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僕の答えをいつまでも  作者: 星野詩乃
第1章「林間学校にて」 
3/41

誰にも止められない

初投稿、初小説です。ですので読みづらい点もあると思いますが読んで頂けると嬉しいです。

 施設内は新しくもなく古くもない。よく手入れされているようだ。


 玄関を跨ぐと靴箱、そのとなりにはスリッパの入ったコンテナが置かれている。まだ十分にグラウンドの土がついていない靴から、スリッパに履き替えて室内を見渡す。靴箱と廊下を挟んで玄関の直線上には中庭のような場所に繋がる扉がある。そして、横に伸びる廊下の左右にはさらに縦側に廊下が続いている。コの形が右に倒れた形というとわかりやすい。


 僕たちは、玄関から入って右側に歩く。右側が男子棟、左側は女子棟だ。僕たちが泊まる部屋は2階にあたる。バス三台分の生徒、約90人が6人部屋に泊まる訳だが施設全ての部屋は埋まっていない。女子棟側を見ていないので正確とは言えないがこちらとあわせて10室ほどは空いているだろう。


 とりあえず、荷物を自分たちの部屋に置いて横になりたい……。


 部屋の中は、いたってシンプルだった。二段ベッドが左右の壁に沿って一つずつ。奥に少し段差を経て5畳ほどの畳が敷かれている。誰か二人は布団を敷いて寝る必要があるようだ。


「やっと休める」


 僕は、ドサッと畳の上に荷物を置きイグサの匂いを全身に浴びるように横になる。すぐさま同じようにドサッと荷物を置く音や鞄を開け、ガサゴソと中身をいじる音が聞こえる。やがてドアを開閉する音が何度か耳に響き、部屋は静寂に包まれる。


 部屋は同じと言っても、6人はこれからイベントに参加するチームではない。交友関係を広げるという学校側の配慮があり、チーム以外の人間と部屋を過ごすことになった。その配慮でチームには女子が必然的に含まれている。同じ室内に男女が一週間も寝所を共にさせるわけにもいかず……の結果だ。


 しかし、スケジュールが最初に組まれているので、寝る以外、この部屋に世話になることはなさそうである。というより、時間があっても結局は仲の良い人と集まるので、この狙いは形骸化していると言える。事実、この部屋のメンバーも自由時間の今、それぞれが友達のもとへ向かったようだ。つまり、この部屋に残っているのは涼太と寝転がっている僕だけだ。


「俺たちも早く春香と彩のとこへ行こうぜ!」


「来たばっかりだし、もう少しやす・・・」


 バンッ!


 と大きな音が立ち、僕は驚いて半身だけ起き上がる。そしてその音の方向を見る。


「遅いよ!早くこの周り探検しなきゃ!」


 春香だ。まあ・・・分かってはいたんだけど・・・


「僕の事はいいから行ってきていいよ・・・」


 ふわぁと大きく欠伸を一つ打ち、腕を枕に仰向けに寝る。

 春香はぷくっと頬を膨らませ、わざと足音を立てて僕に近づく。


「いいから行くわよ!ほらっ!」


 僕の手を勢いよく引っ張り上げると反論は言わせないと言わんばかりの視線を向ける。ドアを勢いよく開けた時には、春香の背中で見えなかった彩ちゃんは部屋の外で苦笑いを浮かべる。涼太と僕は、言うことを聞かないともっと面倒になると知っているのでこれ以上反抗するのは止めることにして靴を履く。


「さぁ!私たちには新しい冒険が待っているのよ!」


「どこの雑誌の新連載だよ」


「俺は行きたいと思ってたから良いけどね。この涼太隊長についてきたまえ!」


 ポンッと涼太は胸を叩いた後、春香と相談を始めだした。これもまた一方的に決まるだろう。

 

 僕は春香の冒険うんぬんに一つツッコミだけして依然部屋の外で苦笑いを浮かべ続けている女の子の元へ行く。


「春香は小さいころからずっとああだし、彩ちゃんが嫌なら断ってもいいんだよ?」


「ううん。春香ちゃんといると私も楽しいし・・・それに優君が・・・」


 彩ちゃんは苦笑いから一転させて頬を赤らめてこちらを覗きみる。

そうか!僕は彩の気持ちを把握する。


「やっぱり言いにくいよな~僕も今ですら無理矢理巻き込まれちゃうもん。」


「いや・・・あの・・・そうなんだ・・・」


 うんうん。わかるわかる。否定できないのは確かだけど暇じゃないって言うと確かにそうだもんね。僕は頷く。背中に春香の勝利の高笑いを受けながら。


ここまで読んで頂きありがとうございました。それだけでも嬉しいです。


ミスやアドバイスがありましたら是非お願いいたします。


本当にありがとうございました。

またよろしくお願いいたします。

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