~聞きたいこと、溢れだす想い~
皆様体調にはお気をつけて
それからケイト達は歓迎会の輪から抜ける様に、家族で村長宅の庭に出て話をした。
(ねぇねぇもにぃにぃも結婚したんだぁ〜、ケイトは家族の話を聞きながら、、、気になってた事を聞いた)
「お母さん、にぃにぃ、ねぇねぇ、お父さんは?どうしたの?」
3人はお互いに顔を見合わせて
「そうよね、黙っておくものでもないね、ごめんよ」
「どうしたの???まさか、、、」
「おそらくケイトが考えている事ではないのよ、、、」
お母さんが、寂しい様な悲しい様な顔でそう言った。
「え?」
「あいつはね、出ていったのよ!」
「マノン、あいつなんて、、、」
「お母さん、あいつで充分だろ?」
「ジャン、、、」
少し3人が不穏な空気になった。
「ケイト、ごめんよ。1人で頑張ってるお前にこんな話聞かせたくなかったけど」
「いいの、何でも話して、お願い、お母さん!」
「そうだね、、、何て言えばいいのかな。ケイトがガーディアンの塔に入る事になった時に、村と家に結構な金額が支給されたのは知ってるかい?」
「うん。金額までは知らないけども」
「お母さんね、いつかお前が帰ってきた時に、そのお金の半分を10年以上の信託にしたんだよ。10年経てばケイトなら下ろせるっていう信託さ。私たちはその半分で充分だと思った、、、お前がいつかお役目が終わって戻ってきた時に苦労しないようにと思ってね、、、」
「お母さんね、お前がどんな難儀な事になってるかもしれないのに、何にも気にせずに家族だけ贅沢に何て過ごせなかった。せめてお前にものこしておきたかった。
だけど、それをお父さんに相談するのを忘れてね、1人で近くの街に行って預けてきたんだよ。
それが、お父さんは気に入らなかったんだね〜」
「お母さんは間違ってないわよ!私たちだって、そんなのイヤよ。ケイトが頑張ってるお金で遊ぶなんて。お父さんがおかしいのよ!」
「そうだよ、お母さんは何も悪くないよ」
「ケイト、お父さんはね。お母さんが家族の為にって、残した半分をほとんど持って逃げたのよ。」
「えっ???そんな、お父さんが?」
ケイトは信じられなかった、優しくて良く一緒に遊んでくれた。それは、確かに、仕事は、雨が降ったら休みだ!何て子供の様なところもあったけど。
それでもケイトの記憶には良いお父さんとして残ってた。
「信じられない、、、それから、1度も?戻ってきてないの?」
「あぁ、何年かして、隣街で見かけたって話も聞くけど、村の人が声かけたら逃げていったとか、そんな噂は聞いたけどな」
「そんな、、ごめん、ね。ごめんね、、、わたしのせいで、、、」
ケイトは自分のせいで家族が辛い思いをしてきたかと思ったらどうして良いか解らずに、涙が出た。
ガバっ!と、お母さんが強くケイトを抱き締めた。
「ケイトのせいなんか、コレっぽちもない!ケイトは私の自慢の娘なんだよ!」
「そうよ、あたしの自慢の妹なんだから!」
また、にぃにぃとねぇねぇに抱き締められた。
「だって、お父さん居なくなったら大変だったでしょ???うぅ、グッすん」
「それがね、村長さん、皆が助けてくれてね。元々ケイトのお金なんだからと。いつかガーディアンを呼べる為に取っておかないといけないけど、せめてあんた達の家族が食べていけるくらいは面倒みれるよ、って仰ってね。
お母さん、村長の家のお手伝いの様なことをさせて貰えてね。」
「そうよ!ケイトが気にすることないのよ。
見てよ、ジャンにぃなんて、こんなにがっしりして!」
「おいおい。俺を引き合いにだすなよなぁ〜笑」
「マノンねぇねぇってば、、、ふふっ」
「ケイト、他に聞きたい事、あるんじゃないの?」
「聞きたい事?」
「そうよ、あんなやつの事じゃなくて、他に聞きたい事はないの?」
(マノンねぇ、なんだかニヤニヤしてる。もしかして、ダニエルの事?小さい時の事、ねぇねぇ覚えてるの?ダニエルは結婚してないのかな?聞いて良いって事かな?もしダニエルが、、、)
「ふふっ、あんた何泣きそうな顔してるのよ。昼間の堂々として威厳すらも醸し出してた様子とはぜんぜんかけ離れてるわよ笑」
マノンねぇねぇが、意地悪そうにいった。
「そんなこと、、、」
「ほら、良いの?あっちの事は」
ねぇねぇが向けた視線の先に、こちらの様子を伺っている男性がいた。
(ダニエルだ!10年前と変わらない、優しいブラウンの瞳だ!)
