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負け組皇子の大逆転  作者: 近藤パーリー
魔物達の章~魔王の呼び声~
16/18

術中編

 ガイスト達が転生した乙女ゲーム[レジェンド・オブ・モニュメント]の世界において、女性オーガであるオーグレスは極端に産まれ難く、その数は男であるオーガと比べてかなり少ない。

 その割合は、オーガ約二十人程に対してオーグレスが一人。一方、オーガ以外の魔物達の男女比は、単為生殖出来る特殊な魔物を除いて約半々。

 それ故に、大多数のオーガはオーグレス以外の魔物から伴侶を見付けて子を成さなければならない。

 そういった事情から、ゴツい体躯を持つ剛力種族の中において、オーガのみが剛腕ながらも細マッチョで女性を魅了するイケメンへと進化した。


 また、脳筋で粗暴な魔物が多い剛力種族の中においても、オーガの元々の自我や性格は、気は優しくて力持ち、家族思いで仲間思い。

 オーガが(オーガ)たる残虐な本性を現す時は、身内を守る、若しくは完全に相手を敵認定した時のみ。

 これも、より色々な種族の女性や子供に好まれ、且つ大切な家族を守れるよう進化した結果なのだ。


 反面、オーグレスの元々の自我や性格はレダのように、()れ無く気が強く感情的で怒りっぽい。しかも、その中には加虐趣味を持つドSな者も存在する。

 実際、バギが壊滅させた犯罪組織の中には、女ボスとして君臨していたオーグレスも居た程だ。


 何故オーグレスはオーガと違い狂暴なのか。その主な理由は大きく分けて二つ有る。

 先ず、オーグレスは数が少ないからこそ、子孫繁栄の為にナイスバディでダイナマイトヒップの美人へと進化した。

 すると、美人故に他種族の男から力でもって襲われ易くもなる。要は、変な(やから)から己の身を守る為に狂暴化したというわけだ。幾ら子孫繁栄と言えど、女性の方にも異性の好みが有るのだから。

 そして、いざ、オーグレスが自分好みの男性に出会ったとする。すると、子孫繁栄と野生の本能が働き、速攻で無理矢理物理的な力ずくで自分の伴侶としてしまう。分かり易く言うと、逆レ○プだ。

 更には、目当ての男性を手に入れたとしても、他のオーグレスに奪われまいとして、やはり力ずくで囲い混む。

 つまり、狙った(獲物)を逃がさない為に狂暴化したのだ。しかも、オーグレスのその性欲たるや、オーガの数倍だとも言われている。剛力種族の見本とも言える脳筋ぶりである。

 まさに、(オーガ)とは真逆に、且つ原始的に進化してしまったと言えるだろう。


 これだけ聞くと、惚れられた相手はたまったものではないように思える。しかし、一部のドSを除き、基本的にオーグレスには恋に恋する乙女が多い。また、強過ぎる性欲から美しさに磨きが掛かる若い内に伴侶を見付け、生涯夫に一途な良妻賢母となる者も多い。但し、浮気等といった逆鱗に触れてしまうと一転して……

 以上の事から、後にガイストはルンを指して“鬼女(オーグレス)”……ではなく、“(オーガ)嫁”と呼ぶようになる。


 魔王夫婦の件はさておき、ゲーム公式裏設定では、本来RPGにおいて筋肉達磨の筈のオーガが、何故この世界ではイケメンなのかの理由をこのように解説している。

 かなり強引と言わざるえないが、この世界はストーリーを捩じ曲げない限り、キャラクター達は皆設定に忠実である。それに伴い、モブキャラとしても登場しないオーグレスが何故この世界では美人なのかという理由には、このような進化の過程が有ったのだ。

 更に付け加えると、元々オーガは妖精種族だったが、狡猾で攻撃的な人間と敵対するようになり、剛力種族へと鞍替えしたとも裏設定で説明が為されている。


 さて、何度も説明しているが、この乙女ゲームには、ラスボスの定番とされる魔王なるものが登場しない。

 その代わり、無限の資源へと至る予言の石碑の間、大聖堂での最後のボスキャラとして、イケメンオーガであるシュドウが現れる。

 他の魔物達と同じく、人間を憎めとインプットされているので、人間(プレイヤー)側に対して一欠片の慈悲を持たない最強の攻撃力を持つ魔物として登場するのだ。


 そう、実質的に、シュドウがラスボスと言っても過言ではない。


 最後の門番たるシュドウを倒すと扉が開き、その先に広がる無限の資源へと到着すると、最後のイベントとしてガイスト皇帝が“解放”の力に目覚める。

 それに呼応して、全ての魔物から魔王ゲイザー最後の命令が取り除かれる。そこで、ルートのフラグが立っていれば、息を吹き替えしたシュドウが、駆け寄った聖女、即ちヒロインに一目惚れしてしまうというご都合主義が繰り広げられる。


