~ニコール公女の思い出から今へ3~
あと1話で本当に思い出編は終わります。あと1話、あと1話と長くなってしまってすみません(;_;)
私の顔を真っ直ぐにみて「家庭教師の件は真実です」
そう言った
「辞めた家庭教師の1人は私の歳の離れた姉もおります。姉が噂をばらまいているのではありません。勘違いされない様にお願いします。ただ、姉は今後のニコール様の事をとても心配されてました。」
「心配、、、もちろん勘違いなどしないわ、お話なされて?」
「はい、姉は2年前までユノール様の家庭教師をしておりました。姉の担当は歴史と領地経営に関わる計算式等だったと聞いてます。ユノール様は大変優秀で2年前にはそれらを全て修められ、今では実技を習われてるそうです。その為姉は2年前に家庭教師の任を終了して、その後は他の家の子をみていたのです。」
「まぁ、お姉様はとても優秀なのね~」
「はい。姉は学園も上位で卒業して学院に1年通った時にグリーンベリー侯爵家の前侯爵夫人のマリノア様からお声がかかりユノール様の家庭教師をさせて頂いたのです。ユノール様からも終了される際には感謝のお言葉と他家への紹介状を頂いていた様です」
「すごいわね、マリノア様はとても厳しい方だと聞きますわ」
「はい、ですが、姉が言うには厳しいがとても公平な方だと、言っておりました。
昨年、姉の元に現侯爵夫人であるカルメン様から手紙が届きました。シオン様の家庭教師をして欲しいと。マリノア様は3年前から隠居されて田舎の方で静養をなされていらっしゃる様でその頃から家の事はカルメン様が取り仕切っておられる様でございました」
「まぁ、そうなのね。」
「姉は他家の子も教えていたものですから迷った様ですが、御恩あるグリーンベリー家からの依頼でしたので、とりあえずどの程度をお教えしたらいいのか話を伺いに訪問する事にしました」
「そこでまずカルメン様にお話を聞いたのですが、返事は『私は解らないから直接本人に確かめて、それが家庭教師の仕事でしょ。私は忙しいので後はよろしくね。』と仰られてカルメン様は外出された様です。」
「えっ?」
私は驚いた、家庭教師を頼んでおいて全て丸投げなんて、、、
「姉はとても驚いた様ですが、ユノール様もとても優秀でしたし、もしかしたら家庭教師と言ってもそんなに教える事はないのだろうか?と思い、気を取り直してシオン様の部屋を訪れたのです。」
「そこで挨拶をし、どの範囲からお教えしたら良いのか、簡単な話をしたそうです。この国の歴史やグリーンベリー家の領地の特産等の話をし始めた時に、それまで俯いていたシオン様が突然、『バンッ!』と机を叩いて立ち上がり「お前は何の話をしているんだ?俺の家庭教師になるんだろ?俺は大公の伴侶となる男だぞ?この領地の事など関係ない!この領地の事は兄上が知ってれば良い事だ!その兄上もゆくゆくは大公の伴侶となる俺の臣下となるのだからな!」と、仰った様です。姉は信じられない思いだった様です」
私は聞いた内容が信じられなくて頭に入ってこなかった
「姉は信じられない気持ちでしたが、何か思い違いをしているならしっかりとお教えしなければと思い。将来大公様の伴侶となられるのなら尚のこと北の大地を治めるのですからいろいろな領地の事を知る必要がある、と話したそうです。そうしましたら、シオン様から返ってきたお言葉が『お前は何も解ってないな、大公の仕事はニコールがするのだからそれはニコールの範囲だ、俺がするべき事ではない。お前は何も解ってない。兄上の家庭教師をしていたと聞いた時からそんな気はしていたのだ。お前達は俺に何を教えないといけないのか、何も解ってない。もういい下がれ』と言われたそうです」
テーブルがシーンと静まりかえった。
「姉はあまりの事に驚き、かつてのユノール様の家庭教師仲間に連絡を取ったそうです。そこで今回の出来事を話したら、やはりみんなカルメン様からお声がかかり、ほとんど同じことをされたそうです。中には本を投げつけられた方もいた様です」
「本を???」
「はい。その者はどこが解らないのかどこから教えたら良いのか聞き出そうとし、直接聞いたそうです。『どこからお教えしましょうか?どこがお解りにならないのでしょうか?』と、そうしましたら、シオン様はお怒りになりその時机にあった教科書をその者に投げつけ『将来の大公の伴侶になんて口の利き方だ無礼者!』と言われたそうです」
「ニコール様、おそらくでございますが、シオン様はマリノア様がご隠居された3年前からあまり勉強をされていないのではないでしょうか?それが、姉達が出した結論でした。」
「えっ?」
「姉達は共通して同い年の子が通常通り勉強していると思われる範囲からシオン様にお教えしようとしました。ですがその内容は全く解らなく、また将来大公伴侶となるプライドがお有のシオン様にはそこが解らないと言えずにあの様な態度だったのではないか、と思った様です」
「そ、んな、、、」
「ニコール様。私共はとても心配しておりました。」
「心配?」
「はい。ニコール様は大公としての勉強もまた少しずつ公子として公式行事にも参加されていて、皆が一様に次代の北の大地も安泰だろうと言っております。」
「ありがとう」
「ただのその伴侶候補は、皆が心配しております。おそらくシオン様の噂はひろまっております。あまりにも多くの方を首にして今ではなり手が居ないと言われてます。噂を知らないのは、領地の事でお忙しくしておられるグリーンベリー侯とニコール様のみではないか?と言われております。」
「そんな、、、」
「ですが、先程の話を聞いて安心も致しました。大公様達はおそらくご存知なのですね?ですから他にも候補の方を考えて居られるのでしょうね」
「そうですわよね、大公様のお耳に入らない事はないのでしょうね」
その言葉でその場が少し和やかになった。
私は与えられた情報を信じたくない気持ちと信じざるおえない気持ちで曖昧に微笑むしかなかった。
その後の紅茶の味もせっかく取り寄せたマカロンの味もわからなかった、、、いや解らなかったのではなく、おそらくマカロンは食べていないと思う。
~お茶会が終わり、部屋に戻ると、私はすごく疲れていた、何もやる気がでないくらいに。
アクセス、良いね!ありがとうございます。読んで頂いてありがとうございます!(´▽`)




