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明日への夜道  作者:
3/3

出会い

やっと、少女の、とうじょうです!


不思議な雰囲気の少女と出会う和馬。

その出会いにどんな意味が…?


「ねえ、和馬ってば聞いてる?」

(暑いなあ…。くそ)

「ねえってば!部活ー!」

(こいつがこんなこと言うから変なこと思い出すんだ)

「か、ず、ま!」

だから。

走ろう。




「はぁはぁはぁはぁ」

(みんなみんな、俺の気持ちを分かってない)

「はぁはぁはぁはぁ」

(俺だって止めたいわけじゃない)

「はぁはぁはぁはぁ」

(けど、出来ないんだよクソッタレ)

「はぁはぁはぁはぁ」

(こんだけで息上がってやがる。くそ)


《本当に?出来ないの?》

《もう追い付けない?》

《病気だから?肺が弱ったから?》

《レギュラーは取れないから?》



心の声に蓋をして、足を止める。

顔を上げて、汗を拭う。


(なんだ…あれ?)

小さな山の中にある、赤いレンガの小さな煙突。

無我夢中で走ってる間に駅とは違う方向に走ったらしい。

行ってみよう。



チリンチリーン…

木製の扉を開くと、鈴の音が響き、質素な店内を振るわせた。

喫茶店らしく、綺麗な店内には木のテーブルが2つほど、置いてあった。

そして、その奥に、膝に分厚い本を乗せ、座り込んだ少女がいた。

細い肢体、白い肌。

そして、少しだけ、少しだけ、紫がかった、ほぼ白の透明感のある、長い髪。

切れ長の大きな目は女の子に、シャープさとあどけなさを与えていた。

(可愛い…)

「貴方が…さっきの」

「え、あぁ。和馬!赤山、和馬だ」

「そう…」

「君は…?」

「……サラ」

「皿?」

「私は、サラ」

「名前…か?」

木漏れ日の漏れる店内は不思議と温かくて、居心地が良かった。

「そう」

少女が不思議な雰囲気だからだろうか?

「君は…なにしてるの?」

「読書」

「そっか」

なんでも良い。

初対面だけど、ごめん。

もう少しだけ、ここに、いさせてくれ。



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