 何にせよ、乙女ゲーム本来の設定では、物理的な攻撃力でシュドウに勝る魔物は存在しない。

 最強のオーガであり、腕に覚えのある剛力種族のリーダー。


 それが、テンロウ族の英雄、シュドウなのだ。






 ~~~~~~~~~~






 最強のオーガである筈のシュドウが、ガイストの全身から発散される圧倒的な威圧感に、思わず一歩二歩と後ずさってしまった。

 今までの魔王の力による通信でも、このような表情へと変貌したガイストなど誰も見た事が無かった。

 それでも、戦闘種族であるオーガの本能からなのか、無意識に利き腕に力が入り、拳を作って振りかぶろうとする。

 それに逸早く気付いたズールが護衛としての任を果たす為、リアクションを起こそうとする。

 その時、シュドウの行動を察したガイストが一言。


「おいおい、良いのかよ?」


 心の中でシュドウは歓喜した。怯んだせいでワンテンポ遅れたが、そんな台詞など吐かずに魔王の力を使い、この一瞬で俺を殺せば良いものを。次に自殺命令を出そうとも、振り抜いた拳の惰性で頭を砕いてやる。そう思ったからだ。

 だが、次に放たれた言葉は、拳の惰性どころかシュドウの全てを打ち消してしまった。


(つの)生やしたイケメンのあんちゃん」


 またもや聞き覚えのある一言を耳にして、殺意を込めた拳が止まり、霧に変化しようとしていたズールも固まってしまった。


「さて、俺は()()でしょ~か?」


 続けざまの質問で、拳だけでなく全身が軽い金縛りへと陥ってしまう。と同時に、魔王の力によるガイストの声がリットとズールだけに聞こえた。


『絶対に手を出すな』と。


 ガイストは己の手腕のみでシュドウを屈伏させようとしていたのだ。

 その自信を正銘するかのように、グレン等人間の仲間達は、一触即発の状況をひたすらニヤニヤしながら面白そうに眺めているだけで、全く危機感が感じられない。口から魂が抜け掛けているルンやエメルダの侍女達を除いて。


「何だぁ? テメーのその物言いと態度、それに、その拳はよー。()に向かって喧嘩売ってんだ、あぁん?」


 完全にチンピラ丸出しではあるが、ここから悪魔と化したガイストの反撃が開始される。


「さ~あ、どうする? ()が俺ならば良し、馬鹿な魔王とその一味が人知れず世界の中心地で嬲り殺しになるだけだ。だが、もし、()()()()じゃなく影武者、例えばドッペルゲンガーだったとしたら……」


 シュドウが殴り殺そうとした目の前の男は、暗に自分の正体はガイストではなくバギかも知れないと言っていた。

 確かにバギならば、ガイスト一行が旧ゾルメディア王都へ辿り着くまでに影隠密(シャドーシーク)を用いて幾らでも会いに行ける。また、擬態や変身(トランスフォーム)を用いてガイスト本人と掏り替わる事も出来る。

 それだと、旧王都までの道中、玉砕覚悟の魔物に襲われるもしれない状況下で安全な船旅を選ばず、世界の中心地観光に興じていたのも納得出来るし、今までの挑発的な態度の説明も付く。

 寧ろ、観光好きで風来坊なところや、その言動から察するに、目の前の男は魔物達が知るバギそのものだった。

 それもその筈、バギのオリジナルはガイストなのだから。


 一気に魔王の術中に嵌まってしまったシュドウ。しかも、後に続く台詞は、戦慄どころではなく、今まで味わった事の無い血も凍るような恐怖を覚えるに十文過ぎた。


「テメーがその拳を()に叩き込んだ瞬間、()()が剛力種族を皆殺しにするぞ?」


 シュドウの全身の毛穴が開き、全ての汗腺から汗が吹き出してくる。しかし、本当の恐怖はこれからだった。


「皆殺しっつっても、漏れ無く自殺しろなんて誰もが思い付く緩い命令するとは思うなよ。剛力種族全員でバトルロイヤル、皆で仲良く殺し合いをしてもらう」

「なっ!?」

「そんで、最後の生き残りへの引導をテメーがくれてやるんだよ」


 負の本性からなのか、魔王たる絶対的支配者としての矜持からなのか。基本、憎い敵は物理的な力でもって捩じ伏せるというオーガからすれば考えの及ばない残酷な発想だ。

 然るに、魔界と化したガイストの追撃はまだ終わらない。


「だもんで、テメーだけはバトルロイヤルに参加するな。序でに、テメーだけは人間を殺しても自殺しなくて良い。逆に自殺なんか絶対に許さない」


 この瞬間、シュドウのみ自殺命令が解除された。


