな?)
いつも読んでいただいてありがとうございます!(´▽`)




