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僕の答えをいつまでも  作者: 星野詩乃
第1章「林間学校にて」 
14/41

その夢は現実

初投稿、初小説です。


ですので読みづらい部分もあると思いますがよろしくお願いします。

「さぁ! 釣り大会よ!」


「1人でやりなよ……」


 春香のハイテンションにいつもより一段とついていけていない事が自分自身でも分かった。もちろんこの川での釣りは、大会などではなく自分たちが食べる物を自分たちで調達するという目的で行われるものだろう。お昼までを施設の敷地内で自由に過ごした後、学年の90人の内30人がこの川に来た。他の60人も30人ずつに分かれて別のメニューをこなしている。これを僕たちは三日間かけてローテーションしていく形だ。90人がこの川に集まるとゴチャゴチャしてしまうのは目に見えているので当然だろう。


 この川というと、施設の近くを流れるものだ。近いと言えども山道を10分ほど歩いてきた。整備された道はあるようだがそこは林間学校。生徒たちには当然のように歩かせている。10分程度、別に車などで送ってもらわなくても構わない。それに歩くとなると整備されていない道より、涼しい山道の方が良かったので特に文句はない。


 ただでさえ変な夢を見て、もしかしたら僕はお金持ちになれる能力を持ったかも知れないんだ。春香対策もバッチリだが自分に変な期待をしてしまってオチオチ寝てはいられなかった。


 川の水が大きめの石にぶつかり、避けていく音がザアザアと聞こえてくる。


「いや予知夢の能力があるなら寝るべきだったな……」


「何ぶつぶつ言ってんだよ。さっさと行くぞ!」


 涼太が僕を急かすために淡々と早口で情報を伝えてきた。


「え? どこに?」




「川の上流に決まってるだろ」



 涼太はさも当然かのように僕に伝える。いつ決まったのかわからない。春香に急かされているのだろう。その証拠に春香がクラスの束から抜け出しているところが見て分かった。その後ろを不安そうに目をキョロキョロさせている彩の姿もあった。



 嫌な予感がする。記憶に新しい。あの夢通りのことが今から本当に起こるのか。確かめたい気持ちもあった。僕の心は、不安と好奇心を熱い鍋の中で練った飴のようだった。僕は若干の好奇心の色になった事を認識し、涼太の言うように川の上流に向かう。もちろん、上流へ行くことは崎島先生には言っていない。学校側はそんなことを認めてない。最初の注意事項で言っていた事を覚えていた。崎島先生なら理由を言えば黙認してくれるかもしれないが、やはり先生は先生なので反対すると僕たちは判断した。


 ザクザク


 音が四つ。道とは到底言えない川沿いの砂利道を進む。不揃いの小石が靴の下から足を刺激する。川の近くだからか思っているよりは涼しい。ただセミの鳴き声はジジジジジと鳴き止むことはない。気温を演出する戦いは暑さの勝利であった。


「さぁ! ここら辺ね! 彩ちゃんだけ期待してるわね!」


「わたし……頑張るよ!」


 なぜ彩ちゃんにだけ期待を寄せているのか。せっかくなら僕と涼太にも一声かけてほしいものだ。


ここまで読んでいただきありがとうございました!


また次回、是非よろしくお願いいたします!

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