第九話 憤慨
「お前はいつも自己中心的で、人の心に土足で踏み込んで来た! おまけに自分の意見に賛同しない人間に対しては徹底的でもなくて、ただお前に付き従う取り巻き程度にしか思っていなかったんだろ……‼」でもなくて、ただお前に付き従う取り巻き程度にしか思っていなかったんだろ……‼」
昼間は堪忍袋の緒が完全に切れた。
「お前……オレに薄情だのなんだの言ったがお前が一番‼ 俺たちのことをなんとも思っていない‼ お前が大事にしているのは数だ‼ 異物を排除するときに使える駒の数‼ 現にお前は、アイツらを先に行かせて、お前はビビって最後の方まで残っていた!」
「な、なにを、ごちゃごちゃと……アイツらだってお前を倒すき満々だったから、先に行かせただけだ……‼」
長田は図星を突かれたような顔をした。
「もう……オレは、お前に従わない。惑わされない……‼ オレは……オレだ……‼」
昼間はゆっくりと歩を進めた。
「くそっ、クソォ‼ 来るな……来るな……! 本当に……刺すぞ、コイツを……‼」
ナイフを持っていた長田の右手は震えていた。
「やれるもんなら……やってみろよ?」
昼間は瞬きもせず、淡々と長田に近づいてくる。
「…………‼」
長田はこの重圧感に身に覚えがあり、長田の動悸は早くなる一方だった。
まるで昼間の一歩一歩は死へのカウントダウンを刻んでいるようだった。
混乱した長田は夜ではなく、昼間の方にナイフを向けた。自分自身の身の方が危うくなると直感したからだった。
「邪魔だ‼」
「痛ッ!」
夜は地面に押し倒された。
「ゥォォォォォオオオオオオオオ‼ 死ねぇぇ‼」
長田は風を切り裂く勢いで昼間に迫った。
「あ‼ 昼間くん‼」
夜は昼間が刺されると思い、慌てて叫んだ。
しかし、次の瞬間長田が握っていたナイフの矛先はどこまでも続くような漆黒の空に向いていた。
そして長田のみぞおちには昼間の膝がめり込んでいた。
「ヴッ……‼ ガハッ……‼」
長田はタンを吐き出すほかなかった。
「……ありがとう。長田。オレの孤独を埋めてくれて……でも…………もういいから」
昼間が長田を離すと長田は地球の重力に従って地面に倒れ込んだ。




