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僕の答えをいつまでも  作者: 星野詩乃
第1章「林間学校にて」 
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はじまり

初投稿、初小説です。ですので読みづらい点もあると思いますが読んで頂けると嬉しいです。


 ゴツン!

 ・・・痛い。

 僕は、時折ガタガタと揺れるバスの後方、窓側に座っている。僕の乗っているバスは二号車。定員30人の中型バスが前と後ろに一台ずつ、合わせて三台が列を成して国道を安全運転で進む。しかし、山を切り崩したり無理やり道を曲げて作った山道では当然揺れが発生し、窓に頭をぶつけてしまうのだ。ガヤガヤと騒がしい車内では、僕だけが窓から外の景色を眺めているように思う。深くため息をつくのを我慢し、「おかゆ!」と隣にいる幼馴染の暇つぶしであろうしりとりに付き合っている。


「春香・・・もう止めない?」


「なんでよ?始まったばっかりじゃん!ほら優!はやく!」


 もう始まって30分は経っている。どうやらこの調子だと目的地まで続くらしい。幼馴染である春香が頬を膨らませ僕を見つめる。目を見る限り本気で怒っているわけではなさそうだが、面倒になりそうなのでこれ以上は反論しない。争いごとが嫌いというよりは面倒事が何よりも嫌いなのだ。労力、ストレス、そういった関係に頭を使うよりは、ボーっと今晩の夕食の事を考えている方が好きだ。


「春香は、どのコースにするの?」


「ら・・・ら・・・ライオン!」


 あまりにもお粗末な結末に本当に高校生なのか?と疑問を抱かずにはいられない。


「途中で話しかけたらわからなくなるから!・・・。私は、やっぱりBBQ!」


 また機嫌を損なわせてしまったかと思ったが話題が良かったらしく杞憂に終わ る。ハツラツとした笑顔が眩しい。この元気はどこから来ているんだと思いつつ、長かった暇つぶしが終わったことにホッとする


 ――


 揺れるバスはトンネルに入りだした。夕食はBBQ。僕もそうしようかと脳内会議で満場一致の採決がされた。春香がいると何かと世話を焼いてくれるため、そこまで働く必要がないからだ。そう考えているうちにバスはトンネルを抜け、木と木の間から村をみることができた。


 このバスは、山間の町にある林間学校施設に行く途中である。町といえども決して小さいものではなくそこそこの大きさ、人口といったところだ。道を歩いている人も見かけるし、こんな山間では、2時間に一本しか来ないであろうバス停。その待合ベンチで井戸端会議しているおばあちゃんもいる。町というよりは大きな村といった方が納得できるほど柔らかな時間が流れているように思う。


 また、遠くの盆地のようなところには木造の校舎のようなものも見えている。若者、学生もこの町には少なからずいるようだ。見るところはそこだけではない。こんなに自然豊かな場所があるのかと僕は考えられずにはいられなかった。普段は、ビルに囲まれた生活をしているため、自然と言えば学校内の校庭に生えている素直に整列し手入れされた木が何本か見れる程度だ。良くて少し距離が空いたところにある自然公園といった手入れされた木々が並ぶ公園だけ。もちろんそこでも木々では隠しきれないビル群が常に視界に入ってくる。


 そういった環境を考えると視界に移るものがほとんど緑で埋め尽くされている現在は僕に癒しというものは何かというのを教えてくれているようだ。


「なんだか明るいね~」


 どこか的外れな感想を口にするのは、前に座っている彩ちゃんの物だった。ほんわかしたオーラから当然のようにそういった斜め上の言葉が放たれる。照れた笑みを浮かべて、備え付けのカーテンをクイッとあげ、席と窓の隙間から後ろに座る僕と春香の方に語りかけている。


「前向かないと危ないよ。・・・・・・うっぷ・・・」


 そういったのは、彩ちゃんの隣に座り、長旅ですっかり青白くなった顔をしている涼太だ。最初は意気揚々とバスに乗り込み、どちらかというと騒いでいた方であったのに、もはや見る影もない。


「・・・気持ち悪い・・・」


 なんと声をかけていいやら。僕と春香と彩ちゃんは苦笑いを浮かべ心配そうに涼太を見つめる。心配といってもここで吐かないで欲しいという願いからくるものだ。それを知ってか知らずか涼太はもう喋らなくなってしまった。というよりもう限界のようだ。そっとしておいてあげることを三人で目配せし、到着まで窓の外の景色を堪能することにした。



ここまで読んで頂きありがとうございました。それだけでも嬉しいです。


ミスやアドバイスがありましたら是非お願いいたします。


本当にありがとうございました。

またよろしくお願いいたします。

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