第1話 自宅警備員
先に言っときますが作者と主人公はかなりの腐った性格をしています。駄文ですので批判されてもどうしようもありません、作者は誉めれば更新が早まります。批判すれば更新が遅くなります。かなりわかりやすいクソ野郎ですが暇つぶしにでもなれば嬉しいです。
トウキョウ都・エリア15
燦々と輝く太陽が建物や道路を焼き、うっすらと陽炎が見えるこの真夏日でもスクランブル交差点では、クールビズ姿のサラリーマンがハンカチを顔に当て吹き出る汗を拭いてたり、こんな暑い中身体を近づけピッタリと寄り添うカップルが居るなど様々な人々が交差点を渡る中、スクランブル交差点のちょうど真ん中に一際目立つ風貌の人間がいた。
こんな暑苦しい真夏日にその一際目立つ風貌の人間は全身を覆い被すフードを身にまとっていて、客観的に見れば違和感があるのだが辺りの人々はその人間を全く気にせず通り過ぎてゆく
「・・・ここはゲームの世界だ現実じゃない、学校の嫌なやつだってこの世界には居ない、居たとしても俺だとわからない、だから・・・」
その全身フードを身にまとっている人間の声はブツブツと呟く声だが、その言葉と声を聞くにはまだ未成年というのがわかる。
「俺は自由なんだああぁぁーー!」
その少年は天に向かって吠えるが辺りの人々はそんな少年の奇行にも気にせずスマートフォンを弄ったり、友人とお喋りをしながら少年を通り過ぎてゆく
天に向かって吠えた少年は吠えた後身体の力を抜き、まるで死んでいるような目をまるで殺人犯のような狂気じみた目に変え
「まずはそこのお前からだ!〈接触爆発Ⅰ〉効果範囲・使用者の右腕!」
そう少年が言葉を発した瞬間少年の右手の先から六角形のオレンジ色に輝く魔法陣が浮かび上がり、少年の右腕を通過してゆく
魔法陣が通過した腕の部分は白く光り輝き、少年は偶然目の前にいた中年のサラリーマンの頭部をその光り輝く右手で殴ると
ボン!
少年の右手が頭部に接触した瞬間、その接触部分から小規模な爆発が生じ、殴られた中年のサラリーマンの顔を覆った。
そしてその中年のサラリーマンは爆発の衝撃で元の位置から数メートル吹っ飛ばさた。
爆発の煙が少年の前からなくなった後、少年の前には力無く倒れた中年のサラリーマンがおり、そのサラリーマンには頭部無く首の断面からは青白いポリゴンが光っていた。
静寂、真夏日の昼間騒がしくガヤガヤと人々が行き交う中で中年のサラリーマンが少年にいきなり殴られ、爆発し、吹き飛び、頭部の無いまま力無く倒れるまでの数秒間、それまで騒がしかったスクランブル交差点では一時の静寂が訪れた。
うあああぁ!
一時の静寂が訪れた後は怒号にも似た人々の叫び声だ。人々は歩道、車道構わず四方八方へ逃げ出す。そこにあるのはただ1人の少年による殺人劇だった。
俺の名前は木下陽一、20歳、成人はしているが仕事はせずに世に言う自宅警備員という社会の負け組のひねくれ者です。
身長は170を超えた辺りからは計っていないし体重は運動してないけど多分平均よりは軽いと思う
まぁ、誰がこんな社会不適合人間の自己紹介を聞きたいとか思わないけどまぁ、自他共に認める性根が腐ったやつ
なぜ俺がこんな性格になったかというとそれを語ると軽くライトノベルは出来るぐらいに長いし、第一俺の心が持たない
端的に言えば学校でイジメが有ったということ、ただそれだけ
そしてそんな根性無しの楽しみというのはまずネット小説を漁って勇者だの友情だのハーレムだの俺と全くの正反対の輝かしい異世界冒険物や近未来のSF物を一日中見てたり、VRMMOなどでゲームでもぼっちを貫き通し遊んでいたり、の全く持って無意味な1日を過ごしている。
そして、そんな暇な時間だけは一般人よりある底辺野郎はとあるVRMMOゲームの新作を買うために並んでいるのだ。
無論、我が同志たる社会の底辺達は真夏の中、普通にゲームショップに一週間前から並びその中には当たり前自分も居るわけだが、そのゲームは他と違っていい意味でも悪い意味でも注目の集まるゲームだ。
VRMMO『電子の檻』、舞台は今から30年ほど前の東京都全部を使ったオープンワールド型のゲームで、コンセプトは真の自由、魔法有り、武器有り、ロボット有り、殺人有り、建物破壊有り、といった事が出来る。
魔法やロボットは使えるけど、従来のゲームのようなエルフやドワーフ、ドラゴンといったファンタジーの世界でなく宇宙を舞台にした壮大なSFの世界でもなく、ただ今の世の中とほとんど変わらない少し前の時代の東京、が舞台なのだ。
