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僕の答えをいつまでも  作者: 星野詩乃
第1章「林間学校にて」 
5/41

繰り返すのは

初投稿、初小説です。

ですので読みづらい点もあると思いますが読んで頂けると嬉しいです。


「まずは村一周ね!」


なんだって? 初日の自由時間は長いとはいえ、夕食の時間まで休む暇はなさそうだ。この鶴の一声で今後の行動指針が決まるのだからなんとも言えない感情にさせてくれる。


暇で悩むことはないのでその分、楽ではあるが。


さっそく門の外へ向かい村へと続く一本道の坂を下っていく。それにしても夏、真っ最中であるにも関わらず、僕たちがいたところよりは随分と涼しく感じる。日光が木々により遮られている、という理由だけでは説明できない涼しさだ。いや、それでも暑いことは暑いのだが、時折吹く木の葉を優しく撫でる風がなんとも言えない涼しさを演出している。とにかくそれが要因の一つであることは間違ないだろう。と、僕たちの少し先を歩く春香を見ながらそう思ったのだった。


「ほら見て! さっそく捕まえちゃった!」


「あー! 俺が先に捕まえたかったのにー!」


春香は、僕達に向かって何か掴んでいる手を高々と掲げる。涼太は、対抗心からキョロキョロと周りの木へ視線を動かし始めた。


「わぁ~すごいねっ」


彩ちゃんは相変わらず、当たり障りのないコメントを残していた。それでも春香は満足そうだった。しかしこれ以上、彼女の鼻を高くすると町中のセミが絶滅してしまう。


「可愛そうだから逃がしてやりなよ。一週間のうち春香の手にある時間は惜しいだろ。」


春香の手でミンミンと忙しなく鳴くそれは、そこら一帯で聞こえてはいるがどこにいるかはよく目を凝らさないと探し出せない虫だ。──春香には関係ないようだが


セミの命は一週間。そういう知識を思い出した僕はそう言い返したのだった。それより虫網を使った様子が無いということは素手で捕まえたのか……


「セミは1か月くらい生きるんだけど、もちろんリリースするわ! 広くて素晴らしい自然を体全体で味わってもらいたいからね!」


僕に新たな知識を与えると共に春香はセミを木に止まらせに行く。発言の後半は虫網と虫かごを持っている人の発言とは思えないがそういうことにしておこう。


坂も下り終え舗装された道路に出る。僕等は春香についていく。まずは町の真ん中を目指しているようだ。


「思ったより大きいわね~」


暢気に春香はそんなことを言っているがバスで僕が窓の外を見た限り、この先が思いやられる大きさだったのだが……。


都会の人間の方が田舎より歩く。とよく言われるがそれは電車の乗り換えや目的のお店が近いため歩いたほうが速いという結論からくるものだろう。それに出来るだけ建物の中や地下街を通り暑さや寒さを凌ぎながら行動出来る為、そうなったとも言えるのではないだろうか。


この日光を浴びながら、何時間も歩くのは過酷以上の何者でもない。ダメだ。帰りたくなってきた。でもそれを春香に告げると、一周が五周になりそうなので黙って機会を伺うことにした。


ここまで読んで頂きありがとうございました。嬉しいです。


またよろしくお願いいたします。

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