「ケイト、、、」
男性は遠慮がちに近寄って来た
「ダニエル?」
「ああ」
「ふふっ、変わらない、変わらないね」
ダニエルはホッとした様な困った様な顔をして
「そんな事ないだろ、10年経ってるんだぞ」
2人は皆んなから少し離れ、2人だけになった。
「ケイトは、変わったな…綺麗になったな笑」
「変わんないよ、私も変わんない。こんな衣装着てるからそんな風に思うんだよ。ダニエルが着たら、ダニエルもガーディアンに見えるよ!」
「ぶっ、、、クックックッ、ハハッ」
ダニエルは楽しそうに笑って
「そうだね。変わらない、安心した」
2人は子供の時の様にどちらからとなく手を繋いだ。
「ダニエル、今何をしているの?」
「冒険者だよ、まだまだ駆け出しだけどね。ランクもCなんだけどね。」
「えっ???冒険者?どうして?前は冒険者になりたいなんて一言も、、、おじさんの様に大工さんになるのかと」
「大工だと、王都に行けない」
ダニエルはケイトの目を真っ直ぐに見て言った。
「王都?」
「ああ。大工だと王都に行くにはよっぽどコネとか実力ないと無理だろ?でも冒険者なら、依頼を受けるのは王都なら沢山あるし食べていくのにも困らない。」
「どうして王都に?前はそんな事一言も、、、」
ケイトは、期待しそうになる心を抑えてたずねた。
「王都にはケイトが居るじゃないか。俺、何度かガーディアンの塔から出て任務の為に王都の門から出ていく馬車に乗ってるケイトを見たよ」
「!!!」
ケイトは驚きに両手で口を覆った。
ガーディアンは安全の為に転移陣を使うが使えない時には護衛を付けて馬車で移動になる。
ケイトも何度も馬車も転移陣も利用してた。
「俺、どうしても納得いかなかった。ケイトはずっと隣に居るって、そう思ってた。」
ダニエルはケイトの手を取って
「これが、ケイトが隣に居るのが特別な事なんて思ってなかった。だけど、実際にあっという間にケイトは村を出て行って、、、しかも嬉しそうに」
ダニエルは少し怒った様な、悲しい様な顔でケイトを見て
「誰に聞いてもガーディアンになったら村に帰ってくる事はないって、言われて。最初はいつまでも一緒に居ると思ってたのは俺だけでケイトは何とも思ってなかったんだって思ったら悔しくて、それならいいや、俺ももうケイトの事は忘れようって、思ったんだ」
「ダニエル、、、」
「だけど、ケイトは鈍感なところもあるしおっちょこちょいだから、もしかしたら村に帰って来れないって思ってなかったんじゃないか?なんて、思ったりもしたんだ。」
「俺の希望だったのかも知れないけどな!そう思ったら、ケイトが帰る時に村への帰り道が解らなくなってたら困るから、俺も王都に行こうって思ったんだ。
それに、もし偶然ケイトに会えたら一言言わないと気が済まなかったからな」
そう言って、ダニエルはにっと笑った、
「何て?」
ケイトの声は震えた。
「ばーか!ってさ笑」
ダニエルはケイトが好きだった、優しい瞳でにっこり笑った。
ケイトは抑えてたものが溢れだす様に
「うわぁーん、あ、あたし、かえ、帰れないと思って、思ってなくて、、、何度も、何度も帰り、帰りたいって言ったけど、、、ガーディアン、ガーディアンだから赦されなくて、、、」
子供時の様に、ダニエルの胸の中で泣き出した。
「そんな事だと思ったよ、本当になぁ〜!バカなんだから、あんな嬉しそうに村から出ていくから俺も傷ついたんだぞ」
「ご、ごめんね、ごめんね。ヒック、で、でもガーディアンとしての力で街や村を護らないといけなくて、、、」
「ほんとにな〜ケイトには過ぎた任務だよな〜笑」
「うん。うん。」
読んで頂いてありがとうございます。感謝━━━(≧∀≦人)━━━感謝してますw