「どうだ、これで心置き無く、俺に拳を叩き込めるだろ?」


 確かに、自殺命令が解除されたのだから、目の前の男に必殺の拳を叩き込んだとしても何の問題も無くなった。だが、そんなものは所詮建前に過ぎない。

 殴った相手がガイスト本人では無かった。つまりバギだった場合、何処かに隠れて一部始終を眺めているであろう本物のガイストが、剛力種族の魔物全員に向かって殺し合えという命令を下すからだ。

 そうなると、当然今この周辺に集っている剛力種族が殺し合いを始め、一気に場はパニックへと陥る。

 そのまま世界の中心地内の至る所でも血で血を洗う殺し合いが繰り広げられる。

 それだけでは終わらない。最終的には、剛力種族のリーダーであるシュドウが、生き残りを直々に抹殺するのだ。更に、自殺する事も出来ないシュドウには、仲間の死に絶えた世界で生き恥を晒せ、死ぬまで生き地獄を味わえとも言っている。

 自分を信じて付き従ってくれた者達を守る為ならば、魔王ガイストは徹底的に冷酷且つ残虐だった。自殺命令など生温いと思える程、見せしめにも容赦が無い。


 正しく、現状において剛力種族の命運はシュドウの拳に委ねられた。


 まんまと罠に嵌められたと気付くがもう遅い。振り抜こうとした拳は行方を見失い、シュドウの全身が小刻みに震え出す。


「剛力種族か何か知らねえけど、今まで優しくしてやってたら付け上がりがって。俺を舐めるのも大概にしろよ」


 権謀術数魑魅魍魎渦巻く皇宮内を生き抜いてきたガイストにしてみれば、多少知恵が回ると言えども魔物達の力まかせの行動を事前に読むなど造作もなかった。

 警戒していたとはいえ、自分の見通しの甘さを今更ながら後悔するしかないシュドウ。


「ひ……卑怯な」

「卑怯? ならテメーは何の武器も防具も道具も持たず、何の準備もしないで、何の作戦も立てずに単身でドラゴンやアンデットの群れと戦えるのか?」

「くっ……くう……」

「少なくとも、俺は丸腰で猛獣の前に立つなんて狂った真似はしねえ。それに、テメーも俺がひ弱な人間だと最初から高を括って頭を吹き飛ばそうとしてたじゃねぇか」

「うっ…………それでも……ゲイザー様は……これ程の非道な真似はしなかった」

「ゲイザーはそうだったかもな。でも俺はゲイザーじゃねぇ。それに、テメーは俺を殺した後、手下を使って俺の仲間達を嬲り殺そうとはしなかったのか?」

「それは……人間は信用出来ない……駆逐する事こそが最善だ……」

「おお、変なところで気が合うな。俺も、敵は甚振りながら駆逐するのが最善だと思ってんだ。ゲイザーも全世界の魔物っていう圧倒的戦力で人間を甚振りながら旧王都を奪ったんだろ?」

「……貴様とゲイザー様を一緒にするな……ゲイザー様は愚兄に陥れられ仕方無く……」

「なら俺も今まさにテメーに殺されようとしている。ゲイザーと同じく形振り構っていられねぇよな?」

「……殺るんなら……俺一人を殺れ……」

「何言ってんだ? 無能な上官を持つと、戦場では真っ先に有能な部下から死んでいくんだぜ。馬鹿なテメーの身から出たサバだ、諦めろ」

「俺を生かしておくと……後悔するぞ」

「後悔なんてこの世界に()()()()()()()腐る程してる。妹にも散々世話になったしな。今更雑魚一匹分の後悔が上乗せされても毛ほども感じねぇよ」

「……絶対に殺してやる……」

「もうちょっとマシな脅し文句言えねぇのか? 耳に(クラーケン)が出来る程聞いた台詞だぜ。俺は今までに何度暗殺者(アサシン)に狙われたと思ってんだ?」

「人間の……殺し屋風情などと一緒にするな」

「そうだな。暗殺者(アサシン)は馬鹿正直に真正面から襲ってこねぇし、力だけのゴリ押しもしなかった。もっと創意工夫を凝らしてたからスリルが有って中々楽しめたぜ。テメーと違ってな」

「どんな手を使っても(ころ)……」

「その台詞も聞き飽きた。因みに、毒なんてものは、俺にとっちゃあ宮廷料理で日常的に使われる調味料(スパイス)みたいなもんだったな」


 何を言っても通用しない。苦し紛れの脅迫や威嚇も全て空回り。逆にガイストの屁理屈が冴え渡る。とは言え、この場では両者共に舌戦での駆け引きなど何の意味も持たない。殺るか殺られるかが全て。

 嫌らしい笑いを伴った魔王ガイストが本性を剥き出しにする。


「ケッケッケ、俺はこう見えて気は長い方だけど、テメーに残されたシンキングタイムは少ねえぞ」


