~元ガーディアンから、今へ~
オトンヌは家に入り、4人がけ程のテーブルに案内された。
室内もあちらこちらに薬草花の鉢が置かれていて、空気が良い。
奥から、先程の女性が出てきた。マロン色の髪を後ろに結グリーンの瞳の女性だ。その瞳に強い光と、そして不安で揺れていた。
「どうぞ」
先程の男性、ダニエルがハーブティーを出した。
ミントの香りか、リラックスできる。
オトンヌはやはり知らない家を訪れる事に緊張していた様だった。ここまで夢中で駆けてきたが、少し緊張が解れるのが解った。
「体調が良くない時に朝から押し掛けてしまって、申し訳ない」
オトンヌは先ず心から謝った。
「いえ、良いんです。半分はきっと仮病の様なものでしたので、、、」
「えっ?」
「ケイト、仮病じゃないだろ?子供達が心配するほど塞ぎがちだった。」
「そうね笑。あの子たち、気を使って、お義母さんの家に行ってくれたのよね。」
「お母さんは喜んで預かってたよ。」
2人は見つめ合い、頷きあった。仲の良い夫婦の様だ。
「それで、娘さんの事で、私に相談とは?」
オトンヌの視線に気づいたのか、ケイトは慌てた様にたずねた。
「はい、私の娘は4歳になります。今回、ガーディアンに認定されまして、、、」
「待ってください、教会の認定式は8歳のはずです、それがどうして4歳で、、、そんなの」
「はい、娘は街の外に出てしまい、そこで魔物に襲われた時に発現しました。」
「まぁ!!!あたしの時と同じ」
ケイトは口を片手で押さえて、そう呟いた。
隣に座っていた、ダニエルがケイトの手を握りしめる。
「ケイトは、俺を助けるために、、、」
ケイトは、落ち着くように息を吐き出すと
「でも、4歳ならさすがにガーディアンの塔に入るには小さすぎます。親元で育てながら修行されるとか、そうゆうことでしすか?さすがに4歳で修行を始められるのは早すぎると思いますけども」
オトンヌはケイトさんの顔を真っ直ぐに見つめ
「王宮預かりか、教会預かりか、で揉めております。私どもの意見は何も聞かれません。」
「そんな、ばかな、、、どうして、、、まさか?」
ケイトは有り得ない話に戸惑いと恐れの混じった顔でオトンヌを見た。
「娘は、プラチナだと認定されました…」
「な???」
今度こそ、ケイトは椅子から立ち上がった、ガターンと大きな音をたてて椅子が倒れた。
「プラチナ様?が、、、でも尚のこと、、、プラチナ様には何者も強制する事は出来ない、不可侵なのでは?
だから、お嬢様が親元に残る事を選べば、何者も例え王様でも強制する事は出来ないはず?」
「そう聞いておりましたが...歴代最高だとガーディアンの始祖の再来程の魔力があると、、、そうなると親元に置くのはあまりにも無防備過ぎると、王宮か教会が安全だと...…」
「バカな!まだ4歳の子供を親元から離すなんて!」
「私たちもどうして良いのか、手も出せなくて、話し合いの場には参加しても、国側と教会側の主権争いで、私どもが口を挟める状態ではなかったのです」
「なんてこと、、、」
「光の使徒様は?居らっしゃらないのですか?」
「光の使徒?」
「はい。私どもはガーディアンの塔に入ると、先ずはプラチナ様の歴史を学びます。そこに必ず出てくるのです。『プラチナガーディアン様の傍にはいつでも光の使徒あり』と」
「光の使徒、、、もしかして光の精霊かな?私たちには光の玉程の光に見えるのですが、娘にはハッキリと形が見えていて、話も出来る様なんです。」
「やはり居らっしゃるんですね。伝承には光の使徒、プラチナガーディアンの傍に居て、ガーディンを護り、ガーディアンと共に成長するとありました。」
「あぁ、それならやっぱりそうです。そうですね、まだたぶん小さな光なのですが、一生懸命に娘を護ろうとしていると思います」
「実は私がここに来る事が出来たのも、光の精霊のおかげでもあるのです。」
オトンヌは会議中にスカイが現れて、その場の全員に言葉を聞かせた事を説明した。
「そうですか、使徒様がその様な事を、、、『ガーディアンとしての意思、、、』使徒様はご存知だったのですね、、、私たちの事も気にかけておられたのですね、、、」
そう呟くと、ケイトは目を伏せた、その瞳からは涙がこぼれ落ちた。
「これは、あくまでも私の話です。全てのガーディアンの話ではないのです。それでも良ければ私の話を聞いて頂けますか?」
ケイトは涙を拭き、顔を上げオトンヌの顔を真っ直ぐに見つめてそう告げた。
「はい、是非に。よろしくお願いします」
「私は、ガーディアンとしての仕事が出来た事は誇りに思ってます。私の力で護る事の出来た人達がいた。それは今でも私の誇りです。」
「はい。」
「ですが、、、ガーディンの塔というか、ガーディアンとしてはあまりにも自由がありませんでした。
何不自由なく、逆に一般の人達以上の暮らしが出来て居ることは確かです。そんな風に生活させて貰えてるのに、その様な事を考えるのは私が欲深いのでしょうか?」
「そんなことはありません!ガーディアンとして働いた対価でしょう?それと自由は別ですよ!」
「その様に仰って頂いてありがとうございます。私の力が目覚めたきっかけはここにいるダニエルと子供の頃に遊んでついつい村の外に出てしまったのが原因でした。
魔物に襲われたんです。それでもこの力でダニエルにも私にも怪我がなく、魔物を退ける事が出来ました。
とても嬉しかった。その後の教会の検査でガーディアンとして認定された時にも、とても嬉しかったのを覚えてます。
両親も喜んでくれましたし、村中でお祝いムードでした。
私も自分が特別な存在になった様で誇らしかったのを覚えてます…子供でしたから、、、」
「子供でしたからこの村を離れるという事が、ガーディアンになるとゆう事がよくわかってなかったんですよ。いつでも村に帰って来れると思ってたんです。
ただ、そうですね。ダニエルだけが悲しそうな怒ってる様な顔をしていたんです笑」
ケイトは隣のダニエルを見る
「俺は、、、ただケイトが遠い存在になる様でたまらなくイヤだったんだと思う」
「ガーディアンの塔はとても美しい処でした。部屋も一人一部屋あり、食べるのもそれまで村で食べたことない様な美味しい食べ物でした。住んでいる人達も国を街を護っているんだ、というプライドを持って居るっしゃいました。
生活に不満を持っている人などいない様に思いました、、、」
「ただ、私が思ってしまったんです……いつ村に帰れるんだろ?村に帰りたい、家族に会いたい、そして、1番はダニエルに会いたい、、、と、、、」
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