まぁ、何でも出来るというゲームはVRMMOでは無かったが昔から似たようなゲームは有ったのだが、なぜ、注目が集まるかというと
VRMMO『電子の檻』では、世界初の試みである。囚人のVRMMOの仮想世界での収監および罪の執行である。
21世紀に入ってからはますます人権宣言という俺の一番信じられない言葉が世界各地で謳われ、それには殺人、強姦といった重犯罪を犯した囚人までに及ぶという中、先進国を中心に死刑という物が無くなった。
勿論、死刑が無くなっても釈放されるとかあるはずがなく結局のところ各国の最高刑は終身刑になったのだが
それから数十年、日本では経費削減と守銭奴も逃げるような政治家が現れあらゆる物を削減していった結果・・・
刑務所の縮小及び効率化が行われ、VRMMOによる収監という有り得ないことが起きたわけだ。
さて、囚人はこんな俺こと底辺野郎が日夜並んで買おうとしているゲームがタダで出来るわけが無く・・・
それこそ囚人の人権を無視した仕様であることが全国の様々な被害者の方々の暴動を抑えた訳でありますが
そんな、囚人達の居る異色のゲームを何とか買いまして少しテレビに映ったのはちょっとした自慢・・・
そんな事を思い出している自分はただ今牢屋にいます。
もしかして童貞を長くこじらせた俺が幼女を襲って捕まったとかそういう物ではなく・・・
今さっきゲームの世界で交差点のところでヒャッハーしてたらゲームのポリスマンに問答無用に拳銃で撃たれまくって死んだ後の転移先が檻の中というわけです。
檻には『残り6時間24分58秒』浮かんでおり、普通的に考えればそのタイマーが0になったら釈放されると思うけど、ログアウトしてもタイマーは進まないのでゲーム内でちゃんと待たないといけないことになりました。
ご丁寧にゲーム内のプロフィールには収監回数1となりました。
~それから数時間後~
ちゃんと6時間ちょっと収監された自分は先程のような真似はせず、利己的に動くこと決意しながら現在自分のデータを見てみる。
ユーザー名 ボブ・クロワッサー
プレイヤーID ○○○○○
性別 男
職業 暗殺者
副職業 魔法士
技スキル
〈暗殺〉・忍び足Ⅰ+1、暗器Ⅰ+1、刀術Ⅰ+1
〈格闘術〉・素手Ⅰ、格闘Ⅰ
魔法系スキル
〈爆発〉・接触爆発Ⅰ、空間爆発Ⅰ
〈時空〉・空間断裂Ⅰ、加速Ⅰ
職業効果
移動速度が15%up、map範囲が1,5倍に広がり、技スキル〈暗殺〉のスキルレベルが一段階プラスされる。
・・・都会の交差点でヒャッハーしてたけど一応暗殺者なのです・・・はい
VRMMOの世界でも一応現実世界のインターネットは使えるので、『電子の檻』について調べてみると早速掲示板でギルドの勧誘やら、対戦相手募集やらで活発だった。まぁ、初回発売が3万本でサーバー増設と共にプレイヤーを増やしていくらしいが
「PKありなんだよな、この世界」
そう、このゲームはPK通称プレイヤーキルが出来る。今の時代ほとんどのVRMMOではPVPという両者の同意の元で行われる決闘しかないのだが、このゲームでは実際のプレイヤーをゲーム世界で殺害できるため、現実では正義のおばちゃん達などが、かなり騒いでいた覚えがある。
「ギルドってもなぁ・・・」
そんな人間不信になりそうなゲームでもギルドというグループに入っていれば信頼出来る仲間を得ることができ、大人数でボコるという虐めやアイテムの融通などはできるが・・・
「ないな」
そう、この社会の底辺、腐った性格を持ち童貞でニート野郎のコミュ障には人との繋がりが怖いのだ。
まぁ、そんな奴がVRMMOやるなよって言われても別にソロプレイが禁止されてるわけではないのでと開き直る。
「とりあえずこれから暗くなるし、ポイントを稼がなければ」
勿論ポイントとはプレイヤー、囚人、NPCを殺害することで貯めることができ、そのポイントでアイテムを買ったりすることができるし、レベルも上がる。
昼間は日本の警察官、ポリスマンに捕まる可能性(いきなり拳銃で撃ってくるが)が高いので比較的夜が安全である・・・とソフトの説明書に書いてあった。
「それでは比較的隠れる場所の多いエリア7辺りでも行こうかな」
そう決めた自分は闇夜に紛れ込んで移動する。
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