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1章4話 転生したら●●なヒヨコだった件

※若干どうでも良い事ですが兵士の名前を変更しました。

 水場を探す俺はというと、鳥の持つ意外と便利なスキルに気付く。

 嗅覚は弱いが、意外と聴覚が発達しているようで、なんとなく川のせせらぎが頭に響く事を感じていた。

 耳(?)をすませばどっちの方向に川のせせらぎがあるかが直に分かるのだ。鳥、凄いな。

 そう言えばスキルに音響感知とかあった気がする。それがそうなのだろう。


 もしかしたら本格的にヒヨコ伝説が開幕するかもしれない。


※既に当作『最凶ヒヨコ伝説』は開幕しています。


 何か突込みが入った気がするが、そんな事はおいておき、俺は川の方へと進む。

 さっきみたいにピヨピヨ鳴きながら歩くと魔物に襲われる恐れがある。

 ヒヨコは一般に捕食される側だと言う事を肝に命じよう。出来るだけ音を立てずに歩くのだ。


 抜き足差し足ヒヨコ足。抜き足差し足ヒヨコ足。


 俺は伝説のジョブ『忍者』になったつもりで足音を殺して歩く。

 勇者時代は素で無双していたから気を遣った事が無かったが、やはり弱者たるもの謙虚さが必要である。

 きっと勇者は弱いものを守るのが務めとか言いながら、本当は弱い者の気持ちが分かっていなかったのだ。

 だからあんな結末を迎えてしまったのだ。

 無様な勇者でごめんなさい。勇者の称号を与えてくれた神様に申し訳ない思いでいっぱいである。


 さあ、抜き足差し足ヒヨコ足。抜き足差し足ヒヨコ足。ヒヨコはとっても謙虚なヒヨコだと心に刻もう。

 俺はコソコソと移動を続ける。


『???はヒヨコ足……忍び足LV1を獲得した』


 おお、忍び足を手に入れたぞ。

 ……………って、あれ?何か今、神託が間違えたような気がしたけど………耳の錯覚かな?


※幻聴です。


 そうだよな、幻聴に違いない。まさか神様が間違えるはずもないし。


※リズムに合わせてうっかり間違えたりしません


 俺の想いを肯定するように、神眼で見える俺のステータスに増えたスキル欄の『忍び足LV1』の文字がピコピコ点滅していた。


 ふと思うのだが、俺は神託や神眼を使えるから、ダイレクトに神に方向性に導かれているように感じていたし、それに従おうと思っていた。

 だが、魔王討伐とかそういうのはどちらかというと王国に命じられて民が困っているから助けて欲しいとか言われて頑張っていた。


 だが、本当にそれでよかったのだろうか?

 何となく戦争に介入して魔王を倒すというのは神様の想いとは違う気がする。

 人類の為には仕方ないと割り切って戦っていた。

 実際、戦火の中では敵としてで無ければ仲良くなれそうな敵もいた。

 獣王国三勇士エミリオ。最初に出会った最も強い敵だ。俺と同じ真の勇者の称号を持つ猛者であった。

 そして獣王アルトリウス。俺がこれ以上の進軍を辞めさせるべく暴れているのを見て、互いに理解して、共に森に谷を作るような戦いをした猛者であった。


 俺以外にも神託や神眼スキルを持っている猛者もいたのだから、俺と似たような感覚だったかもしれない。

 実際、竜王とはまともに戦ってすらいなかったし、本気で竜王が戦っていたら俺は負けていただろう。竜王のステータスは全てにおいて俺の上だった。

 しかも吐息スキルはMP使用無しに連発可能な為、天変地異級の大魔法を連発する魔導師のような能力をも持っている。

 だが、そこでの戦いがあったからこそ、悪魔王が悪い奴だという裏付けにはなっていたのだが。竜王にしても皆が守るべきものを守る為に仕方なく悪魔王に従っていると理解できたから。


