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皇極天皇 六
冬十月三日己酉、
響を群臣に賜ひて、
授位の事を議し、
遂に國使に詔して曰く、
今前勅に遵ひて、
改變する所なければ、
各其の任に之き、
爾の治むる所を慎しめよと。
十一月、蘇我臣入鹿、
古人大兄皇子を立てんとことを謀り、
巨勢臣徳太古・
土師娑婆連猪手をして、
山背大兄王等を襲はしむ。
王及び妻子、自ら縊れて死す。
三年甲辰、
春正月乙亥の朔、
中臣蓮鎌足を
以て神祇伯に拝す。
疾と稱して就かず。
三月、倭國言す、
菟田山に紫芝生ぜりと。
夏六月癸卯の朔、
大伴連長徳、
百合花の茎異にして末合へるを献ず。
六日戊申、劔池に並頭の蓮を生ず。