28/37
硬直するちま。
父の部屋の縁側は相当暑くなってきた、7月。
リビングで過ごすことも多少増えてきた、ちま。
それでもヨボヨボで衰弱しているのは事実だ。
出窓に登る体力すらもう残っていない。
ある日、ちまがぐったりしたままリビングで倒れ込んでいた。
母は言う、「ちまが危ない!見に来て!」と。
慌てて向かうと、右側を床につけ寝転んだまま動かない。
せめて栄養を、とちゅーるを差し出す。
ゆっくりとしたペースで必死に生きようとしていた。
そんな中でも、掃除機をかけると、
「掃除機!?何ですかこの音は!!危険な気がします!!」
と、スタスタ父の部屋に行く元気さもあった。
笑い話になっていた所で、今日もちまはぐったりだ。
今度はトイレの中で倒れ込んで動けない。
そっと抱き寄せ踏ん張れるように支えつつ母と共同作業でちゅーるを1本食べたが、ボトボトと落とす。
ウェットタイプの餌も餌箱に入れても食べられないので、食事介助が必要だ。
呼吸こそ荒くないが、いつどうなるか分からない。
母がぽつりと言う。「この夏を乗り切れるかどうか…。」
別れは嫌だ。とんでもなく、嫌だ。
それでも命を宿ったもの皆、老いて朽ちていくのが運命。
どうかせめて1日でも長生きして欲しい。
どうかせめて痛みがなく穏やかに逝ってほしい。
その願いを込めながら今日も明日もちまと共に歩いていく。