 獣人族達などは多くを殺してしまったが、話し合いで解決が出来たのではないかと思ってしまう。今となっては後の祭りだ………。


 ふっ、所詮、俺は悪い勇者だって事なのか。




 過去の事でグジグジと反省しつつも、どうにか外敵に出会わず森の中に流れる小さな川へとたどり着く。

 俺は空からの敵に襲われないように確認してからそそくさと森を抜けて川で体を洗う。

 そして喉の渇きを癒すように水を飲む。そして十分に喉を潤したら、プルプルと体を振って水を切ってから、早急に草木の生えた場所へと撤退する。

 どこから敵が現れるか分からないからな。


 俺はそんな事を思っていると、ズンズンと丁度入れ替わるように巨大な熊が現れた。

 遠い事と、この森のサイズが普通の森のサイズよりも大きいのか熊のサイズが妙に小さく見える。

 いまいち分からないが、少なくとも熊の大きさはヒヨコを一口に出来るだろう大きさの筈だし、遠近感がおかしいのだろう。どうもヒヨコは目が良くないというのもある。焦点が合ってないのだろうか?


 だが、アレはやばい。色からしてもレッドグリズリーの同格にあるダークグリズリーあたりだろうか。ダークグリズリーにしては色が灰色が白よりな気もするが危機感を感じる。


 そもそも、10歳の頃にレッドグリズリーの群に村を襲われて、命懸けで倒した事によって勇者になったのだ。

 レッドグリズリーの群れを倒した時に神託が聞こえ、1週間ほど生死の境をさまよう大怪我をしたのだが、目を覚ました時に神眼でステータスまで見えるようになったのだ。

 自分の称号に『真の勇者』というよく分からないものが刻まれていた事に驚いたものだ。


 それから5年して成人の儀の時に俺が勇者だと発覚した訳だが……、実は当時、レッドグリズリーに叩かれ過ぎて頭がおかしくなったのかと思っていた。


 さて、ヒヨコな俺は息を殺して熊が去って行くのを待つ。

 熊は水辺で水を飲み、森へと引き返していく。やがて熊の気配が去りホッと一安心する。


 MPはかなり少なくなっていたけど魔力感知や魔力操作のスキルが失われていないので魔物の探知はお手のものだったのだ。


 生まれ変わったばかりでうっかりを連発していたが、俺はこの手のスキルに優れており、斥候を必要としなかった程だ。

 とはいえ、まさかこのスキルは肉体が変わっても身についたままだとは思わなかった。

 もしかしたら魔力を感知したり使うだけなら肉体は別物でも問題ないのかもしれない。


 よくわからんけど。


 俺は川を下るように南へと再び移動を開始する。岩場に差し掛かり、川が滝になっていてそのまま川沿いに進むのは困難と考え、歩いて降りれる場所を探す。

 せめて空を飛べたらいいのだが、ヒヨコは空を飛べないのである。

 いや、もしかしたら飛べるかもしれない。飛ぼうとしてないだけで。


 俺はそう考えて飛んでみようと翼を羽ばたかせてみたが、飛べる雰囲気が無かった。

 走りながら翼をはためかせてピョンピョン飛んでみるがそれでも飛べそうにならなかった。やはり翼の大きさが足りないのだろうか?


「ピヨピヨピヨー!(アイ・キャン・フラーイ)」

 俺は思い切って渾身の力でジャンプをして翼を羽ばたかせるとふわりと体が宙に浮く感覚を得る。

 ちょっとだけ飛んだ!ちょっとだけ飛んだような気がした。行けるのか!?

