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3話 10年前、パート2 待合室で待ちます。それはアタリマエ

 

 5歳の私は父様と一緒に魔力鑑定のため、魔術師団があるお城に来まさした。

 正直どこもかしこもキラキラピカピカしていておっかなびっくりでしたわ。鑑定の用事を伝えると、すぐに少し質素な部屋に案内されたけれど、ビクビクしていましたわ。


 「フィリア、父は魔術師カールに挨拶してくるからこの部屋で待っているんだよ。誰かきてもついていかないこと!」


 「ハイお父様。初めて来たお城なのに、迷うのを分かっていてフラフラするわけないわ。警備が万全な場所で誘拐はムボーですよ」


 小さな子じゃあるまいし?と呆れた目で見れば、父はぐっとつまっている。


 「フィリアの瞳は7色に変化する。そして珍しい黒髪だ。あと、とびきり可愛いいときたら、よからぬことを考える人間がいるに決まっているとも」


 「お城の中でも?」  

 じっと見つめると、自分とは異なる変化しない青い瞳がフッとそらされた。


 「城の中でもだ。特に今、ただ一人の王子は、魔力が弱い。魔力の強い嫁候補を探すだろうからな。まあ、まだ7歳だから考えすぎかもしれんが、とにかく姿をみせないように用心しよう」


 トンでも情報にびっくりです。魔力の弱い王子に国が守れるのかしら。まあ、まだ王子は7歳だから他のブンヤで頑張ればいいわよね。剣とか弓とか斧とか使えばよいですわ。


色々思案している娘を父が呆れた目でみていた。


 (兄姉たちとくっついているからか?それにしてはませすぎじゃないか?5歳の顔じゃないぞ、わが娘よ)


 そんなこんなで待合室を出た父と時間を置かずにフィリアも待合室を出た。フラフラするわけではない。フィリアにはちゃんとした大義名分があった。


 魔力の弱い王子に同情したのだ。好きでもない女と結婚するより、剣、弓、斧の扱いの鍛練をすればよろしいわ!世の中魔力が全てじゃないわ!と、伝えるために、王子の部屋を目指した。


 その瞳の色は黒。シャドウの魔法が発動していた。



※シャドウの特徴のひとつは他者からは陰のように見えるため、気づかれずに歩ける隠密スキルです。他者の陰に入り込むこともできます。消えワザ発動!

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