 小刻みを通り越し、音が聞こえそうな程ガタガタと震えるシュドウの足は、もう立っているのもやっとの状態。一秒が那由多にも感じられる状況の中、思考はめまぐるしく回転する。

 ただ、都合の良い現実的な回答は決して弾き出されない。幾ら考えても頭に思い描かれるのは、剛力種族だった魔物達の屍の山。ミジィの忠告を、もっと注意深く聞き入れていればと恨むばかり。

 こんなものは二者択一では無い。殴り殺されるかも知れないというのに、正気でない笑みを浮かべている男を見れば答は一目瞭然。

 目の前の男はガイスト本人。ただのハッタリだとする可能性は限り無く0%に近いからだ。

 もし本人ならば、今シュドウが迷っている間にでも剛力種族を皆殺しにしようと思えば幾らでも出来る。なにより、ガイスト本人だとバレる前に、自分を殺そうとするシュドウを真っ先に殺す筈。自殺命令の解除など絶対に有り得ない。

 ならば答えは一つ、目の前の男は偽者。あえて攻撃を誘い、偽者だと判明した後、シュドウを絶望させてから剛力種族を皆殺しにしようという算段である可能性が高い。


 ガイストの姿をした男より発せられる威圧感はどんどんと巨大になる。反対にシュドウより発せられていた当初の殺気は見る影も無くなっている。どちらが人間でどちらがオーガかも分からない程に。

 目の前の男は完全に場を支配している。余りの恐ろしさと重圧(プレッシャー)で、オーガ特有の発達した犬歯がガチガチと音を鳴らす。


 どんなに迷っても現状を打開出来る策は訪れず、満身創痍のまま遂にタイムリミットが訪れる。最早誰の目から見てもシュドウの全身の震えは隠せなかった。

 餓えた口元がより一層釣り上がり、狂喜を宿したガイストが吼える。


「さあ、決めろ! 俺を殺すか俺に服従するか! 但し、判断を誤ればテメーが望んだ通りの破滅をくれてやるぜ!!」


 直後、許容を越えた緊張に耐えられなくなったシュドウは脱力し、膝から崩れ落ちた。

 汗まみれで四つん這いになり、過呼吸のように幾度も息を吐いては吸うを繰り返す。全身から湧き出た汗がレッドカーペットへと滴り落ちる。


 遠目で二人のやり取りを眺めていた魔物達も、有り得ない光景に驚愕した。

 最強のオーガが、ラスボスが、人間相手に怯んでしまった。それどころか、その後も棒立ち状態で震えながら結局何も出来ずに地へと伏せてしまったからだ。

 しかも、シュドウが怯んだのはガイストが俯いていた顔を上げた直後。


 その時、魔物達には、ガイストが()()()()()使()()()()()ようには見えなかった。


 実際は、リットとズールだけに使っていたのだが、それもガイストが魔王の力の汎用性を魔物達に気付かせないよう仕組んでいた事が功を奏していた。


 シュドウの強さとリーダーたる統率力は、魔物達にしてみれば周知の事実。だからこそ、脳筋の剛力種族と言えど容易に推測出来た。


 魔王が目に見えない何かを仕掛けたのだと。


 予想外の展開に周りがざわめく。四つん這い姿のシュドウは誰が見ても敗者そのもの。

 シュドウ自身も漸く海の底から海上へと顔を出せたかのように息も荒く何も考えられなくなっていた。


 --だが


「なんてね」


 不思議な言葉を耳にして、シュドウの思考は更に迷走する。暫く瞳を泳がせ、ゆっくりと顔を上げる。

 そこには、当初と同じくヘラヘラとした笑みを浮かべてる男が、伏したオーガを眺めているだけ。地獄の番犬(ケルベロス)を体現したかのような表情はもう無かった。

 呆然と上を向くだけの相手に対して、ガイストは何時もの調子に戻っていた。


「俺は本物だよ」


 すると、自分の髪の毛を一本抜き、炎の魔法で燃やしたのだ。

 何の事だか分からないでいるシュドウへと説明が為される。


「ドッペルゲンガーは例え変身(トランスフォーム)しても、髪の先から爪の先まで一個の体であり全身だ。だから、何処の毛だろうが、どんなに引っ張っても一本すら抜けねぇし、魔法も通じねぇから燃えもしねぇ」


 例え何に擬態や変身(トランスフォーム)したとしても、ドッペルゲンガー変身後の毛は絶対に抜けないし、ましてや毛に限らず体のどの部分だろうが燃えない。

 それは、ガイストが説明したと同じく、登頂部に生えている髪の毛の先から足の爪の先までが不死身である一つの(かたまり)であり影だからだ。