 よし、着地したら、今度はもっとダッシュをして……


 俺はふと地面を見ると本当に宙に浮かんでいた。


 否、背後を見ると切り立った崖になっていた。


「ピヨピヨ。ピヨピッヨピヨヨピヨピヨピヨ。ピヨピヨピヨピヨ(なるほど。誤って崖に突っ込んだのか。納得納得》」


 俺は飛んだと思ったのが勘違いだった事を理解して頷くのだが、突如襲われるのは重力による落下感だった。


「ピヨオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!?」


 まさかのダイブである。この距離、普通に死ねるのかもしれない。

 だが、こんな所で、こんなアホな死に方をするわけにはいかない。

 俺は必至に翼をはためかす。バタバタバタバタとみっともなく藻掻く。


「ピヨヨピヨピヨヨーッ(死んでなるものかー)」

 勇者人生を振り返ってもこれ以上ない位必死に翼をばたつかせていた。だが、重力とは無情である。


 人間の頃程の落下感は薄いが、再び崖下にある森へと落下してしまうのだった。


 地面に落ちた俺は涙目である。よかった、泣けると言う事は生きているという事だ。

 鳥は軽いから、衝撃も少なかったようだ。何より森の木々が体にぶつかって、枝がたくさん折れて、クッションになったのが大きい。

 ぐったりしている間に神様の声が聞こえた気がしたので、神眼でステータスを見てみるとスキル欄に『離陸LV1』が出来ていて、何故か称号に『迂闊者』が存在していた。


 ………………


 神様に怒られた気分だった。たしかに迂闊だった。


 何故だろう、ヒヨコになってから本当に迂闊だ。

 何だか幼児退行でもしているかのようだ。

 まあ、ヒヨコになっているから幼児になっているのかもしれない。魂は体に引っ張られると言うが、見た目はヒヨコ、知能は大人な名探偵になってしまったのだろうか?


 ピヨピヨリ

 ………ん?何故に名探偵?


 結局、ダメージがきつかったので、俺はその日は草陰に隠れるようにして、睡眠をとり体を休ませることにするのだった。




***




 木々が高い為に朝日を感じにくいが、東の空が青み掛かっている頃に目を覚ます。目を覚ました原因はデスルースターの鳴き声が響いて慌てて起きたのが原因だが。

 ちなみにデスルースターとは文字通り死の鶏というモンスターの事だ。

 弱い魔物はコケコッコーの声を浴びせられると死ぬのである。恐ろしい魔物なのだ。

 まあ、今はヒヨコであるが俺には勇者になった際に得て、未だ継承されたまま存在する即死耐性LV10というスキルがある。

 さすがにそんなので死ぬことは無い。


 かくして俺は再度南へと向けて出発開始。木々の下や草影に隠れて、森の中をこそこそと歩きながら進むのだった。


 暫く忍び足で歩いて行くと、遠くの方から人の声が聞こえてくる。

 耳を澄ますと何やら複数の人間が走っているようで、何かを追いかけている様子だった。


 俺は様子を見ようと茂みの中から顔を出して声の聞こえる方向を見る。そこでは銀の甲冑に身を包んだいかつい2人の男が幼い少女を丁度捕まえた姿だった。

 あからさまに犯罪臭がする。


「逃がすか、このクソガキが!」

「ちょこまかと逃げやがって!ガキの分際で!」

「だ、誰か助けて。おかーさん、やだよ、ふえーん」

 泣き出す少女はまだ10歳にも満たないような子供だったが、さらにいたいけな少女に八つ当たりをするように鎧姿の男は拳で少女の顔を殴りつける。


「うるせえんだよ、このガキが」

「奴隷に売り飛ばされるんだから今のうちにしっかり躾けとかないとな」

「そりゃ、俺達の仕事じゃねえだろ、ギャハハハハ」


 どう見ても、どう聞いても犯罪臭がする。

 何があったのかは分からないが、あんな子供に罪がある筈もない。

 この地域の法律が何であろうと、二人の男がよってたかって小さな子供を捕まえて奴隷に売るなど許されない事だ。


 俺の中で怒りが沸き上がる。


 だが、今の俺はいたいけで無力なヒヨコだ。どう戦おうとしても人間の足元にも及ぶまい。

 というか、体格的にも足元にも及ぶまい。


 勇者の頃だったらあのような輩は聖剣を使うまでもなく素手で軽く倒せるのに。少女を助ける為に戦うのはあまりにも無謀過ぎる。


 ならば、あの少女を見捨てるのか?


 …………


 答えは否だ。


 立ち向かう相手の強弱で振る舞いを変えるようなら勇者なんてやっていなかった。

 困っている人がいるから立ち上がったのだ。そんな俺がどうして相手が強いと言うだけで戦いを避ける理由になるものか。

 少年時代、レッドグリズリーの群から村を守ろうと戦った時の方が今よりもよほど絶望的だったのだから。


 俺は気付けば茂みから飛び出して大きな人間に向かって走っていた。

 遠くにいた大きな人間達が徐々に近くに見えてくる。


 大きな……


 ん………んんん?………ええと………大きい?


