~~オンシジューム街 打ち上げ 1~~
宴の準備が仕上がってきたようで、街は広場に屋台が出て普及された魔物肉を焼いて無料で配る手筈となっている。
町長の館は庭が解放され、そこでも料理と飲み物が振る舞われる事になっている。
大食堂ホールでの準備が整い、それぞれの部屋で休んでいるアンジーたちを呼びにいく。
コンコンと、扉をノックする音が聞こえた
芳ばしい匂いで目は覚めてたが、今だベットでゴロゴロしていたあんじは慌てて返事する。
「はい!」
「そろそろ準備が整いますので、用意出来次第、大食堂にお越しくださいとの事です」
と、扉越しに声がかかった。
「解りました!」
あんじーはそう返事をすると、ベットから起きた。隣のベットで休んでいた、おばあちゃんもゴソゴソと起きだす。
「すっごく良い匂いがするね〜!あんなにフルーツサンド食べたのにお腹すいた〜」
「うむ!楽しみじゃっ!」
大食堂におばあちゃんと向かうと、皆んなも降りてくるところだった。
「うわぁ〜!!!すごい!!!」
大食堂のテーブルにはところ狭しと料理が置かれている。
ちょっとしたパーティ会場だ!
案内される席にそれぞれ座った。
上座的な所にエリック殿下その右側からブルーノ、シャルル、大公、モーリー卿、町長、町長夫人と続き、街の衛兵団長。左側にあたし、おばあちゃん、ルイ、ユーリシア、マーベルとなっている。
「先ずは乾杯の挨拶の前に、この街を代表して、エリック殿下、皆様には感謝申し上げます。これでこの街の夜が明けます。ありがとうございました。」
オンシジューム公から団長まで立ち上がり、みんなで一斉に頭を下げた。それに対してエリック殿下が
「頭を上げてください。この町を守ってきた皆様の努力があっての本日です。こちらも来る事に時間がかかったことは、国を代表してお詫びします。この街は大きく、失敗は許されないのでどうしても慎重にならざるを得ませんでした。」
(まぁそうだよね、いきなりこの街には来れなかったね。経験値を稼げてからの今回だものね)
「いえ。それは充分に理解してます。感謝申し上げます。そして、本日を持ちまして、この街の復活とします。来月最初の日曜日には復活記念レースを運営したいと思います。
賞金は通常の2倍とさせていただきます。
毎年4月の第1日曜日にこの日の感謝を忘れない為に、『オーキッド記念』とさせて頂いてもよろしいでしょうか?陛下にも許可は頂いてます」
「陛下もきっと喜んだでしょうね。光栄な事です。」
「ありがとうございます。それでは堅苦しい話はここまでして乾杯といきましょう。この街では、試合を飲みながら観戦する事もある為、いつからか冷えたエールが流行りだしてまして、今ではこの街の代表的な飲み方になってます。乾杯の挨拶はエリック殿下お願いします。」
オンシジューム公がそうゆうと、給仕する人達が、トレイに冷えたエールを持ってきて、配り始めた。もちろんあたし達には冷えた林檎ジュース、早く成人迎えたい!めっちゃ美味そうだぁ〜。
みんなに行き届いたのを確認して、エリック殿下が
「この街の新しい更なる発展に向けて、今日は皆様お疲れ様でした、乾杯!」
と言って、エールを掲げた
「「「カンパーイ!」」」
みんなグラスを掲げた。
みんな一斉にグラスを掲げ、隣のおばあちゃんに至っては、乾杯なのに、ゴクゴクゴクゴクとグラスの半分位を飲み、
「かぁ〜冷えてて美味しいですなぁ〜」と言った。
エリック殿下も
「美味しいですね〜冷えてると、同じエールに思えないですね、コレはコレで別のお酒ですね〜」
「そうでしょ〜、私はこのエールが大好きでして」
オンシジューム公が嬉しそうにそう言った
「良いなぁー、私も飲みたーいなぁ〜〜笑 この林檎ジュースもめっちゃ美味しいけどね〜w」
「うん。この林檎ジュースは美味しいね〜」
シャルルもそう言った。
テーブルの上にはBBQの様に炭で焼かれたお肉に、何やらむかーし見た事あるよーな、パイ?の中に何か入ってる様な料理も並んでる。しかもその料理良く見たら馬の形してる!
「その料理なんですか?パイ???」
「それはお肉の塩釜でございます。」後ろに控えてた給仕の方が答えた。
「塩釜???今にも走り出しそうな馬の形のパイみたい」
「かわい〜」
マーベルちゃんもそう言って、興味深そうに見ている。
給仕の方が、テーブルの上のその馬の塩釜を取ると、
「これは上の形は作るものの自由に出来るのですが、小麦粉と塩で出来てまして、この街では馬の形にする者が多いですね。中には今回はお肉が入ってます。じっくりと焼き上げる事で、中のお肉にも味がしみ込みます。では、切ってきますね?」
「はい、よろしくお願いします」
後ろに控えてた給仕さん達が一斉に馬の塩釜を持って下がった。
コダック首長が
「塩釜の中のお肉にはじっくりと塩味が付いていて、さっぱりとした赤ワインと合いますよ〜笑」
「それなら、わしは次はそのオススメの赤ワインで!」
「解りました。」首長が何やら給仕の方にワインを頼んだ様だ。
「私も赤ワインを貰おう」オンシジューム公もそう言った
(ますます羨ましい!)
「少し位は飲んでも良い気がします!」
私がそう言ったら、エリック殿下が
「あんじー、もう少しの我慢だよ〜」とにっこり笑って、ダメと暗に言った。
(くそ〜ダメかぁ〜)
「それに合う、赤りんごのジュースもございます、ソレを持って来ますね」
首長夫人が優しく微笑んでそう言い、給仕の方に指示する。
「ありがとうございます!」
そんなこんな事をしてると、給仕の方がローストビーフの塊と切り分けたのと、馬の形の塩釜を真ん中から割ったのをトレイに乗せて運んできた。
「え〜中はこうなってるんだ!ビミョーに馬の形が残ってて、可愛い!美味しそう!!!」
「その塩釜はどうするんですか?」
「パイみたいに食べるのかな?」
ユーリシアとマーベルちゃんも気になってたようで次々に質問する。
「いえいえ、この塩釜は捨てます笑」
給仕の方が微笑ましげに笑って答えた
「ええええ〜もったいない〜、美味しそうに見える〜」
マーベルちゃんはとても残念そうに言った。
給仕が切り分けてくれたお肉をパクリ!
「んんん〜、とーっても美味しい!しっかり塩味がつきすぎる事なくついてる。しかも塩味だけじゃないね、ハーブ?良い香りがする!この赤りんごのジュースと口の中ですっごいコラボ!!!」
「美味しいですね〜」
ユーリシアも美味しそうに食べた。
「あぁ、本当に美味しいな」
「うむ!この赤ワインも白ワインの様なさっぱりさを出していて、この塩釜のお肉と合いますなぁ~」