「一番分かり易く俺が人間だと証明するには、体のどっかしらを傷付けて血を見せれば良いんだけど、テメー如きに俺の血は勿体ねえ」


 確かに、ドッペルゲンガーは不死身故に傷付けられないから、当然血も流れない。


 シュドウの思考がゆっくりと覚醒してくる。本物だと名乗ったガイストの言葉も理解してくる。全てを理解すると、ふつふつと怒りが湧いて来た。


 そう、自分(シュドウ)は初めから虚仮(こけ)にされていたのだ。


 その事実に行き着き全身の血が沸騰する。と同時に、今からでも殺れると頭を過るが、シュドウの怒りを察したガイストが先手を打つ。


「テメー、これだけやられてもまだ学習しねぇのか? ネタバラシした俺が、ボケーっと素面(しらふ)でつっ立ってるだけだとまだ本気で思ってんのか?」


 忠告された途端、急激に頭が冷めていく。そうだ、今の今まで自分は魔王の術中に嵌まっていた。魔王の力を使わずとも自分を恐怖のどん底にまで突き落としていた。

 ならば、この男がまだ平気で自分の前に立っている事の方が不自然。何かしらの策を用意していても可笑しくない。

 考えを巡らせたシュドウは、素早く立ち上がり、今度はガイストとの間に必要以上の間合いを取る。


「そうそう、それで良いんだよ」


 そうは言われても、今更此方から何を言って良いのか分からない。

 それに、今の状況ではガイストに皆殺し命令を発信する余裕を与えてしまっている。シュドウは完全に手詰まりになってしまった。

 打つ手が見当たらず、ひたすら相手を睨むだけしか出来ずにいると、ガイストの方から声が掛かる。


「テメー、俺を殺したいんだろ?」


 返事も出来ず、首を縦にも横にも振れない。


「なら、ラストチャンスをくれてやるぜ」


 その言葉を待っていたかのように、離れた後方でずっとニヤ付いていたグレンが歩いて来る。

 手には、自身の腰にぶら下げている剣とは別に、特殊な形状の細長い剣を持っている。


「あいよ~、ガイスト様」


 剣を受け取ったガイストは、そのまま剣を握る拳をシュドウへと突き出す。


「今この場でテメーと勝負してやるよ」


 当然の宣戦布告にもシュドウは大した反応を示さない。発言の真意を図り兼ねているのだ。

 けれども、ガイストの方は一方的に捲し立てる。


「但し、テメーは一人で此方は俺と相棒との二人掛かりだ。二人掛かりを卑怯だと思わば思え。けど、此方側はテメー以外の魔物には一切危害は加えねぇし、戦いの間だけなら此方側の誰がテメーに殺されようとも文句を言わねぇ。俺も魔王の力を一切使わねぇよ」


 シュドウにとっては破格の申し出ではあるが、おいそれと鵜呑みには出来ない。それに、色々と疑問が残る。

 じっくりと間を溜めて、その辺りを問い質す。


「…………二人共殺せば俺の勝ちか?」

「いいや。テメーは俺一人を殺したら勝ちだ。例え俺以外を殺そうともテメーの勝ちにはならない。戦いは続行される。安心しろ、相棒が殺された後、もう一人追加なんて言わねぇよ。それに、俺を殺した方が魔王の力での報復も無ぇから安心だろ」


 隣に立つグレンをニヤリと一瞥するガイスト。グレンもニヤニヤしたままタイミング良く目線を合わせる。どうやらガイストの相棒とはグレンようだ。

 シュドウはグレンの事も知っていた。ガイストの右腕とも呼ばれている青年。世界の中心地での騎士団や憲兵隊の設立、役割や任務等を魔物達へ教授したのが彼だったからだ。

 改めて情報を整理したシュドウは、質問を続ける。


「…………俺が死ねば貴様等の勝ちか?」

「それも違う」


 ガイストは何時もの不適な笑みを見せた。


「テメーの(つの)を一本でもぶった切れば、俺達の勝ちだ」


 冷静ではあったが、シュドウの中で静かな殺気が再び沸き起こる。


 オーガにとって角とは力の象徴であり、大切な角を掛ける場面は人生のターニングポイントとなる。

 一番顕著な場面は、自分が見初めた相手へプロポーズする時だ。乙女ゲームにおいてもシュドウエンドでは、ヒロインに角を差し出す場面が描かれている。ハーレムエンドでもシュドウの角はキッチリと片方欠けて描かれている。

 だが、乙女ゲームには描かれない、オーガという種族ならでわの場面も存在する。

 それこそが、相対するオーガが己の全てを掛けてお互いの角を奪い合う勝負。


 通称“角取り”


 角取りは他の剛力種族の魔物達でさえ震え上がる程の過酷な勝負。