 俺は鎧を付けた2人の男の顔面(、、)にドロップキックを決めると、二人同時に吹き飛んでいく。


 解放された少女はポカーンと俺を見上げて(、、、、)いた。

 何故か人間はヒヨコの足元(、、)に倒れていた。


「ピヨ、ピーヨ、ピヨピヨピヨ?ピヨピヨヨピヨピヨピヨヨピヨピヨピヨピヨピヨピヨ(って、いうか、俺でかくね?人間の大人と大きさが変わらないんですけど)」

 プリティでいたいけな小さなヒヨコだと思っていたのに、まさか人間と同じサイズのヒヨコだったとは驚きだ!

 むしろ、我ながらデカすぎて怖い!


 ここの森は大きかったから自分のサイズがよく分からなかった。

 蛇やカマキリのサイズがおかしかった事もその理解できない事を助長させていた。


 だが、まさかの巨大ヒヨコだったとは、これまたビックリ。

 倒したサーペントっぽい蛇もキラーマンティスっぽい蟷螂も子供サイズだったんじゃなくて、普通サイズだったのか!どうりでレベルアップが早いわけだ。


 ヒヨコは自分で分析していると、幼い子供が俺に駆け寄ってくる。

「ヒヨコさんだー」

 まるで帝都のテーマパークにいるマスコットを見つけた様な目で少女は俺にヒシッと抱き着く。

 ダメだ、少女よ。確かに俺には人間の記憶があるから安全だが、普通の巨大ヒヨコから見たら君はどう見ても捕食対象だよ。

 食べられちゃうから!中の人なんていないから!


 俺は少女の未来を案じてしまう。


「な、なんだ、この巨大な鳥は」

「………魔物の雛か?」


 よろよろと起き上がり鎧を付けた男達は俺を睨みつける。

 俺はどうしたものかと考えて相手を観察していると、男達は何故かニヤリと笑い、腰に差してある剣を抜く。


「これほど巨大な魔物の雛だ。きっと高値で売れるに違いないぜ」

従魔士(テイマー)だったら、何の魔物か分かるだろう。誤って殺すなよ」


 男達は走って俺を取り囲むように立ち剣を構える。

 俺は両目で両方の敵を見る。右目と左目で左右にいる相手を見る。ピントが合わずにぼやけてしまうが、距離感は音で分かる。


 意外と鳥って外敵に対して有効な能力があったんだな。


 俺は警戒している中、男達が同時に動き出す。互いに剣を振り上げて攻撃を仕掛けてくる。

「ピヨピヨッ!(なめるな!)」

 俺は少女を右の翼で抱きかかえつつ左側から来る男の剣を回避する。そして右側から来る男の懐に飛び込み、回し蹴りで頭を蹴ろうとする。

 だが、残念な事に足が短くて届かない。だが、相手の足には届いたので良いローキックになった。


「ぐうっ」


 ガクンと目の前の男の膝が落ちるが男は腰の入ってない状態でも剣を振り回してくる。


「ピヨヨッ」

 男の剣が俺の体をかすめる。避けれたと思ったのだが、体が思った以上に大きかった。体の感覚と大きさがまだ把握しきれてない感じだ。

 赤い血が飛び散るが、俺は痛みをこらえて体を捻る。回転の勢いを利用して前蹴りで剣を振り切っている敵を蹴り飛ばす。

 敵は10メートル位吹き飛んで地面を転がり木にぶつかってぐったり倒れる。

「ウェッジ!?おのれ、鳥の分際でよくも!」

「ピヨーッ」

 俺は上段から切り込んでくるもう一人の敵に対して、一気に加速して嘴で相手の右肩を貫き吹き飛ばす。敵はきりもみしながら吹き飛んで、地面に叩きつけられる。

 様子を見るがぐったりと動かなくなっているようだった。


「ピヨヨ、ピヨッピヨ(ヒヨコ、舐めんなよ)!」


 相手に聞き取れない啖呵を吐きつつ、右脇(?)に抱え込んだ少女を下ろしてあげてから一息つく。

「ヒヨコさん、すごーい」

 少女は猫耳をパタパタと動かしてから、俺へ憧れの目を向けていた。


 猫耳?


