~ニコール公女の思い出から今へ 2~
「聞いてない」
そう言った、シオンの声が部屋に響いた
異変を感じて離れて控えていたダリアがこっちに来ようとするのを、手で大丈夫だからと止まるように合図した。
「私も昨日聞いたの、私達や他の候補者の事も考えて敢えて公表はしてないと、お父様も仰てたわ」
「誰なの?どこの誰?聞いたんでしょ?、、、まさか兄上も入ってるの???」
「聞いてないわ、知らないの。教えて下さらなかったもの。本当よ?」
「本当に???」
「本当よ!」
シオンは何かを考える様に下を向いていたが、暫くすると顔を上に上げて
「ニコール、ごめんね。びっくりさせて、痛かった?」
眉を下げて、すまなさそうに首を傾けて私をみた
「良いのよ、私も昨夜は驚いたから、シオンも驚いたんだろうし、、、」
「うん。でも、僕の気持ちは変わらないよ。好きだよ。ニコールは?」
私は最近ほとんど聞く事がなかった(好き)という言葉に嬉しくも、少し恥ずかしかったが
「私ももちろんシオンが大好きよ!」
「ありがとう。ニコール、この後も勉強があるでしょ?僕ももう行くね。また来るね。」
「うん。シオンも頑張ってね。またね」
そう言うと、シオンは少し目を伏せ、じゃぁと言って出ていった。
「ふぅ〜」
私は妙に緊張していたのか、ため息が出た。すかさずダリアが入れ直してくれた紅茶を飲んだ。
(今思えばこの頃にもっとシオンと話をしていたら、、、いえ違うわね。シオンはもう私の話を聞いてくれなかった、、、誰の話も聞いてなかったのよね。)
~~~あれから避暑地での子供だけのお茶会、、、私にとっては衝撃の真実を、私が現実を見ないといけないキッカケだったわね……
あの日は大公家で私の初めての社交会デビューになる、お茶会を開いた。避暑地に来ていた将来の私の側近候補の方々という事になる。
和やかにお茶会が始まった。私のテーブルにはいろいろな方が挨拶に来てくれたのだった。
~私のテーブルには右側からエポック侯爵家のご令嬢のマリー様、そのお隣がシャムロック伯爵家のご令嬢でリリアン嬢、そのお隣がゼンブラライム子爵家のご令嬢のキャメロン嬢、私の左側がたしかトムピアーズ伯爵家のご令嬢でアメリア嬢、アメリア嬢は私と同い年、キャメロン様はとマリー様はお1つ上で、リリアン様がお1つ下、だったわね。
「そうそう、確かマリー様はご婚約されたのですよね?おめでとうございます」
私は事前に聞いていた情報でそう告げる。
「まぁ、ありがとうございます。婚約と言っても幼なじみですし」
そう言いながらもマリー様は嬉しそうに頬を染めた
(羨ましいなぁ、幸せそうだなぁ〜)
「お2人は本当に仲も良くて羨ましいですわあ〜」
次々と他の方々からも祝いの言葉が述べられた。
「ありがとうございます」
マリー様は幸せそうに微笑んだ
「たしか、ニコール様は学園に入学される年のお誕生日に御発表されるのですよね?」
キャメロン様が仰った
「ええ。その決まりの様ですの…」
「まぁ、候補の方々とは定期的にお会いになられたりされてるですか?」
そうよね、普通はそう思うわよね。でもここは誤魔化したりする必要はないわよね。
「それが、私はシオン様しかお会いした事がないと言いますか、他の候補の方の事は教えて貰ってないのです、、、」
「えっ???」
「本当ですか?」
「シオン様ってグリーンベリー侯爵家のご次男様でいらっしゃる?」
「えぇ、そうです」
私がそう返答すると、互いに顔を見合わせて困った様に私を見た。
「こんな事を聞くのは失礼かもしれませんが」
マリー様がそこで一旦間をおいた。少し悩んでらっしゃる様だ
「何かしら?何でも仰て?」
「それなら、失礼かもしれませんが、ニコール様はシオン様と仲がよろしいのでしょうか?あの、家同士の結び付きでの候補ではなくて、、、その、、、」
「あぁ、ええ。そうなの、シオン様とは4歳の頃に出会って、、、」
私はそこで出会った頃の馴れ初めを話した。
「私はその時には公女教育が始まってましたから、少しずつプレッシャーも感じておりましたの。でもその時のシオン様のお言葉で私も頑張らなきゃと思いましたのよ」
「まぁその様な出会いが!」
「ではあの噂は、、、でも、、、」
「噂なんかではないわ、」
「マリー様、、、」
「どうかなさったの???」
「その、、、お2人は仲が良いようですが、、、シオン様はニコール様と一緒に教育を受けてらっしゃられるのでしょうが?」
「それは、最初の1年位は一緒に学んでましたけど、シオン様は他にもおやりになる事があると言う事で段々と別になっておりますの。今は一緒にはしておりませんわ」
「どうかなさったの???何か4人ともシオン様の事をご存知なのですか?」
3人は顔を見合わせていたが、お互いに頷きあい
「直接存じているわけではございません。ニコール様に不快な思いをさせたいわけでもない事は解って頂きたいのです、、、」
「えぇ、もちろんよ」
「その、、、シオン様の良いお話を聞かないのです、、、」
「勉強しないで良くないお友達と遊んでばかりですとか、、、」
「家庭教師を何人も首にしたりですとか」
「えっ???」
「シオン様が???」
「はい、そうです」
「噂でしょ?他の誰かと間違えているのではなくて?」
私は衝撃でついついキツい口調になってしまった様だ
4人が少し怯えたような戸惑った顔になる
「あっ、ごめんなさいね。驚きすぎて少し口調がキツくなってしまったかしら?ただ、あまりにもびっくりしすぎてしまって」
「そうですよね。でも、確かに良くないお友達と遊んでいるかどうかは解らない事ですけど」
「家庭教師の件は本当です」
マリー様が私の顔をまっすぐに見てそう言った。
アクセス、良いねありがとうございます。読んで頂いてありがとうございます!(´▽`)




