表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

爆縮と体温の機知(2)

無情の木

登るように落ちる葉が

風で斜めになる

一日の儚さが

一枚の回転に押し込められ

裏表に筋が見えた後

土になる為に

そっと到着し

記憶が干からびるように

消えていく

振り返れば

茶色に見えるのは

いや

茶色だけに見えないのは

きっと

その所為である


あの変色部分で

何かありましたね

そう言ってくれるのは

影だけで

どんなに愛情があろうと

他人が気づくことは無い

当人と同じでは無い

何かのピースを

見つけることはあっても

だから

あなたが忘れたら

誰も分からなくなる

人は独りだという形は

それを指しているだけであって

表面側を見て

言っている訳ではない

決して表に出さない部分を

一人の時に考えるような話だ

それが燃料になっている

絶やさないことだ


他人にピースを見つけられ

どの形にしようか

見当もつかない人は

偶に居る

独りでしか戦えない

アナザーワールドで戦って

疲弊していく人も居る

全てを予想の時間に使って

意味があるのか

なんて

自分からの指摘すら素通りし

のめり込んでは

病院のベッドの上で

天井を見つめる人も居る


他人を考える時には

他人が居なければ始まらない

確かなことは言えない

ズラズラと並べて

予想はしない

なるべく避けようとする

そう考えているからか

自分を考えた時には

自分は常に在るから

死ぬまで続くことのように

思ってしまうのだろう

それに疲れてしまった人は

道を選ぶ

他生物に心酔するか

他人の為に何かをするか

他人の所為に何かをするか

自分の時間を止めるか

単純明解な答えを出し

考えることを拒絶するし

考えなくても済む方法を選ぶ

悲しいかな

行動には結果がやって来る


ベッドの上で仰向けになり

年老いて弱くなった身体で

窓から見える空ばかりを見る

数日で飽きる行為

一月に一回の見舞い

三カ月に一回

半年に一回

一年に一回

見舞いというより様子見になり

生き物を

観察するかのようでありながら

目的は違うことだったりする

もう、やることは

振り返ることしか無い

読書、音楽も満足に出来ない

催し物は月に一回か、週に一回

そんな中であれば

人は出来ることしか

やらなくなるのだろう

その時に

若き日の結論と対面する

影から突き付けられるのだ

どうするのだろう

時間は、もう

冬の木のようである




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