 ルールは至って単純。武器を持たず己の肉体のみを駆使して相手オーガから一本でも角を奪えば勝ち。その勝負は数日にも及ぶ事もある。

 しかも、自身の肉体のみで出来る範囲内なら、勝負開始と同時に何をしても良い。それこそ、騙し討ちしようとも、寝込みを襲おうとも、ガイストのように人質を取ろうとも。

 但し、どんな卑怯で残忍な手を使おうと、角を奪った時点から一週間は相手が生きていなければならない。要は相手がどんな重傷を負おうが一週間は死なせてはいけないのだ。

 しかし、その期間中生かせるならば、角を奪う前に相手を甚振り拷問に掛けても構わない。だが、万が一、相手を殺してしまった場合は、殺した方も皆からリンチを受け撲殺されて結局勝負はドローとなる。

 角を奪われたオーガが一週間経ってもまだ生きていたら、怨恨を全て水に流すという儀式をした後、敗者は勝者に対して絶対服従となる。

 因みに、オーガの角は無くなってもまた後から生えてくる。


 何故、ガイストがこの勝負を仕掛けてきたのか。


 それは、シュドウこそが、角取りの絶対王者だからだ。


 ガイストは反ガイスト派であるオーガ達から舐められていたので、よく冗談半分で角取り勝負をけしかけられていた。

 ルール等やシュドウが負け無しである事も簡単に教えてくれたので、今回剛力種族の魔物達を纏めて屈伏させるために利用したのだ。

 角取りは、名目上戦いに破れたオーガのみが勝者へ絶対服従となっているが、実質上は負けた側のオーガ民族全員が勝者側のオーガ民族へ絶対服従となる。

 故に、シュドウはテンロウ族の英雄、且つリーダーであり、テンロウ族が全オーガ民族、延いては剛力種族の頂点に君臨しているのだ。

 もし、ガイストが角取りでシュドウに勝ってしまったら、テンロウ族のみならず、傘下の剛力種族全てをガイストがもぎ取る事となる。総取りと言って過言ではないだろう。


「ヘイ、どうするよ? テメーの得意な角取りだぜ。つっても、此方は二人掛かりで(得物)も持ってる。でも、角取りってのは、卑怯上等なんだろ? しかも今回はルール上、俺を殺せるから千載一遇のチャンスでもあるぜ? こんなお得な話、そうそう無いんじゃな~い」

「…………貴様が勝負の最中に魔王の力を使わないとも限らん。信用に値せんな」


 心は殺気立っていても頭で冷静に対処する。ガイストの術中に嵌まった事でシュドウは一回り以上用心深くなった。

 だが、それすらもガイストの術中だった。


「おいおい、剛力種族のリーダー名乗ってるくせに人間相手に何ビビッてんだよ。それに」

「…………?」

「この会話、「勝負してやるよ」辺りから全ての魔物が聞いてるぜ」

「!?」


 途端に辺りから大歓声が巻き起こった。

 シュドウが対決に了承していないにも関わらず、気の早い脳筋な魔物達がガイストとの角取り勝負に興奮して騒ぎ出したのだ。

 ガイストの狙いは最初からこの状況を作り出す事だと漸く悟るシュドウ。


 変則的なルールであろうが、武器を持とうが、普通に考えれば人間二人程度が相手なら、全くオーガの敵にはならない。

 ただでさえ魔物達の中でトップクラスの戦闘力を誇るオーガ。同じ剛力種族の魔物でさえ、オーガ一人に対して三人以上で挑んでこそ勝機が見える。人間ならば屈強な騎士や魔法使い五人以上で挑んで漸く互角。

 加えて、オーガの角は鉄並みに固い。いざ、普通に切ろうとしても下手な武器など跳ね返してしまう。

 それに、相手は角取り無敗のシュドウ。何処からどう見ても、どんな卑怯な手を使おうとも、ガイストチームの勝てる要素は見当たらない。だからこその勝利を確信した魔物達の大歓声だった。


 そんな甘い考えが通じる魔王(ガイスト)ではないのに。


 ただ、そうと分かっていてももう逃げられない。ガイストは魔王の力を使わないと明言してしまった。もし、これだけの衆人観衆の前で約束を違えれば、剛力種族だけでなく全ての魔物の信頼は無に帰すだろう。

 表面上、シュドウに有利な条件とルールが提示されているのだ。寧ろ勝負を受けないとシュドウの方が魔物達から腰抜け呼ばわりされた上、最悪剛力種族のリーダーとは認められなくなる。

 ガイストが自分を追い込んだからこそ、シュドウも勝負を受けねばならない状況へと追い込まれた。

 全て計算ずくのガイストは、フンと鼻を鳴らしてシュドウに向けた風を装い、魔物達を挑発する。


