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夕焼けのあとに  作者: 榎詠崎るん
1/3

家出

夕焼けの空の下公園のベンチに座り夏休みにも関わらずただ空を見上げているだけの

少年の姿がそこにはあった

その日その少年は母と喧嘩し家を飛び出してしまった。

家出といえるような遠出もできない年の小学4年生の岸川誠は少しだけ遠くの公園で時間を潰していた

誠の頭の中では母になんと謝ればいいかそもそもなんでこんなことになったのか

そんな考えが浮かんでは消えての繰り返しだった

自分が悪いとわかっていても親とは顔が合わせづらいので家には戻れない

もうすぐ日が落ち暗くなってくるのにどこへ行けばいいのか宛もない誠は困っていた

「どうしよう…」この一言は誠にとって何回目かなんてもう数え切れなくなっていた

「はぁ…」というため息もおなじだった

一人ベンチに座り宿題も終わってないのにただ時間を潰すだけなんてなんて勿体ないことしてるんだろう

せっかくの夏休みが台無しだと思う誠は少しでもこの時間を無駄に過ごさないためにと

周りを観察し始めたのだった

近くの家やマンションから聞こえる親の声と子供の楽しそうな声それはものすごく遠く聞こえるはずなのに

誠にとっては大きく聞こえてすぐにそれを忘れようと他の物に目を向ける

公園の片隅に落ちてる駄菓子の袋や紙のポイ捨てされたゴミや

主人に忘れ去られたおもちゃ道具

汚れた遊具に砂場の砂の山

どうでもいいことなのにそれ以外やることのなかった誠は公園の隅から隅まで見た

「はぁ…」というため息さっきからため息の回数が多くなっていることくらいは分かっていたようだ

それに別の「はぁ…」というため息が重なる

驚いた顔や言動には出さなかったものの驚いたそれはすぐ近くにいた

気付かなかった

女の子がすぐ左でベンチの横に立っていたのだった

公園の隅から隅まで見たはずなのに…と驚いていた

「君さ、なんでこんなとこにいるのよ」と女の子に声をかけられた

誠はなんて言っていいかわからなかった家出したなんて情けなくて言えなかった

「もしかして君も?」と言われた誠には女の子が家出してきたことを察して行ってくれたのかと思った

また、「も」というところでこの子も家出したのだろうと思いコクコクとうなづいた

すると女の子は喜んだ顔をした

「そうなの?!私もなの!!嬉しいなぁ仲間がいたなんて心強いよ!!」誠は心強いよの一言が

頼りにされてるみたいですごく嬉しかった

「私ウィザードなの!!」誠はよく分からなかった女の子の名前なのかなと

思ったがこの子は日本人にしか見えないしどういうことだろうと思っていた

「君は?何クラスなの?」どういうことだろうクラス?なにかこの子は勘違いしてるのではなかろうかと考えたけれどもとにかく何か答えなければと思いわかることだけ言った

「クラスは2組だよ」クラスという言葉は学校のクラスのことしか思い浮かばなかった

すると女の子は驚いていた

「え!?なにそのクラス初めて聞いたんだけど」生まれて初めて聞いたかのような驚き方だったそんな驚き方に驚いた誠も

「え?」としか言えなかった

「え?」と女の子に聞き返された

沈黙がすこし続いたもう空も暗くなり星も見えてきた

「あ、わかった!!君もしかしてこっち来るときにどこか打って記憶が混在してるんじゃない!?きっとそうだよ!そうだったらすべて辻褄が合うしね」

こっちへ来るとき?記憶が混在?何を言っているんだろうこの女の子としか考えられない誠はどうしていいかわからず黙ってしまった

「うーんとりあえず一緒に来る?校長先生に相談すればいいよ!」先生これには聞き覚えのあったがやはり意味のわからない誠はなんて言っていいかわからなかった

「うんそうすればいいよ!もうすぐ19時だね門が開かれたら一緒に行くよ」門?どこに行くんだろう?疑問しか出てこない

そんなことを思っているといきなり公園の地面が光り出して魔法陣が現れる

驚いてベンチごと後ろにひっくり返った誠は

何がなんだかわからないようで驚きと疑問符しか出てこない

「ぼ、僕もう家に帰るよ!お母さんも心配してるし」そう言おうと思ったが言い終わる前に女の子に手を引っ張られ魔法陣に引き込まれた

地面にぶつかると思い目をつむったその瞬間辺りが光で溢れ出し

気づいて目を開き周りを見るとそこはもう誠の知っている公園ではなかった

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