 よく見れば少女の頭には獣人族特有の猫耳が存在していたのだ。

 思えば俺の倒した獣王は虎人だった。脳筋であるがさっぱりした感じの男で、敵でなければ友達になれたかもしれない。勇者の俺も割と脳筋だったと自覚している。

 平和に暮らす獣人の民達を俺に託してこの世を去ったのだ。

 民を迫害されるようなことが無いように頼むと。


 託された本人が人間に殺されちゃったんだけど、彼らは前世の俺にとっての保護対象である。

 こっちの世界ではどういう位置づけか分からんが、せめてもの償いとして、ヒヨコの矜持に掛けて、いたいけな少女を守らねば。


 だが、最初に倒れた男はふらふらとしながら立ち上がり魔力を集めていた。


「よくもビッグスを。お、おのれぇ……魔物風情が………。王国騎士団たるこの私に歯向かうなど万死に値する」

 盗賊だと思っていたら王国騎士だとか言い出すし、しかも戦士だと思っていた男は腰から杖を抜いて火魔法を使おうとしていた。確かによく見ればアルブム王国騎士団の鎧に似ている。


 なんだかよく分からん連中である。ヒヨコは目が良くないので相手の甲冑の形もぼんやりだし、素性がよく分かりません。


 とはいえ、数多の魔法を使えるが、MPの低い俺では強力な攻撃魔法は使えないし防御魔法も困難だ。それでは火魔法の余波から少女を守れない。


 ふとそこで気付く。たしかにサーペント相手には全く効かなかったが、人間サイズならばアレが効くのではないかと。


「ピヨピヨピヨーッ(ファイアブレース)」


 俺は口から火の吐息(ファイアブレス)を吐く。火の玉が魔法を使おうとしていた男に直撃する。炎にくるまれた男は悲鳴を上げて転がりまわる。

 火が消えると仲間を抱えて走って逃げて行くのだった。どちらもボロボロだった。

 まあ、この辺にしておいてやろうじゃないか。


「ヒヨコさん、すごーい」

 猫耳少女は両手を上げてピョコピョコ飛んで感心していた。

 ふむ、そういえば獣王軍は魔物を使役したりしていた。


 こっちの世界でもそうならば、もしかしたら人間よりもこっち側の方が受け入れてもらえるのかもしれない。


「ピヨ」

 虚勢を張るようにグイッと胸を張ってみる。

 ちょっと体が切られて痛いけど死ぬことはないだろう。これ位なら回復すると思われる。ヒヨコの回復力がどんなものかは定かでは無いけど。


「あ、そーだ」

 すると猫耳少女は懐のポーチから草を取り出す。ポーションの素材になる一般的な魔力の含んでいる薬草である。

 少女はそれをグルグルと丸めて潰してから、俺の切り傷にペタリと張り付ける。


 これはありがたい。確かに薬草があった方が治りも早いだろう。

「ピヨ」

 感謝をするようにペコリとお辞儀をするのだが、少女は意味が分かっていないようだった。

「痛いの治ったー?」

「ピヨヨ」

 さすがにそんな簡単に治ったりはしないが。殺菌作用があるので傷が悪化する事もないだろう。



 それにしても、あの人間達は何だったのだろうか?

 まさか、盗賊みたいな言動なのに王国騎士団とか恐ろしい話だ。こっちの世界ではこれが標準なのだろうか?

 アルブム王国ならば、獣王国とは不干渉条約を俺が結んだのでこんなことはまずありえないだろう。奴隷売買する騎士とかこの世界は終わっているな。


 一体、この世界はどうなっているのだろうか?


 どちらにせよ真実は分からない。この猫耳少女に上手くついて行って獣人の村で情報とか聞けないだろうか?


 俺は目の前にいる猫耳少女に村に連れて行って貰おうと考えるのだった。

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