「さあ、どうするよ? これだけ譲歩されてまだ俺が恐いってんなら、とっとと(うち)に帰ってママのおっぱいでも吸ってな」


 ハリウッド映画のような台詞でより一層激しく魔物達の理性の鎖が切れ掛かった。

 いや、もう切れていると言っても過言ではない。完全に見下していた人間にまたもや馬鹿にされ、辺りは脳筋な魔物達の怒声ばかりになっている。

 シュドウとしても現状を穏便に収めるには最早勝負せざるを得ないと分かっている。しかし、相手は口三味線だけで自分を震え上がらせた魔王ガイスト。

 あくまで冷静に、周りの喧騒には流されず念には念を入れ、最後の駆け引きを仕掛ける。


「……色々ともう一度確認したい。それに、この確認の会話も魔物達へ聞かせろ」

「フフン、言われなくてもそうしてるぜ」


 一応、本当に聞こえているかを確かめる為に、先ずは振り向きミジィに確認を求める。ミジィは軽く首を縦に振り反応する。

 次に、遠くでシュドウを見守っている魔物の騎士へと顔を移す。彼はシュドウが信用する同じテンロウ族のオーガだ。彼も首を縦に振った。

 どうやら、本当に全ての魔物へ二人の会話が聞こえているようだ。


 何故、全ての魔物へ再度会話を聞かせるのか。今度は、シュドウの方がガイストを罠に嵌めようと画策していたからだ。

 その布石としてのルール確認だった。


「よし、ならば改めて聞くぞ」

「おうよ」

「貴様は勝負の間、魔王の力を一切使わず、俺以外の魔物には一切の危害を加えないんだな?」

「イエス」

「逆に俺は貴様の()()に危害を加えても卑怯な手を使っても構わないんだな?」

「そうだな。それこそが角取りなんだろ?」


 最後に、布石を確実なモノとする為の重要な確認をする。


「変則的なルールで変更になった点以外は、元々の角取りのルールのままで良いのか?」

「上等上等。ルールに抵触しないなら何でも有りの真剣勝負。逆にテメーの方こそ納得すんのかよ?」

「……ああ、認めてやる。だが、それは貴様も同じ筈だ」

「まあな、ハッキリと断言してやる。最初から最後まで、俺がこの場で言った事には二言は無ぇ!」

「…………よかろう……勝負を受けてやる」


 了承と同時に地響きのような歓声が起こった。様々な声援を受ける両者。

 ガイストはシュドウへと突き出している剣の鞘をもう片方の手で掴み、そのまま引き抜く。

 そこに現れたのは、乙女ゲームの世界には存在しない剣。

 余りにも細く、余りにも脆くも見えるが、間違いなく世界最高の美しさと世界最強の切れ味を持つ剣。

 日本刀だった。


「感謝しろよ。テメー如きの角を俺の愛刀、“バイオレンス”でぶった斬ってやるんだ」


 次いで、ガイストが中段に構えた途端。


 ゴオオオオオオオオオオ!!


 刀身が真っ赤な輝きを放ちながら炎を纏った。

 正しく、ガイストが持つ魔法剣、いや、魔法刀は文字通り炎のバイオレンスと化した。


「どうだ、これでオーガの角もバターみたいに切れるぜ。ビームサーベルもレーザーブレードも真っ青だろ」


 初めて刀を見たシュドウは、この炎の魔法を帯びた鋭利な刃物こそがガイストの奥の手だと知る。

 オーガの角は鉄と同程度の硬度を誇るが、元々は盛り上った頭皮が硬質化した物。熱を加えれば簡単に切れる。

 それに、バイオレンスと呼ばれた剣にはまだ何かしらの魔法が仕掛けられているかもしれない。

 一番に考えられるのは、刀身から炎の魔法が放たれる危険性。そうなれば、戦う相手は長距離からの魔法攻撃も警戒しなければねらない。


 けれども、今のシュドウにはそんな事などどうでも良かった。

 その為に、相棒ではなく()()に危害を加えても構わないかと再確認したし、変更点以外は元々のルールのままで良いのかとも聞いた。

 元々の角取りのルールでは、直接戦っている相手以外なら敵の身内を殺しても構わないのだ。

 角取りとは、オーガ各々の民族が代表者を出し合い、敵対する民族との生き残りを掛けた戦争。戦争故にガイストが言った通り卑怯上等でもある。


 今回の勝負に際して、シュドウ以外の魔物には一切危害を加えないし、魔王の力も使わないとガイストは明言してしまっている。それだと、元々のルールも適用されるならガイスト側はシュドウの仲間へ攻撃を仕掛けられないが、シュドウはグレンのみならず、ガイストの仲間全員に攻撃を仕掛けられる。


