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第2話 転生

 目が覚めた。


 木の根本にもたれかかって座っている。 

 薄暗い。森の中のようだ。


 見慣れない景色。木の隙間は広い。木が大きい。

 見上げると、30メートルくらいありそうだ。


 静かだ。

 ゆっくりと風が吹いている。うっすら木漏れ日がさしている。

 暑くも寒くもない。


 自分をみてみる。

 木綿でできたっぽい長袖長ズボン。靴は革か。

 それだけ。


 座ったまま少し身体を動かしてみると、違和感はない。

 身長は高いかな? 手はほっそりとしている。色白だ。髪は銀色で、腰まである。


 体を観察していると、突然画面が現れた。


  カイ エルフ 20歳 LV1

  MP 100


  スキル

  全言語

  収納

  鑑定(LV1)

  ネット

  創造


 これはステータスというやつか?

 カイっていうのは、自分の名前か。名付け親は神様か?


 エルフ……自分はエルフなのか。長生きするって言ってたよな。人間とどう違うんだ。

 MPは魔力だろうな。

 HPは無いんだ。まあ、ケガとかは数字で表せないからか。


 スキル欄は、ふむ、全言語か。これ大事だな。今のところ誰も出会わなそうだけど。

 収納? あとで調べよう。

 鑑定。この画面は鑑定の結果か? MPは消費しないのかな。

 あとはネットと創造か。


 神様は、随分サービスしてくれたようだ。感謝だね。

 これだけ便利なスキルがあれば、何とかやっていけるだろう。



 さてどうしようか。

 立ち上がって周りを観察してみるが、どこまでも似た景色で、方角もわからない。

 むやみに歩き回っても消耗するだけだろう。何か危険もあるかもしれないしな。


 とりあえず、自分の能力のチェックだな。

 収納を調べるか。


 何か収納空間があるかな、と念じると、画面が現れた。


  収納一覧

  爆裂球 X10


 おっ! これが収納か。一つ取り出してみようと思うと、地面に野球のボールサイズの黒い球が現れた。

 ちょっと感動した。ゲームと違って、実物だ。

 手にとるとちょっと重い。鑑定してみる。

 鑑定と念じればいいのかな。


  爆裂球

  衝撃を与えると破裂しダメージを与える。


 なるほど。手榴弾みたいなものか。使うときは自分が巻き込まれないようにしないとな。

 収納に戻そうと思うと、手のひらから消えた。便利だな。


 次に、ネットを調べる。

 ネットを使おうと考えると、目の前に画面が現れた。PCの画面そのまま。入力カーソルがある。

 とりあえず調べることはないから、閉じようと思うと、画面が消えた。


 さあ、一番の目玉スキル、創造だ。

 水を作ろう。入れ物と一緒に。水が作れれば、とりあえず安心だ。


 創造スキルを意識すると、スキルが発動しているのがわかる。

 500ccの水のペットボトルをイメージ。


 何も起こらない。

 イメージがゆるいか? 細かく、しっかりイメージする。

 すると、目の前の地面に水のペットボトルが現れた。


 おお! すごい!

 手にとってキャップを開け、飲んでみる。


 水だ。

 これでとりあえず安心だ。

 あ、MPを調べるか。自分に鑑定だな。


  カイ エルフ 20歳 LV1

  MP 50

  …


 消費MPは50か。もう半分消費したか。LV1だしな。どの位の時間で回復するんだろう。

 水を飲んだら少しお腹が空いてきた。おにぎりたべたい。


 創造スキルでおにぎりをしっかりイメージする。手のひらに出せないかな。


 出た。おにぎり。手のひらに。しろむすだ。

 うまいなー。初めての異世界メシだな。

 今のところ順調だ。

 水と食事が創造できればとりあえず生きてはいける。


 自分に鑑定すると、MPは0になっていた。おにぎりは50MPか。MP0でも体に不調はない。

 MP増やさないとな。レベルアップで増えそうだ。ゲームみたいな世界って言ってた気がするし。


 ペットボトルを収納に戻す。そういえば収納スキルはMPを消費しないんだな。

 とすると、ネットもMPを消費しなさそうだから、MPを消費するのは創造スキルだけだ。



 さて、やはりやみくもに歩き回るのはやめて、レベルアップしてMPを増やさなきゃな。寝るところはどうしようか。ここにはどんな生き物がいるのやら。

 ゲームみたいな世界なんだから、レベルアップには戦闘が必要なんだろう。

 今のところ攻撃方法は、爆裂球だけだ。かなり不安だ。

 小さい相手を探すか。



 しばらくの間、体を動かしてみたり少しウロウロ歩いてみたりしていた。

 すると、遠くから唸り声が聞こえてきた。






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