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第8話 広場

 いたたたた……。


 今度は気を失わなかった。

 でも目が回る。頭がぐわんぐわんする。

 耳鳴りがひどくて、何も聞こえない。


 かなり弾き飛ばされたようだ。

 何度もバウンドしたからな。

 おまけに岩の破片が身体に降り注いだし。


 またあちこちケガしているみたいだ。

 治療しなきゃ。


 ダールは倒せたか?

 何か魔法で防御されてないか確かめないと。


 起き上がろうとしたが、力が入らない。

 おまけに土けむりで視界が悪いようだ。


 そうだ。

 倒せたならレベルアップしているはずだ。


 自分を鑑定する。


  カイ エルフ 20歳 LV487

  MP 48700


 おお!レベルアップしている。

 倒せたんだな。

 しかもMPが全回復している。

 これで全力で治癒魔法が使えるな。


 昨日と同じく、目を閉じて全身の魔力を感じとる。

 痛みがある部分に魔力を巡らせていく。

 身体が熱くなる。


 やがて熱が引いて、身体が落ち着いた。

 耳鳴りもなくなった。

 昨日より早く終わった。


 自分を鑑定する。


  カイ エルフ 20歳 LV487

  MP 36065


 昨日より消費MPが少ない。

 ケガが少なかったか。それとも魔法に慣れたからかな。


 起き上がる。

 めまいもない。

 土けむりはすっかり無くなっていた。

 口の中が土でじゃりじゃりする。

 ぺっ!

 水のペットボトルを取り出し、口をゆすぐ。


 そういえばすっぽんぽんだったな。

 風呂の場所は、もうどこだかわからない。

 戻るのは無理だろう。


 身体は泥だらけだ。

 ぶちまけた泥か?

 たらいにぬるま湯を創造し、タオルを湯につけて身体の泥を落とす。

 髪の泥を落とすのに苦労した。


 服を創造する。下着と靴下と紺ジャージだ。ちょっとダボっとした感じ。

 ジャージエルフだ。

 引きこもりのエルフみたいだ。

 靴も創造する。編み上げブーツだ。ジャージの下に履く。



 気持ちが少し落ち着いた。

 爆発の場所に向かう。


 50メートルくらい飛ばされたようだ。

 レベルが低かったら死んでいたな。


 爆心地らしき場所には、ダールの下半身が残されていた。

 この巨体は飛ばされなかったらしい。

 質量が大きいからな。


 半身でも巨大だ。

 毛並が美しい。


 何かに使えそうだから、収納しておく。

 そういえば収納は物が腐るのか?

 調べておかないとな。


 さらに周囲を調べると、やはり赤い球が転がっていた。

 鑑定する。


  魔石 ダール


 魔石だ。収納する。



 さて。

 とりあえず脅威はなくなったか。

 少しゆっくりするか。

 風呂に入ってる最中に襲われたからな。


 ここはいったい何だろう。

 ぐるりと見渡す。

 円形の広場だ。

 500メートルくらいあるか。

 ちょっとした公園なみだ。

 平地だから、見通しがいい。空が広く感じる。


 ここには草が生えている。

 芝生というか、草むらというか。

 一面を草が覆いつくしている。


 木が生えていないのは理由があるのか。

 放射能とかだったら困るな。ちょっと不安だ。


 頭上には太陽がひとつあって、雲ひとつなく陽の光がさんさんと降り注いている。

 昨日転生してきたばかりなのに、日光は随分久しぶりに感じる。

 ああ、木が生えていないから、見晴らしができて、そう感じるんだろう。

 陽射しはきつくない。

 日向ぼっこにちょうどいいくらいだ。


 地面に座る。

 お茶を創造して一息つく。


 ふう。

 のどかだな。


 とても静かだ。そよ風が吹いていく。

 ここは鳥のさえずりがない。鳥がいないのかな。

 虫も見ない。昆虫は存在していないのかもしれない。


 しばらくの間、日向ぼっこを楽しんだ。

 この場所はいい感じだ。





 そうだ。

 ここに家をつくろう。

 


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