 シュドウの真なる目的はガイスト殺害にあらず。ガイストとグレンを無視して、他の人間達を皆殺しにする事こそが狙いだった。


 最強のオーガの特攻を持ってすれば、勇者でも居ない限り無防備な人間が何人居ても敵では無い。ただの生きている的と言っても良いだろう。

 殺戮を行っている最中に、魔王の力で殺されても悔いは無い。寧ろ、己が決めたルールを破ったとしてガイストの方が魔物達からの信用を失うだろう。

 逆に、仲間達が殺されても頑なに魔王の力を使わないなら行幸。殺るだけ殺った後は、聖女を人質にして魔王を殺せば良い。当然、最後は聖女も殺すが。


 剛力種族を盾に取られた上に虚仮にされ、何度も嵌められたシュドウは、受けた屈辱を倍返しするつもりでいたのだ。

 最終的な確認を魔物達にも聞かせたのも、敵の仲間を殺しても構わないというルールを確実なものとし、後からそんなルールは知らなかったという言い訳を通用させない為でもある。

 ポーカーフェイスで無表情のままだが、(はらわた)が煮え繰り返っていると共に腹に一物を持つシュドウ。

 相対し、不敵な笑いのままのガイストは、隣に立つグレンへと声を掛ける。


「グレン」

「あいよ~」


 返事をしてニヤケ(ヅラ)のまま改めてシュドウへと向き直る。


「イヤイヤ、オメーもまんまとガイスト様の術中に嵌まっちまったな。まぁ、最初からガイスト様に忠誠を誓ってりゃ、これから余計な恥を掻かなくて済んだのによ」

「…………」

「良いねぇ、イケメンは黙ってても絵になるねぇ」

「…………」

「……じゃあ、説明するぜ」


 無反応に対し早々に諦めたグレンは、ポケットから一枚の銅貨を取り出した。

 それだけで、ほぼシュドウは理解した。


「もう分かったと思うがコイントスだ」


 コイントスという文化もガイストが魔物達へと齋したものだ。魔物達は勝負事が好きなので、この試合開始の合図は直ぐ様至る所に広がった。


「俺が指で弾いた帝国銅貨がレッドカーペットに付いたと同時に勝負開始だ。良いな」

「…………俺は構わないが……貴様……」

「んっ、何だ?」

「……いや、何でも無い」


 ありふれた説明とは別に、シュドウはグレンに違和感を覚えた。

 確かにグレンは腰に剣をぶら下げてる。けれども、刀を抜いて構えを取っているガイストとは違い、剣は鞘に収まったままで、手は柄の部分にすら触れていない。また、鎧や兜も装着しておらず、ガイスト同様貴族服のまま。

 普通に考えれば、グレンが前衛として盾となり、後衛のガイストが炎魔法を放ちながら期を見て角を狙うというのが対シュドウ戦での定石のように思える。

 つまり、定石に従うのなら今のグレンの態度や格好は、これから戦う相手を前にして余りにも無防備なのだ。


 しかし、元より二人を相手にするつもりが無いシュドウは深く考える事を止めた。

 何より、勝負開始と同時に正面に陣取る二人を無視して奥に屯する人間達へと特攻を仕掛けなければならない。その為には猛スピードで真横、若しくは斜め前へと跳び出さねばという思いで一杯だったからだ。

 無意識にも直ぐに駆け抜けられるよう腰を据え、足もレッドカーペットに皺が寄る程に踏ん張っており、人知れず殺意が(みなぎ)っていた。

 そんな人外の恐ろしさも何処吹く風。緊張感の無い口調のまま、グレンが勝負開始のコイントスを行う。


「んじゃ、行くぜ」

「…………」


 無言の了承が為される。

 指から銅貨が弾き翔ばされるとくるくると回りながら弧を描く。皆の視線が銅貨へと注がれる。


 これといった甲高い音も立てず、かといって大袈裟に跳ねもせず、銅貨はレッドカーペットへと接触する。


 瞬間、シュドウは前方少し斜め掛かった横へと跳ぶ。

 今の獲物は棒立ち状態のグレンではなく、炎のバイオレンスを構えるガイストでもない。

 先ず血祭りに上げるべきは、その他大勢の人間共。


 だが、次にシュドウは知る事となる。


 何をどうしようと全ては魔王ガイストの掌の上だったと。


 勝負開始前から既に、シュドウの敗北は決定されていたのだった。

因みにキャラクターネームは


シュドウ→手○童子の手天○子郎の部分的なアナグラム

テンロウ族→上と同じ

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