花との遭遇
チュンチュンと雀のような鳴き声が聞こえるこの世界雀いるのかな
カーテンの隙間からは朝日の光が漏れている
まだ寝ていたいけど今日は手続きがあるらしいのでベッドから体を起こし
カーテンを開けるとまず見えてくるのが巨大な城…のような学園
「夢じゃないんだ…」と一声漏らしやはり夢ではないということを実感
手続きといっても何をするのか知らされていないのでとりあえずアイリーンちゃんの部屋に行くことにする隣の部屋だから遠くもないので有難い
だが朝だというのに廊下は真っ暗だった
廊下の窓のカーテンはすべて閉まっている誰も起きていないのかなと思った
このままでは歩きづらいしカーテンを開けることにする
その為にカーテンに触れたその時だった
触った瞬間いきなりカーテンの上に魔法陣が浮かび上がり電撃が放たれた
そして僕はそのまま自分の部屋に飛んでいった…というより吹っ飛ばされた
暗いのは…寮母さんの趣味なのだろうか
とにかく隣の部屋のアイリーンちゃんにそのことも兼ねて聞こうと思い
ドアをノックしたこの際廊下が暗いなんてことはどうでもいい
「アイリーンちゃーん?おきてる?」と声もかけて
「うん起きてるよーいった!!ちょっと待っててねー!」
そう言われたので数分壁にもたれかかって待っていると突然扉が
バン!という感じで開き中から煙と共にテンプレの魔女帽と杖、そして
鞄を背負っていたアイリーンちゃんがいた
「じゃあ行こっか!」ということで何故あんな登場の仕方をしたかは置いといて僕ら二人はまず学園の校長室を目指すことになった
寮から出たとこで朝のこの世界を見渡すと見たことのない色の薔薇に朝露がかかり朝日がそれを照らしていてすごく綺麗だった
その後は学園まで適当に歩いていったそして大体学園の正門前くらいになったとこで登校してるのであろう生徒たちの視線を感じる
なぜだろうと思い自分を見ると気づいた
私服なのだ着ているのはこの学園の規定である制服であろうものではないから注目されているのだと思う
それを察したアイリーンちゃんが僕の手を握ってそのまま早歩きで半分僕は連れ去られているかのようなかたちでズルズルと引っ張られ校長室前まで行ったその間かなり注目された主に私服ではなく引っ張られていることに関してだと思うけどね
「失礼します」と言い昨日と同じように中から「どうぞ」という声
そして入ってまっさきに目に留まるおかしい校長
「どこがおかしいのじゃ!」勝手に心の中を読まれるというのも面倒だ
「すまんのう生憎面倒な性格と言われると何故か嬉しくってね」やっぱりおかしいな
「それで?何のようできたのじゃ?」
「昨日言ってた手続きということで何をするのか聞きに来ました」
「そうじゃねまずはこの書類に個人情報等書いてもらえるかね」
「分かりました」悪用されないかな…ないよね
「あ、そうじゃアイリーン君、君はもう授業に戻っていいぞ」
「はい。失礼しました」といってアイリーンちゃんは出て行った
その後校長は自分の机で書類のハンコ押しをしていた僕も書類を書き進めている
「すまないね」いきなり校長がそう言い出してなんのことかと思ったけどすぐにアイリーンちゃんのことだと分かったまぁそれ以外無いのだけれど…
「いえ、いつか戻れると信じてますので」別に信じてはいないけど戻れたらいいなくらいだな
もうこの世界に圧倒され驚くことも少なくなってしまってなんだか元の世界のことを忘れそうで怖いけど仕方がないと受け入れ始めている受け入れたくないけどそれが現実ってことをもうこの年でだ我ながらびっくりする
「そうか」そう校長は言って会話は終わりその後特に何もなく沈黙のまま書類を書き終わり提出したこれで手続きというのは終わりらしいので
とりあえず寮に戻るとしよう
「では失礼しました」そう言って出て行く今は丁度授業中らしく学園内を動き回ってる生徒はあまり見かけない
そしてそのまま寮へ足を進める
僕はこれからどうするのだろう魔法について学ぶのだろうか…ないな性質が違うと言っていたし
でもアイリーンちゃんみたいに空飛んでみたいなぁ
そんなこと思っていると途中で見たことのない花を見つけた
いや、花というのかな宝石みたいにそれは固く光沢もあり宝石でできた
花と表現するのがふさわしいと思える
「初めて見たけどきれいだなぁ…後でアイリーンちゃんに名前聞こうかな」
「それはねぇレグランドっていう花なんだよー」突然声をかけられびっくりした
後ろを向くと大人のお兄さんがジョウロとエプロンをして立っていた
声はきっとこのお兄さんだろう
「そうなんですか初めて見ました綺麗ですね」
「そうだね僕もこの花大好きなんだぁ」花が好きな人なのかなというとこのジョウロとエプロンは何か花を育てているのだろうか
「じゃあ僕はこの辺で」
「うんまたねー」そう言って僕は寮に帰った着くなり自室に入りベッドにダイブした
そしてちょっと昼寝をしようと思い寝た