お引越し。
ちまはわたしの部屋の座椅子に蹲っている。
テーブルがあるからだろう、そこが落ち着くらしい。
ちま、と呼ぶとにゃーと答える。
よしよしをするとゴロゴロと喉を鳴らす。
今日も生きている。
アルバイトの面接のために履歴書を買ってきた。
履歴書を書くためにはちまを移動させないといけない。
いつもちまがいたキャットタワーの2階にそっと移動させた。
反発することなく軽くなった身体は、ひょいと持ち上がり、少しにゃーと鳴いていた。
疲れたちまは三白眼でこちらを眺めていた。
よしよしをすると安心したのだろう、そっと眠りに入った。
しかし、ちまはやはり衰弱している。
箱座りをしていたが体位を変えたかったのだろう、寝返りを打つと2階から転げ落ちてしまった。
ちまもびっくりして弱々しくにゃーと鳴いた。
何度も何度も、撫でた。大丈夫だよ、と。
少しずつ起き上がり、ドアの前に座り込んだ。
以前住んでいた時に母の部屋にも行き来していたので、そちらだと少し安心するかもしれない。
ドアを開けるとヨボヨボと母の部屋にいき、水をガブガブと飲んだ。久しぶりのことだ。わたしの部屋にも水は置いていたが気づけなかったのかもしれない。
その後、キャットタワーの1階の隠れ家スペースに入ってひっそりとしている。
時折ちま、と呼んだり撫でたりすると、にゃーと鳴く。生きている。今日も生きている。




