5話10年前パート4 ピンクのかわい子ちゃん、マジっすか?
「迷子ではありません。ねえ、可愛いお姉さん、王子サマがどちらにいらっしゃるかご存じないですか?」
珍しいピンクの髪に驚きながらも子どもらしく、首を傾けて小さく尋ねてみた。
見た感じでは私より少し年上。穏やかな表情。面倒みはよさそうだとすぐにピンときた。
正直、末っ子は甘えた上手。簡単に案内係りに任命できそうとほくそ笑んだ。
ホラホラ、ピンクさん。可愛い年下が困っていますよー、助けてくださいな。
「この国の王子なら、目の前にいる私ですよ。別の国の王子のことなら、今は滞在していませんね」
「は?」
目の前で微笑むピンクのかわい子ちゃんに目を向ける。
、、、、オウジ??
――オウジって女性の王族を指す言葉でしたっせ。そう、いつからかオウジはおひめさまのことなのですね、と、一瞬ですが、本気で信じました。
美しい花のようなピンク髪、優しい水色の瞳に、肌は私より白い、、、ですね。腹が立つわ。スキンケア何をしているのかしら。
「ん?」と、気遣う様子はやはり優しいお姉さまです。ただ、服装は男性貴族のそれだった。
、、、、ショックです。
(睫毛長い、薔薇色の頬、ナンだコレ、剣とか弓とか斧は、できないわけです。本人がよくても周りが許しません!私もできれば許しません!)
こんな美少女を鍛えるのは勿体ないと、皆様そう考えたんですね。ヘタに筋肉質にレッカされたら、指導された方が抹殺されますよ。
あー、ららら。どーしましょうか。