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僕の答えをいつまでも  作者: 星野詩乃
第1章「林間学校にて」 
16/41

過去は宿命

初投稿、初小説です。


ですので読みづらい部分もあると思いますがよろしくお願いします。

「みんな! 僕も釣れたよ!」


 なかなかの笑顔だったと思う。自分でも分かるほどに。というのも僕は釣りをするのは初めてだった。4人のなかでも経験者は少ないと思う。ただ初めてやったことで結果がでると嬉しいものだ。この喜びは、鮮やかな自然がすべてを歓迎して僕達4人に感動を与えてくれているような気さえした。僕は、釣糸をたぐりよせながら3人がいる方向を向いた。



 瞬間。僕の視界に移る景色がものすごい速さで青色になった。足も宙に浮いている。


 ――ウワッッッ!!


 もう遅い。そこから先はデジャヴだった。魚に気を取られ忘れていた。運悪く自分の落ちる先は液体ではなく灰色の硬そうな色だった。何も考える暇もない。手には釣糸を握っているためとっさにバランスをとることや受け身の体制をとることが出来ない。魚も暴れ、釣糸が僕の手に絡んでいくことを感じた。僕の身体は重力を受け、頭から地球に引っ張られていった。



 ――ドサッ!



「優ッッッ!!」


 春香の叫びが聞こえる。僕の名前を呼んでいる。僕はまだ何が起こったのかわからなかった。


「早く救急車と先生を呼んできて!」


「わ、わかった!」


「う、うん!」


 春香の呼びかけに対し、食い入るように返事をする涼太と彩ちゃん。ここまで2,30分かけて来たというのに。僕は本当に助かるのかな……。いや、僕はこうなる前になんとかするべきだったのだ。すぐに2つの足音が駆け足となって遠くなっていくのを感じた。


「ごめんね……私が言ったから……失敗だった……」


 身体中が刺されるように痛い。頭もズキズキする。僕が見た夢というものが現実になった。正直、信じてはいなかった。もし、信じているのならばここまで来ていない。安全を考えクラスのみんなと同じ場所で釣りを楽しんでいたはずだ。滅多に現れない僕の好奇心がこの結果を招いた。春香は自分を責めている。だがこれは僕の責任である。なぜならこうなることを知っていたからだ。思ってみれば僕が暴走すると結果が良くないものばかりだった。その度に、春香が自分を責めていた気がする。最後に物事を冷静に見ることが出来て良かった。


 僕は春香に振りまわされてばかりだった。危ないものはもちろんあったが彼女のおかげで楽しく過ごせていたのだと改めて感じた。彼女に感謝を言おうと僕は口を動かそうとする。

 

しかし、動かない。遅かったのだ。何もかも。


「私のせいだ……」


 僕の脳は、春香の自分を責める声を最後に考えることをやめた


ここまで読んでいただきありがとうございました。


また次回、是非よろしくお願いいたします!

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