プロローグ
今回は、原賀翔視点です
【四月 三日】
今日は小流学園のみ入学式だ
のみって言うところに注目してほしい
なぜ、この学園のみが入学式って言うかと
普通ならまだ春休みが続いているのだが、伝統とかなんとかでこの学園のみが入学式だからだ
絶対に日にちを変えない入学式
この学園には一部の人間にしかわからない不思議な都市伝説みたいなのが噂されている
入学式の日
晴れならば次一週間はどこも世界中どこでも雨が降る
曇りならば一か月後殺人事件が起こる
雨ならばどこかしらの国が戦争を仕掛ける
そして・・・雪ならば新入生の一人に地獄のような学園生活を与える
そんな、噂がある
俺 原賀翔は親父からその呪いみたいな都市伝説を封印、もしくは破壊して来いと言われた
タイミングも良く、ちょうど俺が新入生として入れる年齢だから俺はその学校に進路を決めた
そして・・・今日、雪が降っている
「やるしかない・・か」
「どうした?翔」
俺の右側で一緒に登校している新入生が俺に話しかける
こいつは俺の友達の山本亮伍
見た目はチャラついているが根っこの部分はお人よしって言う。損するタイプだ
サッカーが大の得意で、スカウトも来ているらしいが彼女がこの学校の新入生らしくこの学校を選んだらしい
こっちとしたら心配で仕方ないのだが・・・
「ほらほら、時間ヤバいよ?」
「おっと、そんな時間か」
亮伍の横から背の低い男子が時間を教えてくれる
この子・・いや、こいつの名前は大場準
科学者の息子だ
理系が大の得意で、推薦も来ていたのだが・・・こっちも彼女がこの学校らしくこちらを選んだらしい
・・・俺の周りってなぜか彼女がいつの間にかできている場合が多いんだよな
でも、それは男子に限るみたいだ
「ねえ、翔。ほんとには知らないとまずいかもよ?」
左側で準と背が同じくらいの少女が話しかけてきた
彼女の名前は東雲ミサラ
母親が外国人なので名前の方はカタカナだ
金髪の長髪で、見た目通り運動神経が悪いちょっとしたお嬢様だ
そして、話は戻るがミサラはなぜかモテないみたいだ
ミサラからでる話は基本的に恋愛ごととかでないからこの前俺と話してないで彼氏作れよと言ったら
「そんなのいらない!!」
机をたたきながら怒鳴られた
どうやら、恋愛ごとは苦手みたいだからそっとしておくことにした
で、現在に至るのだが・・・
とりあえず、親父に頼まれた仕事をやらないとな
俺の親父は人間と吸血鬼のハーフで元忍者だ
なんだ?その最強みたいな設定っというるツッコミはやめてください
だけど、これだけで驚いてはいけない
母さんは化け狐と人間のハーフで元忍者だ
もう、母さんの方は相手が人間じゃないからな
あと、さっきから元忍者と言っているけど正確には現役の忍者だが、どちらとも抜け忍だ
いわゆる駆け落ち
だけど、忍者の里と言うところから逃げてきたくせに、まだかかわりを持っている
・・・そのせいで今日は代わりに俺がやらないといけない
昔から、仕事を代わったりすることはたびたびあったが、完全に俺に任せるというのは初めてだ
さて・・・そろそろ学校に着くな
不思議な都市伝説
それは呪いか、それとも魔法か
はたまた、神の気まぐれか
それは、いずれわかるだろ
とにかく、任務を遂行する
そう思いながら、校門から入ったら・・・
―――――シュン
「え?」
視界が雪の白から急に黒に変わった
何が起きた?
一瞬にして戦闘モードに入る
・・・今は朝だ
俺の力は夜になるとピークとなる
だけど、朝と昼は違う
夜の時と比べると三分一くらいしかでない
そう思いながら腰からクナイを取り出す
俺は警戒しながら歩き始めた
情報が少なすぎる
幸いにも俺は吸血鬼の血を引いているから暗闇でも目が使える
ゆっくり ゆっくりと歩く
どれくらい時間がたったのだろう?
置いてきた荷物に合流してしまった
・・・とりあえず、わかったことを整理しよう
今、俺は呪いに中心にいる
多分、俺が呪われる学生に選ばれた
で、閉じ込めているこれは魔法だ
よくは知らないが、方向感覚をマヒさせる魔法だ
・・・今のところこれくらいか?
そう思った時だった
――――ビュン
間一髪俺は殺気を感じたため本能的に避ける
しかし、避けたにも関わらず頬を何かが切った
―――チャキ
「!!!」
ハンマー!?
飛んできた方向にはハンマーを持っている男と同じクナイを持っている女が立っている
いや、よくよく見ると後ろには魔術師みたいな恰好をしている奴もいる
3対1
しかも、相手の魔法の中で・・・
「・・・」
無言でハンマーを持っている男は近づいてくる
俺は横逃げようとするが・・・
――――ビュン
また、クナイを投げられた
今度は避けることができたが横に動くことができない
ならば後ろ・・・と思ったが
―――ガン
さっきまでなかった壁ができていた
そして、魔術師は手元に魔法陣を描いている
・・・そして、ハンマーを持った男はいつの間にか俺の目の前にいた
「クソ!!!」
とっさにクナイを投げる
俺は携帯性が低いが使いやすいクナイを使っている
俺のクナイの数は3本しかない
俺はそのうちの二つを投げたが・・・
―――ガキン ガキン
後ろにいる女に全部食い止められる
・・・俺に残ったのはクナイ一本のみ
「クソ!!せめて一太刀ぐらいは!!!」
俺は捨て身で近づいてクナイで切りかかるが・・・
―――ガン
壁にぶつかった
俺はそのまま意識がなくなりつつあった
・・・任務を失敗した
最後にそう思ったのと、男が俺に対してハンマーを振ったことだけは見えた